まわりの風景
世間話。
このごろ、内地では日本酒が流行ってるらしく、NHKネットラジオで聴いた。
オヤジ殿がわざわざ紙パックに入れ替えて、高級純米酒を送ってくれることもあるが、美味しくない。
不味くはないが・・・だいぶ料理酒に利用してみたり。
このごろめっきり初夏めいてきて、北風の日は朝は寒く、日中は暑くなってしまう。
そろそろ一丁生活(パンツ一丁)できそうな夕暮れも増えてきた。
17度→23度といった日格差になっている。
これが意外にビミョ〜で、日陰に入ると20度そこそこで寒いから、半袖では寒く、長袖では汗をかく・・・
といった風になる。 湿度が高いぶん、23度でも暑さはそこそこシツコイ。
そんな気候だからだろうか・・・さっぱり日本酒が美味しくない。
コチラで置いてある日本酒といえば、ワンカップか料理酒くらいなものである。
料理酒があるだけでも奇跡的だ。
でもスーパーには法外に高いマッコリがあったり・・・ 売れ残ること間違いなし。 高すぎだ。
ビールが端麗スタンダードの島では、なんぼなんでも高すぎる。
本当の味などは知らないから、なんとなく雰囲気が似ていれば十分なのだ。
当然、ワインも安いのしかないし、赤玉以外があるだけでも御の字である。
魚が釣れたらニッポン酒!と意気込んでいたころが懐かしい・・・
折々に書いてきたが島は雑で、ガッカリなものが多い。 旅行者には味であり、住民にはストレスだ。
ゴミが多かったり、舗装や家の造りも・・・どこも雑なイメージで満ちている。
イメージで済めばいいが、実際に雑だから設備も自然も壊れる。
サッシがキチンと閉まらない・・・なんて普通だし、大雨が来れば雨漏りの話題も普通。
新築するとき、柱が膨らんで上から差し込んだが穴に入りきらず基礎まで届かなかったから・・・
カットして上に屋根を乗せ、あとで乾燥して柱が基礎まで落ち、屋根がくぼんでしまった・・・なんてのもある。
海は赤土で合わせ味噌の味噌汁のようになる。
なぜか着工が遅れ、ヤッツケのように完成した野鳥観察台。
いや、かなりヤッツケで、製材した段階の粗い木肌がそのままの手すり・・・だったり。
子供達が遊ぶには、いささか心配。
それこそ、私も構想設計をヤッツケてしまったが・・・幸い、大きく間違った部分はなかった。
いや、間違わないための調査と検証はしておいた・・・というべきだろう。
直径7mの14角形と、窓の大きさ。
後者は東京港野鳥公園で確認して、現場で巾20センチほど広げてもらった。
広げなくても設計上は全く問題なく、キッチリ検証したから視野は十分確保されていたものの、
ただ・・・もっと広げたかったのだ。
板に囲まれた様を想像するに、そうした方が観察するのに気持ち良さそうだったから・・・である。
無論、狭い方が鳥たちからは見えにくい。
しかしながら、気持ちがよくなければ、観察もし辛い。
ま゛そんなことより、想像以上に心地いい窓になっていてよかったなぁ。
けど枠がなぁ・・・雑である。 これを見た子供らは、大工ってコンナモン?と思うかもしれないし、
もう既に慣らされているから、なんとも感じないかもしれない。 これなら修行一年の大工仕事だ。
いや正直なところ・・・日曜大工・・・っぽい。
南国の弱点とは、このあたりだろう。 品質とか、技へのコダワリとか、仕事の誇りとか・・・皆無だ。
寂しいというより、哀れな・・・これでは産業が興りっこないのも無理はないし、信頼も得られない。
人となりはとても好いのだが、こと、仕事相手としては・・・頼ったり任せたりできない管理必須なレベル。
東南アジアと同様なのだが、人件費も交通費もそれ以上・・・南国の弱点はここに窮まる。
チャン国共通・・・デキタ物が完成度の全て。
自分たちが求めた理想でなく、なんとなく材料を組み立てたらデキタ感じ。
東洋では異質のニッポン気質・・・こそ例外であって、東洋標準を理解せねば・・・ならぬような。
問題は、政府も税金も社会システムも内地仕様なのに、意識は周囲の諸外国に近いことだろう。
使えれば、金槌も石ころも同じ・・・とまでは言わぬが、近い意識が南国にはある。
鼻から車を修理しないで乗る気満々なのは、そういったことが根源だ。
カーブミラーを盗んで、家族で美味い焼肉・・・なんてのも乙なもの。
