泳ぎ納め + ちょっとだけ死にそうな気分
世間の哀しい話
北海道では、資金に困った暴力団員が、鮭の密漁に励んでいるという。
サケは、海にいるときは釣っても捕っても問題ないが、川に上ると資源保護の観点から捕獲禁止だ。
どんだけ地道で涙ぐましい暴力団なのやら・・・ そうまでして暴力団でいるより、
サケを熟知している立場、組織力を活かし、漁業に専念する方が向いているかもしれない。
不況が進み、暴力団も地域密着型の巧みさを身につけているのだろう。
命がけの真剣さは、遠く漁師をしのぐ技前を有している可能性が大きい。
ニオイ玉というのを、ようやく知った。
子供のころから、臭(くさ)い豆腐(とうふ)みたいなのが吐き出されたのだが、意味がわからなかった。
このごろなくなったので、気にしなかったが・・・ガッテンでやっていたのをチラと見かけて思い出した。
島に来てから、一度だけポロッと出たが、触るととても臭いのでビックリする。
膿栓(のうせん)というらしい。 軽くなぞが解け、100円ショップで買い得を発見したくらいの喜びがある。
エボラ、とてもではないが収まりそうにない。
メリケンや仏が大好きな、自由という考え方が今回は敗北を招いている。
自由とは、ユルさと同義であることが証明されたカタチだ。
自由を愛するっぽい諸国は、いろんな意味で最先端であり感染国・・・ってことになった。
さて、どうする?
無駄に危機感をあおる気は無いものの・・・そもそもウィルスはDNAそのものであり生物かも不明な存在。
進化もベラボウに早い。 それに対して、空気感染は無い・・・などというウタカタの知識が役立つだろうか。
ユルいことに関して、我々は無関心すぎるのかもしれないし、風評被害というコトバを乱発するマスコミに、
飼いならされてしまっているのかもしれない。
除染が進んでいないフクシマに対して、風評被害というコトバは、あてはまらないのに・・・である。
これだけ情報が確かなポン国内において、風評被害などと・・・政府のバカゲタ世論誘導には呆れるばかり。
事実無根の風評被害発言は、根本的に無意味で控えるべき。 確実に核汚染は進んでいるというのに。
ナンなら・・・夢想の凍土壁とか・・・どうなった?
国産を差し置いた、メリケンとかフランスの機材やロボットはどうした?(笑)
フクシマに住むことは、かの地を愛するものには悪いが、現状では無駄な愛郷心だ。
命が惜しければ、死ぬ気で他の地へ移住すべきだ。 どうせ死ぬのならば、未来に遺恨を残さぬ地へ。
フクシマで育った子らが、結婚できない世になる前に、つまらぬ意地を捨てたまえ、親の方々よ。
昨年、泳ぎ納めは月末だった。 今シーズンは冷えが早く、気温の上昇する日をうかがっていた。
防災の仕事がアレコレあったり、天候や体調がすぐれなかったりして、このごろ機会がなかった。
その日は、前日夕刻から風が南に変わり、ぐんぐん気温が高まっていた。
午後、29度を越えたので、仕事をほっぽらかしてヨナマビーチへ。
私は月間66時間労働だ。 半日くらいホッポラカシたからといって、労働時間不足になることはない。
台風で塩害になり、肝心の曇り止めのヨモギが枯れてしまっている。
わずかに残った葉を、それぞれの株から一枚ずついただいた。
ビーチの内側は冷(ひ)やそうなので、外海への水路へ直接向かうことに。
ビーチの北端にある磯から、外海へつながる水路が近い。
いきなり結局になるが・・・外洋は思った以上に低温で、せいぜい24度くらいしかない。
長居できないので、とりあえず歩くサンゴ、クサビライシを探す。
台風の大時化でぶっ飛ばされたのか、水深3mあまりのサンゴの間などに落っこちていたりした。
見回しても新顔は居らぬようだし、産卵期を過ぎたとはいえ、攻撃の激しい大型のゴマモンガラもいるので、
ハマクマノミを眺めてから、トットト撤収することに。
ハマクマノミは大きくなると度胸がすわり、ニンゲンを見据えるようになる。
毎度正面の顔ばかりになる。 小さいのはイソギンチャクの中にヒキコモリで出てこない。
このごろ、心まで貧しすぎるシマンチュが乱獲し、チャン相手に売り始めたナマコ。
50センチくらいのジャノメナマコがわりといたのだが・・・今年に入り、激減した。 これは40センチオーバー。
今シーズンは、全力でつねり続ける小さなガザミ・・・ナマコマルガザミの姿を確認できなかった。
過日2連発となった台風により大ダメージを受けたサトウキビ。
これからヒコバエがが出ると、成長に養分を奪われて糖度が乗らなくなってしまう。
収穫まであと一ヶ月あまり・・・
また、いろんなものが乱獲される地盤が築かれたのかもしれない。
知識も所得もモチベーションも貧しすぎる徳之島は、世界自然遺産が夢のまた夢なのだ。
イノーに戻ったものの、濁りの上に冷水と温水が混じっていて、もう感覚が麻痺してしまった。
派手な魚たちは見られない。 なにやらチラと目に付いた。
一見砂色で地味なわりに、岩目?みたいなのが鮮やかなイシヨウジ。
ヨウジウオ・・・では、魚マニアでもないかぎりナンジャソリャだろう。
