南国の夏バテと
ナイトツアーは
いつまで続くのか・・・
このごろ、ウソみたいに南国っぽい青空が続く。
そして、雲がいっきに湧きあがり、雨がザッと降っては、また照りつける。
降っては照り・・・つまり、キッチリ蒸し暑い。
お陰で、サトウキビは勢いよく伸び続けている。
あ゛〜だるいわぁ゛〜
食欲ないわぁ゛〜
眠いわぁ゛〜
正直、ここまでパーフェクトな夏バテになるとは思ってもみなかった。
そりゃもう、冷やい液体しか喉を通らん・・・
眠いので、一日中寝てみるが、それでも眠いだけだった。
扇風機のあたりすぎ?で、急に鼻水ズルズルになったり・・・
どうも空腹感がないのが元凶のようで、食べるのが遅れると吐き気が加わり、
よけいに飯が食べづらくなってしまう。 こんなことが起こるんだねぇ。
おそらく、絵に描いたような症状。 っていうか、夏バテって病気なのか?
あんまり、肉もタマゴも豆腐も食べたいと思わないから、痩せるのか?と
思いきや、運動量も減って、かえって太るくらいだ。 不思議だ。
温かい食べ物を食べると、その熱量分だけ、どえらい汗をかく。
冷たい粥などを食べると、汗は出ないが、体がだるい。
水分の多い食事になりがちで、ムリヤリ食べると消化不良になるのか、
腹の調子が崩れやすくなる。
そこへ、ナイトツアーがやってくると、生活リズムがなお崩れる。
しかし、何が一番不思議かというと、ウーロン茶とか、麦茶とかは美味い。
その他はみずみずしいフルーツも美味い。 が、そう大量に飲食したくもない。
缶ビールだと、200ccくらいで飽きてくる。
こうなってしまうと、食事のたびに悩ましく、メンドクサくなってくる。
せっかく何かをこさえても、食べきれずに捨てたり、材料も日が過ぎてしまう。
そろそろ、庭のバンシロウ=グァバが、食べらるだろうか。
たまたま空腹が分かるときは、とっとと食って、ビタミン剤も飲んでおく。
そういえば、冬からずっと食欲はあまり無い状態だったっけか?
他方
ナイトツアーは、まだまだ続く。
予定日は、ずいぶん先まで決まっている。
これには、深くもない事情があって、保険をかけるときの諸事情により
日数が決まってくるので、先々まで決めておかざるをえない・・・のだ。
まとまった日数、保険をかけるため、臨時日程の場合、保険はかけられない。
予定日を、無駄に先々まで組まなければならなくなるからだ。
ちなみに島に本籍か住所があれば、
ハブに咬まれて入院しても費用は町から出る。 でも後遺症は残るかもしれない。
奄美大島にプータローとして移住した人が、まず飛びつくのがナイトツアーガイドという。
あっちでは、確実にクロウサギが見られるポイントがあるから、ハズレなしっぽい。
とりあえず、クロウサギを見せておけば観光的にはOKである。
場所が分かればサルでもできる。
それで一人あたり数千円、毎度アリってことだ。 3時間で一日の日当が稼げる。
ただ、このところガイドが増えすぎて、少々面倒なことになっているらしい。
さらに、貧乏人が増え、山の上までハブ捕りに行くから、ガイドといがみ合う。
徳之島は、ビンボー人がおいそれと来られるような旅費ではない。
一見して、奄美大島の方が自然が深いし、観光開発もされて豊かに見える。
反面徳之島は、金をためて、心してやってくる良質な客が多いようだ。
このところ・・・
捨て猫が野生化したノネコが増え過ぎて、クロウサギが食われたり、
ニオイでクロウサギが頻繁に移動してしまう。
ノネコは、ノイヌのように狂犬病などの理由が無く、保健所がとりあってくれない。
しかも、動物保護団体という名の、ペット信者集団がイチャモンつけてくる。
彼らは不思議なことに、食われる側のことは頓着しない。 ともかくイヌネコだけ。
アフリカの貧困生活地域で苦しむイヌネコなんかを救おうと、募金を集めたり。
いやそれ、人間優先したら? でも動物愛護であって、人権は別問題らしい。
人間も動物だろ。 あるいはペットとか、イヌネコにしてるやつもいるぞ。 いろんな意味で。
ちなみに
私の同業者とか、ライバルはいない。
徳之島はライバルというよりも、むしろ共に歩むガイドというわけだが、
動物の登場にムラがあるうえ、ハブ捕りのオッサンや、この時期は帰省した
