釣りしたい気持ちは
はたして回復の兆しか
ようやく釣りへの情熱の一端が再燃焼しはじめたような・・・このごろ。
あ・・・結論じゃったんかのぉ〜た・・・
いささかボケが先立ってしまったよう。
今さらだが、なぜかステラとサファリの復活を図ってみた。
ステラは、ずいぶん前(横浜時代)にメンテナンスして以来、放置してあった。
というのも・・・瞬間ストッパーが滑り始めたから、ツインパワーに買い換えた経緯がある。
サファリは、そんな心細い情況を少しでも打開するために、瞬間ストッパーなしのリールを求めた結果、
横浜の中古屋「つり人天国」にて、14,000円ほどの値打ち価格で手にしたものである。
問題は、分解手入れして直るのか・・・ということだった。
ステラは、もともと8000番のものに10000番のスプールを装着したためか?
糸を巻くと下に手前に片寄って巻かれてしまう現象がありつつ、加えて瞬間ストッパーが滑り出した。
何れも構造的な問題に絡んでいて、メンテナンスでは直し難い要素も大きい。
しかし、とりあえず分解である。
外は雨、仕事も入ってないから、食糧調達の道具をメンテする日としては好適。
晴光雨毒・・・晴れの日は無限に広がる額を輝かせ、雨は心にも毒であるから何とかせんば・・・が
私の生活スタイルとなりつつある。 雨の日は気持ちに張りのある事をするのが吉である。
最大の問題点、瞬間ストッパーが止まらないことばかりに気をとられていたが、他も深刻だった。
瞬間ストッパーが滑ってしまう現象は、つまりルアーをしゃくったり、大形魚がかかったときに
リールに逆転方向の負荷がかかったときに反転して従ってしまうので、釣りにならない深刻さがある。
さりとて一方で、ほとんどがアルミ合金製だから、長年の腐食も無視していいハズもなかったが
先日のメンテナンスでは、そちらにはトンと気がまわっていなかった。
要らぬ例えをするなら
ウルトラマンが、ナゼか日本周辺だけに襲来する宇宙怪獣をやっつけいくれるのだが、
中東やアフリカ、中米の紛争地には現れない・・・みたいなものか?
一撃必殺の拳法なのに北斗百裂拳は、相手を殴り倒し、果てに一個のツボしか突いてない・・・ような感じ?
ドラえもんがホンヤクコンニャクを出してしまったら、なおさら言葉や思考形態違いの壁に阻まれ、
心を読む道具の方が、よっぽど早い・・・といったようなものか。
片手落ちというか、ツッコミどころ満載といおうか。
以前のメンテナンスによってか、腐食というほどは進行していないものの・・・ドライブギアが抜けない。
反対側からハンドルを回し入れて、ハンドルの上からモンキーレンチでコンコンすると抜けた。
微妙ながら、アルミ合金が酸化して、太っているようだ。
同様に、ベアリングがハウジングから抜けないから、反対側からドライブギアを入れ、コンコンする。
ベアリングには錆びが入っていて、ゴロゴロの原因だったようだ。
もうひとつのゴロゴロ感は、おそらく糸巻きを前後させる機構、ウォーウシャフト周辺の磨耗だろう。
宿命だな。
問題はやはり、瞬間ストッパー機構のメンテナンスである。
ダイワのインフィニットアンチリバースの場合は、もっと外側にストッパーを配しているので、
糸の出る力にはテコの原理が働き難いが、その機構を内側に設けてしまったシマノでは
ストッパーといってもローラーベアリング構造だから、金属の線的な表面摩擦に限界が訪れやすい。
だからこそ、極限的に滑らかに回りながらも、瞬間的に金属同士の圧着力を必要とする。
以前シマノに電話したときの回答では、潤滑油に含まれるグリス成分が、瞬間的圧力を分散するので、
ダメらしいということを、述べていた気がする。
つまるところ、通常の潤滑油や、あまつさえ粘性の強いグリスは禁物なのは理解できた。
お心当たりはないだろうか・・・? 身近にあって便利な、サラリとしながら潤滑の良い油を。
そう・・・その通り呉工業のアレである。 いわゆるCRC、あるいは5-56。
今の我が家では、草刈鎌や剪定ばさみを洗い流したあと、ひと吹きで水分を引き剥がす役目を担う。
もともとの潤滑油と異なるからか、磨耗が進んだためか、いささかシャカシャカ音が耳につく。
金属どうしを、高分子の油で受け止めいているのだから、金属どうしの擦れる音がするのは道理。
一方で、急な反転方向の滑りは限りなく少な目になった。 といってもゼロではないものの。
ローラーベアリングや、受け側の部品の平滑さが、長年の磨耗により失われているのだろう。
デザインや設計に感じられるピリピリした繊細さがうかがえる、神経質な現象である。
構造上、仕方ないことなのだろうなぁ・・・と想像がつく。 シマノの限界といったところか。
当時は、滑ったときの対策はしてなかったから、男らしい潔さゆえのモロさがあった。
このごろのリールは両方のストッパーを装備しているらしいのだが、なにしろ高額で手が届かぬ。
ガス屋に弟子入りしていたころ、中古で見つけた在りし日のリョービの名品、サファリ5000。
あんまり安かったので、上州屋が売っていたレプリカでは?と怪しんでいたが、調べたところ・・・
レプリカには5000Aと印刷があり、塗装やメッキ仕上げが簡略化され、瞭然と知ってホッとした。
構造は単純、動きは複雑なロータリー・フラット・オシュレーション機構は初めて視る。
シンプルなのは分かるが、いささか動かすには抵抗の大きい機構のようでもある。
錆びは見当たらぬものの、黒飴のように変色し、硬化したグリスらしきがギアなどに付着して、
動きを阻害しているように感じられたので、爪楊枝で落とし始めたものの・・・取りきれない。
油の分解には、やはりアルコール。
え゛? 今・・・黒糖焼酎とか、泡盛とか想像しなかったか???
