サイバーショット2代目
台風17号はきつかった。
我が家は幸い大した被害もなく、停電も断水も最短だったように思う。
教員住宅に引っ越しておいて、心底助かった・・・と感じた。
島人にしても、体験していないような一番厳しい台風だったと口にする。
意外だったのは、吹き返し。
これまでの台風は東風〜南風〜西風という順だった。
今度の吹き返しは猛烈な北風で、想定外?の北側被害が続出した。
吹き返しのタイミングで、どうやって北風が吹くのか、メカニズムは判らないけれど
これまでにない強力な北風によって、被害が甚大になってしまった。
島は自前で立てた小屋や家が多い。 トタンも足りないという。
知人の家も大破したが 幸い家族は台風のさなかを避難したという。
今回は電柱もだいぶ倒れた。 電線の切断も常識を超えているようで、
台風後4日経っても、まだ停電しているところがある。
冷蔵庫の中は推して知るべし。 洗濯もままならない。
もちろん夜は真っ暗で、AMは入らぬから、FMだけとなる。
役場には、電気がもどったモンスター老人から、ケーブルテレビはまだか!と
矢の催促が入っていた。
災害復旧中なのに、わきまえのないジジババ増加中なのが浮き彫りになった。
後片付けや、災害復旧作業、家の修理などをする人らの表情を写せば、
とてもいい写真集がこさえられるだろう。 でも私にはヤル気が起こらなかった。
メンドクサイ人を写して残すのも、やっぱりメンドウだし。
幸か不幸か、今年の町民体育祭は災害復旧のため、中止となった。
ニュースは、被害確認中で切り上げてしまったから、情況が把握されない時点での
数値を報道したにすぎず、今は報道時よりもずっと被害が大きいことがわかっている。
しかし、そのことは報道されることはない。
ニュースとは、新しいだけで正確ではない。
とりあえず報道した、という既成事実づくり姿勢も読み取れる。
こちらを通過するときは、平然と普段の番組構成だったけれど、
いざ威力が低下して、内地に向かった途端、ニュースはひっきりなし、
番組は変更になっていた。
南の島とは、そういう扱いをされている地域だし、内地人では気付かない
危機的空気すら、読んでもらえない地域であった。
合コンの空気を読むのもよろしいが、同じ国民が危機のときの空気も読めぬでは
人道的にどうだろう、その意識。
こちらの台風は、まだゼンゼン終わっていない。
あちらこちらで、チェンソーや槌音が響いている。
ちょっと視てきた。
報道されていないし、調査もされていないが、実は竜巻が起こったらしい。
大破した知人の家である。
軒先や、窓が割れて飛ばされたのではなく、上へ吸われるように、上部だけが飛んでいる。
実は主は飛ばされる瞬間まで家に居り、家屋にヒネリがかかったあと、フワッと屋根が
空へ舞い上がっていった・・・という。
通常、屋根が飛ぶときは、横風がひどく、屋根が上へ舞い上がることは無い。
モンスター老人らが、ケーブルテレビが視られぬと矢の催促をしているが
知人宅の近所、電線ちかくの家屋から飛んだトタンでスパッとえぐられ、断線したのだ。
半分の光ファイバーは生きているが、全て接続しなおし・・・だそうだ。
こうした場合は、メタル線の方が相当工数少なく復帰できるのになぁ。
最新式だから全てマルってわけでないのが、現代技術の限界。 まだまだだ。
さて
災害復旧のさなか、災害ネタは島人に勝手に一任しつつ、
空気を無視してデジカメネタである。
我が家にサイバーショットTX20がやってきてしばらく経つ。
実は、先代TX5は物忘れがよすぎて、ついに電源断のたびに日付を忘れ
撮影のたびに設定を催促されるようになったため、焼酎で眠らせた経緯がある。
魂カメだったこともあって、焼酎でお礼を申し上げて、逝ってもらった。
あれから、とりたてて妙なことは起きていないから、大丈夫そうである。
レンズの明るいオリンパスTG−1も悩んだものの、なにしろオリンパス製だ。
あの死にそうにイラつくミュータフのこともあって、購入後少しでもトラブルがあれば、
拡大後悔したり、甘かった考えに自己嫌悪するから、TX20はあっさり注文できた。
以前の特集記事でも書いたが、TXシリーズの拡大鏡モードは素晴らしい。
機能名「拡大鏡モード」は、とてもアダルトすぎて、通り越していて無視したい名だが
使ってみると、実に優れた技術を投入してあることに気付く。
本来は、その名の通りスマートな天眼鏡なんだろうと思う。
ワイドマクロというレンズ機能を用いて、広角で超近距離撮影することで
遠近感(パースペクティブ)を強調した撮影を愉しむことができる。
早くも死語となった、鼻デカを覚えているだろうか?