もともと、クオリティの目標値も、何かを目指すこともしていない。 与えられれば受け入れる気質。
正直なところ・・・私は徳之島に来て、これまでの理想のメリケン生活像っぽいのを見失った・・・
徳之島でもっとも成功し、金銭的に豊かな生活者であっても、生活はなぜか重厚な内地風だったり。
瓦屋根の無駄に暑くてゴツイ家に住んでいて、ぜんぜん南国最適化されていない。
そもそも、南国最適を追求したことがないから、内地の雰囲気を真似ただけである。
かといってメリケン南国風の家ではぶっ飛ばされるし、風もさっぱり入らない。
借金コンクリートでもない、トタン屋根でもない・・・涼しくて合理的な家があってもいいのに・・・ない。
おそらく、信号などにあるような? 遮熱板のような屋根構造なら、もっと涼しいのだろうと想像する。
さて
あらためて、近所の風景を紹介する。
徳之島はわりと平地が多い。 けど大河はなくて3級河川?みたいのしかない。
我が家は右のはずれにある。 左のマチャラ(=松原)の見当が北方で、広大なイノーの出口。
画面の左右さしわたしで3キロ強ほどか。
深いところでも、大潮で2mもないようなイノーが、空港の内側に広がっている。
昔は10キロ以上のヒラアジが入ったらしいけど、今はもっと浅いからせいぜい数キロのカスミアジ。
それでもトリトリデッキのあたりにまで、2キロくらいのカスミアジがやってくる。 たまにだけど。
私の性格なら、絶対恐くて入らないような湾奥の隅の浅瀬みたいなとこへ、カスミアジは入るしチヌは普通。
昨日も目の前にチヌが2匹泳いできた・・・が濁り水で警戒したか・・・さっぱりな。
関係ないが、雲のあたりには日本史上最初の生物文化財、アマミノクロウサギが生息している。
空港建設の竣工とほぼ同期して始まったサトウキビ政策で、出口のないイノーに赤の泥土がたまり始め
今は浅くなる一方の生活排水満々なカニのヤタラ多いところ。
こんなだが、ヘドロはほとんどなく、底なし沼のような泥のところはあるが、腐臭もなく生物は豊富だ。
ただ、このごろは漂着ゴミが人為的に植えられたヒルギによってせき止められ、異臭を放つことも。
私の生活排水は、たまたまここには流入せず、右端の向こう側にある湾屋川に入って、湾屋川や
平土野(へとの)の真瀬名(ませな)川から流れ出る赤土とともに、黒潮に則り空港の外側の磯を撫でる。
近所の湾屋川・・・そうね、かなり赤味噌の多い合わせ味噌だこと。 深くても2mもない浅い川。
護岸がなかったころの昔、ヒルギが生えていて、プチ・マングローブもあったらしい。
ここの右を歩いて、空港の外側で釣るんいね。 ブチたいぎいんじゃけ。(すごく、めんど×ダルい+のよね)
じゃけど、地元じゃけ、わしゃココしかないそいね。 (そ+いね≒わけ+なのだ→強めの断定形)
こ〜んな海で釣れるわけなかろう・・・と思いつつも、ヤル気満々になりつつある。
エネルギー充填120%・・・エネルギージャジャ漏れまであと50%くらいかな〜、先は長いけども、攻略したい。
少なくとも数キロのカスミアジが2時間に1匹くらい来る、足元まで。
内地の夢の魚、ヒラスズキには味は及ばないが、色とパワーにおいてはハルカ上回るのが
歩いて10分の海岸に居るのである。 都会生活していた頃からすれば、夢の生活に違いない。
住んでしまうと、地元では人気のない海岸だけにビミョ〜な感じもするけれど。
朗報は、このごろミズイカ(アオリイカ)にチャレンジする人が出て、釣れるらしかった。
チャレンジしてみることは、楽しいことだ。
なんといっても注目は、北部のマチャラである。 島口でヤクドゥマイ。 漢字では屋久泊と当てる。
屋久とか渡久は、航海で困難が伴う遠方の意味だったようだ。 あるいは差別的か、あるいは区別のコトバ。
今や自然遺産でにぎわう屋久島だが、語源はそうしたとこで・・・取り立てて固有名詞ではなくて、
マチャラのヤクドゥマイと同じ語源なのだ。
渡久島(とくしま)にしたかったのに・・・徳島があったから、徳之島になっただけのこと。
徳島もそうだったのかも知れぬ。 大坂から渡るには流れも急だったろうし。
閑話休題。
マチャラの沖も、空港の沖も、さして魚は変わらないだろうけれど、水深が深い漁港の先っちょあたりに注目する。