そんなのでは効かないだろうから、こんなこともあろうかと?昔から持っている
無水アルコールを使用して除去に成功した。 キチンと薬局で入手したもの。
実はカセットテープのピンチ・ローラーなどに使うので、昔のオーディオ小僧には必携アイテムだ。
とはいえ、グリスが固形化するとは・・・放置された年月を感じさせる。
ギアの溝の奥にも固形化したグリスが付着している。
サラダ油も酸化して数年たつと粘りを生じるから、植物由来のグリスなら同様だろうと想像がつく。
しかし、グリスは鉱物由来と信じていたが。
瞬間ストッパーでなく、ギア構造で強力にストップする機構もビミョ〜な構造であった。
主軸に装着された遊動する円盤に針金が付いており、それが反転したときグリスの粘性で動かされ
ローター側の反転防止のメス?のギア構造に食いつく歯を動かすというものだ。
ネットには、このツメが砕け散ることがある・・・なんて載っていた。
そんなベラボーな大物が来たら・・・引きずり込まれる前に、壊れてくれるのが幸いだと思う。
左右非対称なのは、設計上の理由だろうか・・・ 力学的には左右同時に食いつくほうが、
互いの力が活かされそうに感じるけれど、現実には違った構造になっている。
なぜか・・・を考えるのは、改善方法がないから全くの無駄であって、これを受け入れるしかない。
さて
これとは別に、昨年夏というか秋というか・・・の時分からコソコソ用意してきたチヌ仕掛け。
帰省したときにも、変なルアーを何個かそろえておいた。
掲載期日からすれば明日になってしまうが、釣れたチヌ・・・ことミナミクロダイを載せておきたい。
44センチ、1.95キロ。 よくよく肥えている。 腹の中にはたくさんの卵と、砕かれたカニ。
わずかに徳之島の自己記録更新。 これまではオオメカマスの1.9キロ。
ミナミクロダイは、顔が青くエラのところが黒い。 これが水深30センチほどのところを泳ぎ回る。
背びれで起こる波紋を見つけてキャストするだけ・・・というお手軽さ。
時化るとカニが出ないからか・・・見かけぬ。 ピーカンのベタ凪ぎで静かすぎるイノーで釣る。
3月いっぱいは楽しめそうに思えるが・・・午前中に満潮がやってくる、大潮のあとの中潮で
晴れて風の無い日・・・が狙い目。
晴れの日差しで、イノーの水が温まった頃に、カニが出てくるという寸法である。
満ち潮では濁っているので見つかり難く、引き潮に入って浅くなった頃活性も上がり、釣れる。
常識ハズレで、ヒジョ〜にクセのあるサイトフィッシングだ。
ポイントは、すぐに干上がってしまうところで、画面中央やや下くらいでヒットした。 距離は20m弱。
チョロチョロ生えているのは、友人が植えたヒルギが成長し、どんどん種をつけて流れ、根付いたもの。
ヒルギに浄化力がないことくらい、調べてから植えて欲しいものである。
農家だからか・・・植えることに意義を感じるのかもしれない。
干潟が昔のようになるように・・・と妄信して植えた経緯があり、意図とは逆にイノーが浅くなってしまう木だ。
マングース同様・・・あまり考えずにジタバタした末に、妙な落ち着きどころを得てしまっているように見える。
運動公園だから、振り向けばこんな風景。
お歩き、ジョギング、キャッチボール、サッカーする子らの姿、野球場からは三菱の社会人野球チームの声
そして、観察するのも、釣りするのも・・・ほとんど私だけ・・・な場所である。
昔から、見えている魚は釣れないというが、そうでもない。
釣りをよく心得ている者ほど、そうでないことは知っているはずである。 バスとかシイラとか。
一方で・・・見えている魚を釣るというのは、実に味気ない・・・釣りたい気持ちを萎えさせる。
魚の前に仕掛けを落とし、食わせ、取り込む。 単純にして・・・狩りのよう。 数投でこと足りる。
ならば、よりシンプルにゲーム性を高めるか、あるいはより効率よく狩るか・・・などと
つい、くだらぬ究極したくなる気持ちもある。
あまあつさえ、一度くわえたルアーを放したのに、また食った。 どんだけ常識知らずだ?
