ひさしぶり、サクラ日和

 


週末の遅めの午後、めずらしく友とサクラを見にでかけた。

どんなサクラ待っているだろうか・・・

せっかくだからちょっと遠出して、湘南は二宮へ。

 

ずいぶん前から、気になっていたのだが

大島で早上がりしたときに、東海道線、熱海からの各停で

通過する小さな町であった。

 

ぶらぶら、ぶ〜らぶら、さして予定もなく

ただただ、うろ覚えの地理を頼りにサクラを探して歩くだけ。

 

まずは海を見に行く。

なんといっても長男、今年はまだ一度、ただの一度だけ大島へ行っただけ。

心が海を渡る風を飲みたがっている。

 

途中、二宮名物・・・なるものを目撃。

ガラスのうさぎ、まんじゅう、もなか・・・

ガラスのイメージからは程遠い質感の和菓子・・・

創業130年ってマジックで書いてあって、

自信がないのか・・・アンダーバー(下線)までひいてある・・・

しかも、ついでに書いてある黒ゴマ、ユズ羊かん・・・関係ないじゃん・・・

海が呼ぶので謎は謎のまま、次の遠征まで謎として温存する事にした。

次まであったら本物だよ、きっと。

 

湘南の海は、通行の多い国道の向こう側。

思ったよりずっと濁っているものの

でも海は海、立派な太平洋である。

風が心地よく、うろ覚えの地図を思いながら浜辺を散歩だ。

こんな散歩が毎日できる、犬と一緒にできる人たちが

時折追い越したり、すれ違ったりする。

 

幸せの形というのは、どういうものなんだろうか

あんまり魅力的な魚の釣れない浜辺だけれど、思い切り散歩できる。

半端な海は、やっぱり風はいいけど、心を満腹にはさせてくれない。

都会に住んで、海を恋しがって生きていくのが幸せなのか

ぼ〜っと考えたりもする。

 

砂浜には、実は歩き方があって、手ごたえのある散歩は

柔らかい砂地や波打ち際から上りきった盛り上がったところをザクザクと歩くのだが

早く歩きたい時は、波の洗う、濡れた部分を波をかわしながら歩くのだ。

水で締まった砂地は、他の乾いた所より速く歩きやすい。

体が自然に波うち際を歩こうとしてしまう・・・釣り人の体質・・・?

 

葛川沿いには、美しい桜並木があるらしい・・・それだけで出かけていた。

サクラのない町というのもないだろうから、それだけで十分であった。

でも、友をあんまり引きずりまわすのもなんである。

どうやら、見当違いらしいから、そのへんの浜辺三歩幸せ人生を歩んでいる

人にたずねてみたところ、やっぱり川は海側からはまだ遠く

くねくねと曲がりくねって、陸側に行くと案外近いという感じだった。

 

一応、こんなこともあろうかと

持ってきていたモバイルを駆使し地図を探してみると・・・

海岸べりに至った葛川は、太平洋からの波の影響で砂丘が曲げたのか

海外沿いに大きく東へ迂回して海へ至っている。

う〜む、河口は遠すぎるな・・・

釣りのポイントにもなりそうだったから、ちょっと見たかったのだが・・・

 

やっぱり河口を断念し、内陸を目指すことに。

 

ほどなく、葛川に遭遇。

ところどころ、サクラが川べりに咲いている。

ひなびた町並み、湘南らしい、細い小道が家々の脇をすり抜けている

ちっちゃな町並みを楽しみながら、川べりにでてみる。

 

おおっ!小さな広場にサクラが咲いていて、近くの家族がプチ花見をやってる。

年に一度、たった一度だけかもしれないけれど、とってもあったかな幸せの形、

ふと見えた気がしたからか、友も長男もなにやら感動してしまった。

 

川のせせらぎ、サクラ舞う小さな広場、家族の笑顔・・・いいな〜

住んでみれば、いろんな幸せに気づくんだろうな、町なりに。

歳とったんかなぁ〜こういうのがしみるんだな〜。

 

やがて夕暮れ。

町中の小さな山に、なんとか公園というのがあったんだけど、日中限定の公園で

夕方5時には閉鎖・・・都会には変な公園があるもんだ。

人が信用できないと、こういう公園が出来ちまうんだな・・・

都会の脇にある、少し寂しい町でもあった。

 

ま、公園まで登頂はできぬが、夕暮れのグラデーションに映えるサクラが美しい。

高台のサクラもまた、空にのびのびとして心地いい。

こうして遠征花見散歩はユルユルとすぎていく。

友とのんびりと過ごす、サクラだけ見て過ごす週末もいいなぁ。

(かなり浜辺の行軍がこたえた気もするが・・・)

 

帰りの町並み、案外湘南は生活本位で、とっても人間くさい。

商店も小ぢんまりしていて、派手さはないけれども安心して買物できそう。

どこぞのディスカウントみたいに、やる気のなアルバイト店員が

客を尻目に棚を整理したり、ダンボールをとっちらかしているような

寂しい思いをする事などは、まったくないんだろうな・・・

会話を楽しんだり、ちょっとオマケしてもらったり、時にはお土産をもってったり

町角の至るところに人情がありそうであった。

 

さてさて

海チャージ、サクラチャージ終了。もうすぐ、南大東遠征。

今年は南大東遠征も節目の年になりそうだ。

変わり行く島の姿を、しっかり見つめてこようと思うので、アレコレ装備も大変。

しかし、なんだかこう、ぼ〜っとしてて

心のスイッチが入っていないような気分も否めない

春がすみモードの抜けきらぬ長男でもあった。


ではまた