動物の鼻を、超広角や魚眼レンズで撮影し、遠近感の誇張で遊んだ写真だ。
TXのワイドマクロ撮影は、鼻デカには向かないが、ほどよく小動物を大柄に写す。
先日Oちゃんが我が家までもってきてくれた、希少昆虫アマミマルバネクワガタ。
オスの太短い牙のフォルム、力強さが強調されて写る。
6センチ足らずにもかかわらず、画像では大型動物並みの力感が得られる。
っていうか・・・フツーは、アマミマルバネをもらったりできないだろっ!?
希少人類Oちゃんならではの仕業であった。
さておき
こんなアングルの撮影は、全く他のカメラでは代用できない。
同じような防水+ワイドマクロ搭載のカメラは、オリンパスやキヤノン、ニコンにも
あるものの、ストロボ制御がお粗末。 というか、おそらく生産はオリンパス。
さりとて、一眼レフでも超近距離のストロボ制御を行っているものはない。
一眼レフの大きなレンズでは、全て上から目線すぎて、昆虫や爬虫類目線にはなれぬ。
オマケ機能の拡大鏡モードで、なぜ巧妙なストロボ制御を搭載しているのか・・・
ソニーの技術屋の遊び心に、ムフフフ感がある。
画素数が無駄に増え、10メガから一機に16メガ・ピクセルになったのはTX10から。
画質低下や、タッチパネルの操作性低下が酷評されたものの、
TX20では、かなり改善されているような気がする。
ただ、やはり画質以前に、ピクセルの小型化によって感度が低下しているようで、
先のワイドマクロを多用する夜では、ピント合わせが遅かったり曖昧になりやすい。
ま゛しかし、夜中に昆虫を2センチの距離で、美しくストロボ撮影するような撮影は、
本来コンデジのなせる業ではなかろうから、ゼータクは云えぬ。 写るだけで御の字。
しかも、画質的にはTX5よりいいくらいだ。 多画素で高画質化、正しい進化である。
タッチパネルについては、やっぱり悪い。
でもTX5に比べてどうか・・・と問われれば、同じくらい悪い、あるいはもっと悪い。
感圧式から、スマホと同じ静電容量式となったのだが、どうもソフトの方に問題がありそう。
だいいち、ソフトウェアボタンが小さいし、余裕があってもくっついて配置されていたり。
ハードウェアのキーやレバーは手袋をしていても操作できるというのに、変な造りだ。
水中で使えぬと酷評されていたのだが、水中ではもともとタッチ操作はしないから
全く問題なかった・・・ま゛、口コミも話半分だ。
強いて言えば、沖合いのリーフに腰掛けて、陸側を撮影するとき、
水中用のデジタル補正では、画像がタル形に歪むから、地上用モードに直したい。
水滴をぬぐったり、はらったりしたが、結局指の水滴で、わずかしか動かず
切り替えは断念した。
流れのままに水中の使い心地に移るが、水中ではわりと快適だ。
使うのはどうせ、ズームとシャッターと動画ボタンくらいだから、手袋をしていても楽勝。
レンズは開放でF3.5と明るくないものの、濁りがあってもピントを外すことは少なく感じる。
比較対象が、どうしようもないストレスモデル、オリンパス・ミュータフ8010だから
よほどのダメカメでない限り、優秀と感じてしまうだろうけれど・・・
オリンパスブルーと呼ばれている美しいブルーの画像も、写らないから意味は無かった。
動画ボタンが独立したのは、たいそう使いよい。 ハイビジョン映像もなかなかだ。