魚に叫んでも仕方ないか・・・もう消化してしまったから伝わらないな。
私も無知だったのだが、ズル引きコーンはなかなか釣れるルアーらしかった。
イノーは思った以上に根がかりが激しいから、フックをチューブで半固定しておいて正解だった。
けれど、違和感がありすぎなのか、だいぶ食ったり吐いたり激しいようだった。
ま゛しかし〜これをピーカンにキャストするのだ・・・恥ずかしいことこの上ない?のでは。
本当はもっとカニっぽいのを所望していたが、たまたま松阪のアサヒには無かっただけのこと。
ついでに、もう一つ知らなかったのは、年中ポッパーを食うわけでもなさそう・・・ということ。
中古のポッパー2コ買っちまった。 350円だから許そう、自分を。
ついでに新品も1コ買っちまった。 90円だから許そう、中古より安いとはナシテだろう。
秋には用心深かったチヌが、腹に卵を宿したころには食欲が勝るのだろう。
水深が深く、サイトフィッシングできないときは、ニオイ付き味付きのエコギアで狙うしかなかろう。
懐かしいトラウトロッドが役立った。 リールも懐かしいのでは? バイオマスター4000番。
ダブルハンドルを注文したら、上のグレードのツインパワーのが来てた・・・ヤツだ。
キリキリリン♪とドラグが出て行くときの音がするのが愛らしかったり、安っぽかったり。
ロッドは、私らしからぬヤワでオシャレなトラウトロッド、ダイコーのセプター10フィート。
求めてすぐ社員旅行で訪れた大洗で穂先を折ってしまったヤツ。
穂先が細すぎたので直さずに、詰まった丈のまま使ったのが吉である。
我が家はそういう竿が多いような・・・
実のところ柔らかすぎてアタリがとり辛いものの、今回は柔らかさに救われたようだ。
包丁でも割れない、クロダイの硬い口に針掛かりさせるのは骨である。
ラインテンションをシツコク保ち続ける柔らかさのお陰で、ちょっぴり食い込んだままでヤリトリできた。
なので、陸にズリ上げたあと、バッタンぼってんしているチヌの口から、コーンはポロリ外れていた。
がっちりとフッキングさせるほど強靭な竿だと食い込みも悪いし・・・針ものされやすい。
ちなみに、ズリ上げた地上から足元まで3m近く・・・つまりは、地上のチヌをタモ入れ・・・
などという無駄な問題が課せられていた。
とりあえず水に近い沖側、魚の向こうにタモを下ろしたら、またバッタンどってんして自ら入ってしまう。
人生、いろんなことがあるね・・・
このポイント、実は野鳥の観察ポイントである。 干潟になったら、こんな鳥がやってくる。
今はソリハシセイタカシギの食事場所である。
ほかクロツラヘラサギもいるし、異国情緒?あふれているけれど、沖側はすぐ空港滑走路で味気ない。
車で5分、歩いて15分の近所にあるポイントなんだからゼータクは言えまい。
いつも通っているから、チヌの動きもずっと観てこられたのである。
だいたい30センチくらいに見えているチヌが、思わぬ大きさ重さと知り、心が楽しみを感じだした。
これまで、釣りたい気持ちより、メンドウやダルさが勝っていたが、ようやく釣りたい気持ちが大きくなった。
南国に引っ越した理由が、釣りと養生生活の両立だから、釣りに労する意欲は大切である。
ようやく意欲を持てる物事ができてきた・・・と云えるのか、やっと心が島になじみ・・・心に余裕が出来た
と云うべきか・・・何れにしろ、過日の大物ヒットで燻ぶり始めていた釣りへの気持ちが
楽しい!になって戻ってきたように感じた。 けどそれは、仮釈放のような感じでもあるような・・・
ウツは完全には元に戻ることは無い。 記憶が残るし、情動に体が過敏に反応することも覚えている。
これまでは、眼前に楽しいことを現さないと心が動かなかったが、楽しいことを考えようとする心の素地が
肥え始めたようにも感じられる。
この心持ちになってきた原因はもう一つある。 この冬は晴れが多い・・・のであった。
雨か曇り・・・だけでなく、晴れの日が2日以上続くことがあるのだ。 晴れは、心の晴れわたりでもある。