干ばつと銀河
オリンピックだそうだが、どうもラジオではピントこない。
それから、もう600号になっていた。
さてこの夏、干ばつになりそうなほど、照り込んでいる。
暑くて暑くて、逃げ場がないくらい暑いが、逃げ場はクルマのエアコンだ。
相変わらず、役場はエコ&クールビズを貫いており、工場用送風機を
毎日ブンブン回しているから、入力中の手の下にある普通紙が腕にひっついて
ヘナヘナシンナリしてしまう。 タオルなしでは仕事できないくらい。
暑いから泳ぎに行きたいが、意外になかなか行けぬものである。
天城町は夕陽のまちなので、西岸を心地よく泳ぐには午後がいい。
けれど、午後ともなるとモクモク雨雲が出てきて、パラパラ時折降ってくる。
サンゴがほとんどない暗い海は、とても興ざめで、虚しくなる。
一年前はやっぱり海水浴していたようだ。
今年はヒマななわりに、一度も泳いでいない。
というか、水中カメラがないので、テンションが上がらない・・・
職業病だな。
オリンパスのTG−1が欲しいところだが、金欠中でもあり先延ばし中。
干ばつ気味なお陰で、夜空が拝める日が増えた。
まそこは、南国のこと湿気が多いので雲が少ない日は限られるし、
夜半は気温が下がるぶん、大気に水分が増え霞むが、とても美しい星空だ。
水分が多いためか、内地の冬に見るような、ザラザラするような夜空ではなく
不思議に、適度なフィルターがかかっているような感じ?だろうか。
天の川はキチンと見えるのに、あんまり淡い雑星?は見えないような。
星座にはトンと疎いので、天の川、いや銀河を一部だけ切り取ってみても
どうも心地よくない。 なんかこう・・・スケール感というか・・・風景にならぬ。
太古の王族から現代の大統領まで、占星術といえば世界を左右してきたというのに
夜空にキラチラしているだけの星くれには、さしたる魅力は感じないのだ。
オートフォーカスが壊れている、シグマの17−35mmというチョイワルレンズを
引っ張り出してみた。 星を撮影するには、いささか暗いF2.8。
EOS1DマークIIIに着けると、ワイド端で22mmになる。
ほんの近い将来、ISO感度が6400で星を撮影できるようになれば、
利用できるレンズにも、もっと巾が出てきそうだ。
今のところ、我が家の現用機では、ぜいぜいISO1600が限界だ。
それ以上にも設定できるが・・・おそらく星だかノイズだかアイマイになりすぎる。
近所で撮影したところ・・・妙な柵が明るく映りこんでいる。
空中に柵とは、どうしたことだろうと、あらためて確認に行ってみると
二階建て家屋の屋上に、なんだか県道にあるのと同じような柵があった。
夜分には気付かなかったが、サトウキビ畑の上にチョイ出るくらい
ビミョーな位置関係で映りこむ。
左下は、平土野のまちの明かり、島でも光害はあるし、兼久は街灯が少なかったが
浅間はそこそこ多く、100mに2つくらいあって、近所の撮影は場所を選ぶ。
星が動いてしまわないうちに、シャッターを切り終えるよう
シャッタースピードは20秒に設定している。
Deep sky stackerという、フリーウェアで数枚を合成するのだが
星撮影には独特の技術があるらしく、フラットフレームとかダークフレームとか
女性に例えると、胸が濃尾平野っぽいとか、性格が暗いといった心象の悪い語感の
用語が用いられる。 なんか覚えたくないような。
とりあえず、ダークフレームというのは、キャップして撮影し、
ノイズだけを表出させる黒い画像ということは理解した。 根暗ではなかった。
できるだけ複数枚用意することで、ノイズ除去の精度を向上させられるらしい。
先のフリーウェアは、微妙に西へ移ろう星空を画像から認識して、少しずつずらし
自動的に星の光を重ねてくれる。
星の撮影には、赤道儀という道具で追尾する必要があるが、このソフトがあれば
なくてもOKということだ。
最初、自動処理された暗い画像を見ると、ずいぶんガッカリさせられてしまうが
あれこれイジって、下に表示される曲線を、いい具合に持っていくと
にわかにイイ感じの画像になってくる。
彩度を上げるスライダーを操作すると、色が出てくるのだが、それは最近知った。
やはりSF好きということもあり、銀河系中心を撮影することに専心してしまう。
たまたま、月末は月夜になり、月の入りに押されるように早々朝の撮影になる。
そうすると・・・南西の海に沈む銀河が見られる。
よくよく邪魔なのが、沖永良部島の光害だが、ここまで沈むと影響が少ない。
右が西、左手が南で、左方向に少し振ると、沖永良部が入る。
おそらく内地であれば、銀河系中心は どっぷりと海中に沈んでいるだろうが
有難いことに、南国ではまだ十分いて座が見られる。
地球は丸かった。
もう少し高いところから撮れば、海に映える銀河が得られるだろうか?
寝巻きのジンベイ姿で、近所の橋の上から撮影するので、
時折通りかかるタクシーなど車の視線が、やや気にかかる。
星の画像生成は、撮影や画像処理にそこそこ勘が必要で、ハイテクのわりには
こしらえがいのあるもの。
夜空をたしなむのには、なかなか平成オヤジ的な風情があるのでは?と思う。
お盆のころになれば、早い時間の撮影ができるようになるが、
月夜は本当になん゛にもできないもので、夜釣りも、夜の動物観察も
全くダメで、月見酒でもくらって、不貞寝=安眠?するしかない。
天気のいい月夜は、ほんっとに使えない。
唯一?高台から夜半、長時間露光で海を写すと、海中の色がはっきりと出る
夜景が得られる。 が・・・とりたてて撮りたい画でもない。
強いて言えば、懐中電灯なしに心地よく夕涼みできる・・・くらいか。
このところ、町内一斉の農薬散布が効いたのか、街灯に虫が一匹もいないし
蚊もほとんどいないようなので、畑の道をぶらぶらするのは、とても清清しい。
ぼ〜っと路肩で夜空を眺めていても、蚊に刺されないのだ。
鳥や人間に影響がでないか、心配になるくらい虫がいない。
ともあれ、
降りっ放しの半年だったのだから、多少南国らしい晴れ続きがあっていい。
ただ、サトウキビが傷むようだと、島人のムシの居所が悪くなるから
ほどほど降っておいて欲しい・・・と、欲は尽きぬものだ。