あの急激な深さには、なにかある・・・と信じている。 ただ、これまでインチクとかジギングとかしてみたが不発だ。
タイミングが昼間だからかも。 早起きとかメンド臭いし。 ←すっかり南国気質。
午後、誰もやらないウェーディングしてみているものの・・・釣れない。 シャローのミノーにはダツのアタリ程度。
(意外に北風が寒いから、首のある着衣だ)
1キロくらいのヒラアジが群れてジャンプしたり・・・ヤル気のある魚はいるのだが・・・
完璧に腕の問題で釣れないのだろうから、仕方ないな。
通常の引き潮では、河口域のミオスジのところまでは行けず、途中は時折岩についた珊瑚が発達した
丸い岩状の障害物がアチコチにあり、根がかりしやすく、メンドクサイことこの上ない河口であった。
潮干狩りシーズン限定の釣り場かもしれないが、これからがチャンスでもある。
ちなみに松原漁港の突堤には、4キロのミズイカ、10キロ近いコブシメが足元にやってきて、ドキドキする♪
もちろん、釣れんけど。 昼間だし。
気にかかってちょっと調べてみた。 イカってタンパク質ないよね・・・と。
大間違い! イカは水分以外がタンパク質に満ちていた。 ただ、肉中にも塩分が多いのもある。
イカをタンパク源にしようとしたら・・・一日の摂取量の軽く数倍〜10倍になる。
しかし、イカってソコソコい〜かも。 とはいえ味も料理も退屈で半端に生臭く、やっぱりダメかな。
ともかくも、徳之島の西岸、北半分はとても浅いリーフにガードされていることが特徴だ。
そこへ赤土が流れ出し始めて数十年が過ぎ、魚は減っているし、赤土が流れているタイミングでは
魚がそっくり離岸しやすい。 なんと生態ダイナミズムあふれる土地柄か・・・
私の体質に合った釣り方は、60g〜80gのジグをブン投げるやり方である。
根がかりしないようにフックを工夫しつつ、ブン投げようと仕掛けをこさえ中なわけだ。
ネムリ針で、2本針。 しかも、なんか赤。 なんとなく余ってた大型ベアリング・スイベルつき。
100m程度では、沖の深いところまでは届く由もないが、ともかく広範囲を探る手としては、ジギングは有効だ。
幸い、ジグはたくさん無駄に在庫もある。
しかも、釣れそうにない、信用ならないやつが大半だ。 つまり私の知らない釣り方のジグ多数なのだ。
いろんな意味でチャレンジ要素多数なのであった。 惜し気もないし。
釣り具なんて、大半は偶然釣果とか妄想優先、模倣優先でエーカゲン(=テゲテゲ)に製造されたもの。
反面、タダのオモリのジグなら、使い方の発想次第では、なんとか使えたりもする・・・かもしれない。
ナマリだから、手で曲げられるし。
突然だが、我が家の庭。
正直、不眠でクラクラしたりするから、半日くらい活動するなかでは庭なんてドーデモイイ。
庭で何かすることも利用価値も全くないから、物干しも放棄状態である。 干せば紫外線で焼けちまう。
正直、なんで庭が必要なのか・・・知れない。 島は庭よりもずっと風景が気持ちイイのに。
近所には牛小屋を自分ちに増設を続ける家があって、その農具小屋のところにうっそうとしてた木があり
そして我が家にはどどんと草地があるためか・・・ジャングルを好む美しい姿と声のアカヒゲが住み着いた。
ニオイは凄まじいが、アカヒゲの声は癒される。 ジャングル用なので、庭先で鳴かれるとウルサイけれど。
ともあれ庭・・・これも内地仕様の悪いクセである。
無駄に密集し狭苦しくたたずまっておいて、鼻先に小さな自由空間。
まったくちっぽけで情けない自由空間・・・箱庭とはよく言ったもの・・・っていうか、哀れな空間である。
内地のそうしたツマラヌ、否、詰まりに詰まって混み合った哀しい住宅常識に配慮っていうか・・・
よけいなマネしなくてもいいものを・・・ 島でも無駄に庭があったりする。
ま゛、確かに隣接する家との合間はあるから・・・そこを庭化しておくのが是なのだろうが、
島では雑草を刈っても2週間で30センチになるから、手間のかかることコノウエナイ。
え?洗濯物は部屋干し? いやいや、そんなこた〜ない。 なんぼなんでも。
昔は板張りだったけれど、畳になったから部屋干ししたらカビだらけ家屋になってしまう。