子供、親戚らを森に案内する、熱心なジイチャンなども居たり。
ガイド中に出逢うと、コース変更してくれたりする。 申し訳ない・・・
奄美大島のナイトツアー料は、4,000円を超えてくるパターンが多い。
徳之島のナイトツアーで生活を維持することは、まったく不可能だ。
現実として、エコツーリズムだけで、飯が食えている島は世界中どこにもない。
しかも、島の飲み放題、食い放題の宴会費用や、冠婚葬祭等の儀礼費も
おおむね3,000円に統一されている?ような島で、それ以上は高額とされる。
まず、島の人が自然を知るべきなので、3,000円に設定した。
もっと安くてもいいじゃないの?と思うだろうが、どうだろう。
一人からでも実施する。 定員は3名まで。 車の定員だ。
昼間の下見からの燃料費、保険料、あくる日の疲れ、仕事不能状態を考えると、
ギリギリの線だと思う。 それに、クロウサギ観察小屋の使用料も払う。
基本的に月2回なので、鼻からモウケなど考えていないが、
1、2名参加が多いので赤字ギリギリ。
なるべく、先のガイド以外の方々の邪魔もしたくないし、
そもそも野生生物の邪魔をしたくない。
小型バスなどに、ビデオカメラを搭載して、前方のクロウサギなどを
後ろの席まで見せるのはできなくもないが・・・
実際のところ、カメラの稼働時間が長すぎることと、窓を開けて走る関係上、
冷房が効かず、センサーが加熱して正常な映像が得られなかった。
冬場なら大丈夫だ。 が・・・そこまで投資するか?
バスのレンタル料や維持費などを考えると、とてつもないガイド料になる。
しかも、当たりハズレどころか、ハズレをフォローするのが大変なくらい、
動物が出辛くなっている。 おそらく気象の激変とノネコによる影響だろう。
クロウサギは、夜半にチョロッと出てくる程度になった。
基本的に、ガイド中は楽しい。
いかに動物が出ないときも、次の瞬間に見つかるかもしれないし、
その動物がこれまで観察できなかった動物かもしれない。
一方で、
金をいただいていることで、責任を感じて、出ないときはとても気になる。
金をいただかないと、または払わないと、どちらも本気にならないので
課金には相当の意味が感じられる。 反面プレッシャーも大きくなる。
島では、ボランティア清掃することが増えたが、なかには
ボランティア清掃してやったんだから、ゴミの分別や、廃棄は役場でやれ、
みたいに集めたゴッタなゴミ袋を、現地や役場に放置する団体もある。
ボランティアとは、そうした奢った意識にもつながったり、
鼻から求めていないはずの対価を、何かに求めたくなるものだ。
所詮、人間は欲の塊だし、楽したい上に、カッコツケな生き物だ。
なら、最初からキチンと金と責任を背負っておくべきだと思うのだ。
ゴタクはこのくらいにしておき、なにしろナイトツアーは神経を削られる。
生活リズムも大きく狂う。 ちょっとウツ持ちがやる商売じゃないな。
そこへ長い夏バテ生活が加わったのであった。
去年から始めたナイトツアー、流行るでもなく、廃るでもない。
口コミや、空港の置きチラシなどでポツポツ申し込みいただく。
私のナイトツアーの真骨頂?というか、独特はリュウキュウコノハズクだ。
昨年の開始時、時を同じうして演劇に出演して披露したがナキマネにより
コノハズクの反応を観察できることだ。
島でも、琉球列島全般でも、とりたてて珍しい鳥ではない。
けれど・・・野生の状態で鳴き返して張り合ったり、襲ってきたりを
観察できるのは、おそらく私のナイトツアーくらいだろう。
オスが至近距離に寄ってきて、しっかり鳴く。
モズ博士Tによれば、
気が荒いから、怪しい時はマメに威嚇や攻撃へ転ずるらしい。
鳴く姿はカワイイが、実は全力で退去命令しているのだ。
リュウキュウコノハズクは、以前からちょくちょく述べているが、とても小柄。
350ccのビール缶くらいしかない。
おおむね島人は見たことがないので、900ccペットボトルくらいを想定される。
ご覧になった瞬間、小さい!と驚かれるのだ。
島の足元を知る、これこそが、我がナイトツアーのコンセプトだ。
ただし・・・島の男性はフーンといった風で、感動しないから、こちらも憮然。