さすがに水中では自分も相手も動くから、のんびりなタツノオトシゴですらピントが合わぬ。
だからフワリ手に取るしかない。 普通に泳ぐ魚を撮ろうとすると無理がある。
置きピンも、水中ではままならないから、魚は条件が揃ってないと難しい。
ただ、被写界深度が深いから、後ピンでも合っている様に見えるのを利用している。
ルリスズメダイだけは、青トビして・・・どうにも写りが悪い。
麗しい青だが、カメラにとっては青すぎるようだ。
以前は、メディアを取り出したり、充電するには唯一のフタを開けていた。
けれど本機には二つフタがあって、側面のフタの開閉では、カメラ内部の空気が
入れ替わらない構造のようで、一度全てのフタを開けて乾燥させて閉めれば、
側面のフタの内側にあるUSB端子で充電もデータ読み取りもできる。
泳ぐ前に、毎度除湿庫に入れていたから、とても重宝。
除湿庫などで除湿してからフタするコツなど、取説のどこにもない。
ひょっとすると、電池などの入る部分も、回路部とは独立した気室になっていて
これまでのような結露に悩まされない設計なのかもしれない。
だがバッテリーのところに基盤が見え、用心にこしたことはなさそうに思う。
とろこで
このごろのコンデジにはプレミアムなんちゃらオートとか、勝手にシーンを判断して
カメラ自身が機能を調整して撮影するモードがついている。
こいつがヤタラ便利だ。 最初は少々戸惑ったが、確実に高画質になる。
ワンカット撮影するたびに、処理中と表示されて、イラッとすることもあるものの
どうやら秒速10カットのスピードで複数枚を撮って、自動HDR撮影をしているよう。
時々、何カットも勝手に写そうとしているようで、手を下ろすころまで撮影している。
おそらくそんな時は、加速度センサーで、動いて使えぬカットを判断しているのだろうか。
(夕暮れに逆光で、ストロボなし)
お陰で逆光なども自動判断しているようで、破綻の少ない画像を手軽に得られる。
こないだ買ったパナのFZ200など、同じセンサーサイズで12メガピクセルしかないのに
白飛び黒つぶれが激しくて、見られたものではない。
ドラゴンフルーツのさっぱりな味以上に、ガッカリ度は高い。
ちょっとショックなのが、スイングパノラマだ。
これまでは手を伸ばして腰を振って撮影していた。 オッサンは目が遠いから。
しかし、TX20になってからは、どうもエラーばかりでなかなか撮影できなかった。
取説を検めたところ、顔の前にコンパクトに構えないとダメのようだ。
それでは液晶が近すぎて見えない・・・ 機能が若造シフトしている。
撮れれば、以前よりずっと精度高くつないでくれている。
確かソニーが最初に実現した機能だったのではなかろうか。 振るパノラマ撮影。
社会は近眼+メガネ標準になっているから、仕方ないのだろうけれど、
FZ200では、電子ファインダーの中の映像がスゴク小さいのがショックだった。
メガネをかけた頃合、ちょっと離してのぞくと、ちょうどいい具合になっている。
メガネ標準のカメラ・・・仕方ない社会になっちまったもんだ・・・
ガキの頃からメガネにコンタクト、ジジババになったら老眼鏡・・・やれやれだ。
なわりには、主人公がメガネでないってのはナゼだ??? 深層心理差別か???