んがしかし、無駄に鋭い?青の読者諸氏ならピンと来た方はいるのではなかろうか。
どこかタツノオトシゴに似ている・・・と。
タツノオトシゴもヨウジウオ亜目ヨウジウオ科である。 背中がシャンとしたタツノオトシゴがヨウジウオだ。
更に鋭い諸氏なら、アオヤガラと似てんじゃね? とか気づいたかもしれない。
ヨウジウオ亜目ヤガラ科だから、実はシャンとして大型化した・・・遠目の親戚であった。
かなり体温が下がってきているので、もっと冷静?になるために陸(おか)を眺めることに。
爽やかなビーチの景色。
おそらく、外洋が24度ほど。 ビーチ側のイノーは23〜27度くらいだと思う。
ガタガタ震えるほど寒くはない。
しかしながら、若くないので生命維持に必要な熱量が、体の芯に生み出せていないことがわかる。
ヤバソウだな・・・あとどのくらいでツルだろうか・・・
半世紀ちかい歳を経た段階で、ツル・・・と云う現象は、額の広さ的な問題のみではない。 吊るのだ。
吊るという現象の事由は解明できていないという。 私に関しては、体温低下がトリガーとなっている。
早々朝の体温低下や低水温によるコムラガエリや吊りは、我が身の体験により、とっくに実証済みであった。
ふだん、あまり運動していない、筋肉の発達と神経の伝達があやふやな体質の場合ほど、吊りやすい。
しかも運動能力が低いので、体内の発熱制御や体温制御が乏しく、体温低下しやすいのだ。
当然、高温のときには熱中症を引き起こしやすい。 ニンゲン、弱くなるほどハッキリ覚ることもある。
タイムリミットが読めぬ心配がよぎる。 急ぎすぎると危険な気がするし、岸までは20分くらいかかる。
おそらくもう、手足の体温は36度を切ろうとしている感じである。
けれども、まわりは絶好のサンゴ。 熱帯魚たちが気にかかって、つい観察してしまう・・・
道草しながらユルユル戻っていると、キタ キタ キタ キタッ!
最初はフクラハギの吊り、じきにスネの吊り・・・
やんわりと・・・このままだと死ぬるかもしれん・・・と思った。
太ももと膝は動かせるものの、動かすとコムラガエリとスネの痛みが連携するのだ。
それはもう・・・なんともいえぬ、絶妙な痛みに♪(笑) 普通なら泳ぐのを止め、叫びたいのかもしれない。
ただし、私はご存知のとおりモトモト結構なM体質であった。
痛い・・・けどまあ、さほど悪くないような感覚。(笑)
痛さのあまり心地よくなり、危機感が薄れて安心してしまうほどドドドドMではないものの、
機能不全を感じつつも、痛みに対する恐怖は、さほどでもないようだった。
結構、Mかもしれぬ・・・と自覚してみたり。
M将軍様には遠いと思うものの・・・M少佐か、あるいはM大佐くらい昇進できるかもしれぬ・・・と危惧する。
かなり陸まで戻ってきたころ、モヨウフグの類が泳ぎはだかる?
わずかに泳ぎながらコチラに体側を向け・・・あたかもサボっているフグだ。 ちなみに、スジモヨウフグ。
30センチを越えた良形だが、逃げるのをはばかっている。 ニンゲンを恐れぬサボり体質は大したものだ。
足の痛みを感じながらも、ついつい観察してしまう。 同時に、淡い死の恐怖も感じつつ・・・
ニンゲンは意外に痛みには強いのかもしれない。
水深が1mを切り、歩けるようになったとき、痛みとともに砂地に立つ事ができた。
最初は足首が云うことをきかなかったが、直立したことで血液が足に下がったのだろう。
じきに足は正気をとりもどし、歩くことができた。
ニンゲンの体は、面白いものだ。
おそらく、私の体はユルい生活のために自律神経失調で、体温調整が正常でなくなってきている。
起床しようにも目覚めにくく、体温を計ると低いまま。 とてもダルイ日々。
反面、代謝が少なくなっているので、体温が上がると、下がりにくく熱中症にまっしぐら。
しかも、湿度が高いので、汗をかいたところで体温は下がらない。
あるいは
夜半に下がった体温が上がらず、日の出で気温が上昇する前なのに、タオルケットに触れている肉体が
やたら冷たい汗をかき妙にヒンヤリ暑がるようになる。 さほど暑くないのに、汗が出て仕方なくなる。
私は暑い感覚はなくとも、肌が無駄に蒸し暑さを感じ、汗をかいてムズムズし、カユくてたまらなくなる。
そうした体験を繰り返すと、さすがに学ぶ。 体温が下がると、ニンゲンは変になる・・・と。
寒くなれば、こうして無駄に汗をかくこともなくなり、やや快適になるはずだが、こんどは体温が上がらず
寝起きに数時間かかるようになる。 強引に起床し、美味いショウガのスープ一杯飲むしか、今のところ手はない。
泳げなくなると、いよいよ内地のように寒くなるわけでもなく、たぶん11月までツクツクボウシの一種が鳴いている。
南国の夏から秋への移ろいは、とてもゆるやかだ。
無論、紅葉もない。 せいぜい、ドングリが実る程度である。
いよいよ、キロオーバーのミナミクロダイがイノーへ入ってきた。 今度は、吊りでなく釣りシーズンか?
酔っ払って竿を折ってしまい・・・とんだ新調になってしまったし。