長くこさえられた南向きのひさしの下に、雨の日も風の日も干しておくんだよね、シットリと。
建築の特色といえば、南向きの長いひさし・・・島標準である。
涼しい高床式で、床の下に車を停めて、洗濯も干す・・・ような家が、本来の姿かも・・・ね。
今の大工だと、高床にした時点で台風にやられ、三世代同居家族と車ごと崩壊だろうけれど。
高い技術とは、高い家と理想のためにある・・・のだろうとシミジミ感じ入る。
学習能力を抑えたユルさと単純思考は、長生きするのには有利なものの、発展には寄与せぬよなぁ。
反面、スポーツ習慣などは充実していて、仕事が終わって野球の練習をするお父さんは多い。
我が家は教員住宅だから、内地からやってくる遠島教師のためにある。
里帰りなのか、キャリアアップなのか、リゾート生活か・・・あるいは左遷?か知らぬが、島において
教員住宅は先端技術で建造される最新一般家屋だ。 つまり、理想的な住宅像である。
このごろは、内地風味でありながら、南向きのひさしが長くなった建築に変わっている。
もちろん、島では贅沢な水洗トイレが標準だ。
ちなみに、管理台帳には、我が家の区分が「S」と記載されていて、Mでないのが残念だ・・・とか
思っていたら「倉庫」の意味であり、想像以上に残酷な、文字どおりサディスティックな意味だった。
コンクリの頑丈な倉庫的な・・・住宅? 住宅的な・・・ニンゲン倉庫???
面倒な先生を仕舞っとく倉庫らしかった。 牛舎のお陰で、南風の夏場は毎日ウンコ臭いし。
ともあれ、ゼータクにも広い倉庫住宅?に独り住まいでカビだらけ?だったり・・・
畳の隙間が激しい・・・というのも島らしい家屋の特徴である。 だからヘビやカニが入り込むのだ。
幸い、隣接する町営住宅は同じ集落由来の地元民が少ないから、無駄にちょっかい出してこない。
なので比較的、内地的な感覚で住みやすい、ねちっこくない人間関係といえるだろう。
誰が来たのか・・・何しているのか・・・巡回しに来るような兼久(かねく)っぽさはない。
で・・・私にとっては、ほとんど毎日眺めている近所の風景・・・
イノーのどこかにいる、クロツラヘラサギ。 トキより希少になってしまっている、極東限定の野鳥。
繁殖できるまで3年ほどかかるようで、繁殖までは、繁殖地のまわりの地域でブラブラ過ごす。
徳之島では、季節に関わらず現れ、これらはおそらく昨秋からいる2羽である。
その前に居た2羽とは、どうも様子が違い、やたら人から逃げるようになったし、クチバシの感じも変わった。
ヘラサギ類は、幼いとクチバシの色に肉色っぽさがあり、繁殖できるようになると黒くシワシワになる。
ちなみに
左は枝が細すぎて「あ〜あ〜〜っとっとっと」といった風に、のけぞったり、つんのめったりしている様子だ。
背景のコンクリは、徳之島空港のもの。 その向こうに滑走路があって味気ないといえば味気ない・・・か?
自然のまま?に、人の生活と野生が一体となっているのが、島の興味をそそるところ。
釣り意欲が増してきているこのごろ、過日トラブルで使用不能になったリールを、やっとメンテ。
ツインパワー8000H、半分プラ製じゃったんか・・・これでもン万円するとは・・・
前に17キロを釣ったから、問題ないのだろうけど。
このあいだ20〜30キロの魚にブチキラレたときは、回転部の防水用ゴムが絡んで
釣り不能になってしまったようで、軸が歪んだのではなかったようだ。
買い換えるのも大変だから・・・助かった・・・ ゴムは元々不要っぽいから、外しただけで回復できた。
役場の新年度が本格稼動する4月中旬までは、依頼もなかろうから、しばらくは釣り三昧か!?
とはいえ、島の弱点として、風が強くて竿が出せない日々が続いている。
風はなくても海が時化ており、なかなか竿が出せないものである。
イノーに入ってくるチヌは、どんどん増えているようで、昨日も目の前に2匹現れた。
見えている魚は、やっぱり難しい! こないだのはマグレだな。
実は、イノーのチヌたちは、薄暗かったり濁ったときは神経質で、晴天で潮が温まり透明度の高いときに
活発になっているような気がする。 たいがいそういう時に食ってくる。 ど〜ゆ〜ことだろう・・・
ブラックバス的な???
ヨシナシごとでトリトメもない。 このあたりで失礼する。