メガネはやっぱりカタワ・・・には違いない。
私が知る範囲では、魔法使いの針井堀太、アラレちゃん、ウルトラセブンくらいかな。
セブンはウルトラ天然眼鏡って感じだろうか。 ウルトラにも程がある・・・
国民総セブン化まっただ中といったところか。 心からメガネ一体化・・・笑うに笑えぬ現実。
得失いろいろある。
けれど、私の撮影生活のなかで、このカメラに代わるカメラを私は知らない。
水陸両用、そこそこ丈夫、いつもポケットに入れて歩いている現実の軽さ。
望遠は弱いけれど、ワイドはパノラマまでカバー。 下手なワイドレンズよりはるかに広角。
超望遠レンズとセットで使うのに、ここまで具合のいいカメラは無い。
交換レンズより軽い高機能カメラ。 それにハイビジョン撮影も、ずいぶん高画質になった。
ちなみに、あなたは自分のカメラをポケットに入れてあるいているだろうか?
せっかくコンパクト、高速起動なのに、いちいちケースから出してぇ〜ケース仕舞ってぇ〜
それから撮影していないだろうか? カメラに過保護すぎで、シャッターチャンスも逃しすぎ。
カタチだけ持って歩くカメラは要らぬ。 私は写したいから持って歩くだけだ。
先代TX5の塗装、外装がボロボロになるにつれ、自分だけのカメラ感があった。
そうなってくれれば、また嬉しいものである。
あんまり道具に納得しない、満足に使えないことが多いのに、TXは私の生活の一部だ。
反面
新たに購入した明るい超望遠FZ200は、携帯の仕方について非常に苦慮している。
防水でもない、丈夫でもない、一眼ほど便利でもない、さほど小さくもない・・・
しかも画質がかなりよくない・・・そりゃもうナイナイ尽くしで、利用シーンは森の中。
いつ雨が降るかわからぬ、薄暗いときこそ持ち込むだけに、どうやって持ち歩いたものか・・・
不況で弱腰になっているメーカー、あるいはモンスターユーザーが爆増している現代にとって
ただの防水ケースといえども、どんな使われ方をするか判らぬから、作られないのかもしれぬ。
以前買っておいた、フォックスファイアの完全防水の一眼レフのバッグも今は生産中止。
妙な使い方をしたユーザーが被害妄想の限りを尽くし、妙な口コミをネットで強行する世の中。
ま゛、バカモノが増えて進化を妨げるのもまた真理、摂理。 仕方ないのだけれど。
それにしても、科学信者の現代人は、機会を、科学を過保護にしているだけで、
科学技術はもろく、長持ちせず、大したものでもないのに信じすぎているように感じる。
大切なことは、使うことであって、仕舞っておくことではないし。
南国では、ホコリがつけば湿気で錆び、隙間があれば虫などが産卵して自然破壊?
していく電化製品。 使える地域が限られる製品・・・差別とは云わぬが、
利用地域を選ぶ技術レベル程度では「世界に誇る」・・・などと片腹痛いのではないか?
どんな小さな世界を想定しているのだろう。 エアコンの効いた屋内の世界?
そういった意味では、南国でも壊れ難く進化しているTXシリーズ。
イノーの釣りにも安心して持っていける。
そういった意味で、TXの人口カバー率というより・・・地球カバー率は非常に高いと思う。
ともあれ
昭和のオッサンが、これほど使えるコンデジをこさえるとは・・・ソニーさんもやるね♪
コンデジとは、小さいことに意味がある。 一眼にない、小さい光学系にこそ意味がある。
そして、携帯してこそ意味がある。 単純だけど、他社に実現されていない要件。
ゴッツイ姿のカメラを、誰が持ちたいと思うだろう。 スマートがいいに決まっている。
タフカメラだからタフデザイン、それはタフな頭が問題であって、現代メーカーにおいて
タフさが脆弱であることの裏返しでしかない。 そんな仕方ない発想を捨てたソニーに乾杯!
いいカメラに出逢えてよかったわい。