島の男らがガイドに向かないのは、このあたりにも原因する。
知りもしない、知っても感動しない・・・クロウサギしか金にならんとでも云いたげ。
先にも述べたが、クロウサギがバンバン出るような環境もないというのに。
私もまだ、徳之島固有の動物を、全ておさえているわけでない。
知っていても観られない動物はまだまだ居る。
トクノシマヤマタカマイマイは、意外に観辛いカタツムリだ。
マイマイは、昼は比較的縮んで活動しているようで、夜はとても長くなるようだ。
どちらかというと、昼間はカラに引きこもっていることが多いから、やはり湿気の多い夜が
観察には相応しい。 ただ、カタツムリを貴重と感じる感性は、日本人には乏しい。
田んぼがあったころはいたシリケンイモリも、35年くらい前にキビ作に切り替わったとき
サクッと絶滅してしまったらしい。 すっかり忘れられた存在となっている。
比較的手軽に観られていたはずの、オビトカゲモドキも、なかなか出てくれない。
世界中で、ここしか居ない生物だが、小さいと感動が薄くなるのが人間の性分だ。
けれど、超絶希少!となると、おそらく目の色を変えて、お客が増えるだろうが・・・
お客が増えると、プレッシャーが増大し、出が悪くなるか、移動してしまう。
釣り場と同じようなものだ。 しかもエサもまかないで、押しかけるだけなのだ。
そうしたこともあり、たま〜にしか実施しないワケである。
島の、ありのままの距離感を観察することになる。
ガイドが増えれば、それだけ距離が開くことになってしまう。
そういった意味で、自然遺産登録が進むと、ガイドが増えて、生物との距離が増す。
逆効果・・・ではないか。
もし、そうなったら、私はワンコインガイド・・・でもやるかな。
安くて濃いガイド、気が向いたらやります的な。
徳之島でのガイド業は無理だ、そんな幻想を抱くバカなヤツラをつぶす必要がある。
ガイドすることで、ガイドすべき動物を圧迫するバカ業者を増やしてはならぬ。
徹底的に動物を引っ込ませて、ガイド不能にしてしまうのだ。
そうならないように、現状、クロウサギがほとんど見られないことを、
正しく宣伝しておくことも必要だろう。
人間が通過する場所は、ネコが捨てられるから、居なくなって当然だが。
そういえば、今朝の散歩では、近所のキビ畑に生まれたての子犬が捨ててあった。
そろそろ炎天下で命尽きた頃だろう。
徳之島のノネコ密度は、ヤンバルどころではないらしく、駆除といっても無理らしい。
ということは、クロウサギの絶滅を待つばかり・・・でもある。
ん?だとすれば、自然遺産登録もナシかもしれぬ。
何度か述べたと思うが、徳之島に限って云えば、自然遺産は遠すぎた橋である。
闘牛の散歩でクソを県道や山道にまいて歩く、不法投棄やポイ捨ては茶飯事、
そもそも、壊れた車を修理しないでボロボロで乗っていたり、ボロ家が多いことで、
島の余裕の無さ、自然に意識を払う環境ではないことをユネスコが痛感するだろう。
ところで
自然条件によって、動物が出るとき、出ないときが明確になってきた。
1)日照り続きで、乾燥していると出にくく、路面がぬれているときが好適
2)月夜はほとんどダメ、満月前後は、雨か降雨後の曇りの日でないと無理
3)強風はダメ、嗅覚聴覚あるいは触角を使えないことと、風通しがいいと乾燥するから
4)カンタンに見分ける方法がある。 アマミマダラカマドウマがいるか、どうか・・・
南国らしく、でかく派手め、大雑把に丈夫そうなカマドウマである。
同じ日でも、居る場所と居ない場所があって、居ない場所には他の動物もいない。
とまあ
オモシロ苦しい夏は続く。
今月31日、臨時のナイトツアーが入ってきた。 調べたら月齢13。
ダメっぽいなぁ・・・
ま、お客が連れてけというのだから、行くしかないが。
なんとか生活リズムを取り戻して、とっとと夏バテから脱出したい。
と・・・いいつつ、やっぱり夏の宵、動物を追うのが愉しいから困ったものだ。
クロウサギやネズミ類は冬〜春がいいが、爬虫類や虫は夏。
とりあえず、食欲が先だな。
今の家は、まだ3年は居られそうだし、自然遺産登録もいささか先だろうから
慌てる必要もなかろう。 あ・・・今月の賃料、払っとかないと。