それぞれの、トライアスロン
なにしろ、台風連発だったのに、なぜか大会日は快晴である。
どんだけ晴れニンゲンが多かったのだろうか。
それはさておき、ボランティア。
そんなのなんでするんだろう・・・子供のころから不自然に感じていた。
私は長男だったためか「オリコーニスルンヨ」と、育てられてきた。
すなわち、要らんことはしてはならぬという教えが、今も根強い。
正直言って、日本人に積極性という言葉はどうも似合わないような気がする。
せいぜい自発性・・・って感じか?
でも、ニンゲンが増え、ま゛〜ぶっちゃけ惜しげの無いヤツが増え、
人を巻き込んで暴走することも、アタリマエの社会現象のようになった。
幸か不幸か、私は人をアテにして何かをしようということは、ほとんど考えぬ。
大きなことはできないかわりに、したいとも思ったことがない。
私は私一人の身の丈レベルのことさえできれば、十分と考えている。
それに、やりたいやつが、勝手にやればいいだけの話だ。
ボランティアと助け合いとは、かなり意味合いが違う。
あまつさえ、ユイとは似ても似つかぬ。
おそらくボランティアはガイジンの割り切りの上での合理的活動範囲で、
日本人は分担とか、活動範囲を決め事するのが得意ではない。
ある意味、島の一部のボランティア団体の活動に似ている。
島内の汚れた場所を見つけて、町からボランティア用ゴミ袋をもらい、
ともかく缶だろうがビンだろうがクツだろうが、ぜんぶイッショクタにし、
あとは役場で分別してくれ・・・と放り出して帰る。
なんか、カッコイイとこだけやって、満足して帰るのだ。
もちろん、東北で尽力された方に申し上げているわけではないが
人間の意識とは、往々にして自己・他己の満足感が得られることをやる。
満足したら・・・帰りたくなって当然である。
島のボランティア?は、とても分かりやすい事例だ。
だが、自分が活躍すべき事柄は、合理性から考えても必要ではないか。
ごみ収集して分別しない・・・では話にもならないが、得意分野は必要だろう。
得意分野を中心にして活躍の場を広げれば、満足感も達成感も増す。
さて、トライアスロンの写真を撮ることになった。
正直なところ、撮ることは愉しい。 あるいみ究極のM魂をむき出しにし
全てを出し切ってゴールを目指す彼らは、私が相対的にSに感じられるほど
どえらいMさ加減である。
今年からは、写真部に登録され、一応燃料代がちょびっと出る。
島のトライアスロンのボランティアスタッフは何千人もいる。
島民の1割を軽く上回る人数が、参加していることになる。
なぜ、こうなるのか・・・ それは単純にユイだからだ。
苦労する友人知人がいるなら、私も助けて当然だ・・・と思う。
しかも
わざわざ金を払って、徳之島くんだりまでやってきて、スイムバイクラン。
そんな・・・殊勝なドMニンゲンを助けたいと思うのは、やはりMとしては当然でもある。
ただやはり、なんでもできるかというと、私はやはり写真に長けているから
エイドでドリンク渡しをしたり、パーティの料理をこさえたりするのより、
チカラを発揮することができる。
今回、いつも鳥を撮影するカメラで撮影に挑んだ。
重く、いかめしい500mmレンズである。
無論、イカメシイとは北海道の郷土料理、イカ飯っぽいの意ではない。
選手らを威圧するくらい、迷彩で防護した超望遠レンズがゴッツイのである。
ゴッツイわりに、どうも自転車の動きが捉えづらい。
どこを狙ったら確実なのか、最初は迷いがあったから、安全パイ?で中央の
もっともシビアで確実なピント合わせポイントだけを使っていた。
すると、こういった構図になる。 中央に顔をもってくる。
島の風景の中を、ひたすら駆け抜けるイメージではある。 けれど足元が写らぬ。
ゼッケン11番、万全ではないのに参加していただいた人情厚いトップアスリート。
少し慣れてくると、いつもの操作ができるようになってきた。
動く相手に合わせて、フォーカスするポイントを操作してアチコチに移動させるのだ。
トップアスリートは顔が中心だが、だんだんと自転車全体を収められるようになる。
下りで高速のバイクから、カメラをとっさに見つけ、ポーズを取れる方は少ない。
それはそれで、私なりのスタイルであり、動物写真的に空気となって撮影したい。
反面、認識力の高い方は、ポーズしてくる場合もあって、結構焦る場面も。
たいがいそうなると動きの巾が大きくなり、カメラが迷いやすい・・・
せっかくのポーズは、無駄になりやすい宿命にある。
チラッとグリップを握る指を少しだけ開いて、チョキ!するくらいがベストか。
スイムの選手を、最後まで撮りつづけていたら、遅い朝食を摂ったころ
トップ選手がもう近所まで戻ってきている時刻になっていた。
だから、都合、地元で待ち受けるしかなくなってしまった。
今年のスイムは台風の余波もあり、波と逆風にたたられ、ひどい消耗戦になったから
撮影もずいぶん長引いてしまっていた。
徳之島トライアスロンの父、洋一郎むぅ。(むぅ=心より尊敬する兄貴の意、発音は難しい)
ゼッケンは25。 第25回、節目のレースだからだそうだ!なかなか心憎い配慮。
片足が不自由なはずなのに、すさまじい根性だ。
彼と、島の超絶才女&役場職員アスリートYMさんと、大久保町長は必ず写すのが決まり。
(大久保町長じゃないよ)
いつまでも撮影できない場合もあるから、目標となる人を定めておくと、切り上げやすい。
とはいいつつも・・・遅れている選手は、体力的に厳しい人である。
だからこそ、M的に共鳴し?撮っておきたい意識が高まったのか・・・
最終選手まで撮影することが、めっきりお気に入りとなっている。
昨年から、
記録など関係なくともゴールしたいと願う強さを、
限りなくもれなく記録したい意識が強くなった。
地元浅間の県道は、ランも通過する応援しやすい場所である。
前から高速で坂を下ってくるバイクの勇士を500mmで狙いつつ、
背後からやってくるランの力走をチラチラ確認しながら、振り向きざまに400mmで
撮影する形になってしまった。
400mmは最古の手ブレ補正レンズだから、とてもピントが遅く、ブレやすい。
カメラとレンズあわせて2.5キロくらいだが、カメラが軽くブレが止まらない。
結果的には、ブレもまた動きや緊迫感につながって、雰囲気は悪くなくて助かった。
あるいは違ったプチ・アクシデント?もあった。
そろそろ知り合いが増えてきたので、あいさつや応援をしてしまうと、
その間に撮り逃しが出てしまうのである。
しかも、ワ〜イって感じで寄ってられても6mより手前ではピントが合わぬ。
ある程度、大人の付き合い、距離感が大切である。
遠足の撮影と、スポーツ選手の撮影を同居させられるほど、技量も機材もありゃせぬ。
幸い偶然、漫画家で友人の山鈴さんはワンカットだけキセキのカット!
焦ったカイがあった・・・大汗 こりゃもう、クリティカルヒット9999ポイントである。
このところ連年に渡って、撮り損ねて悔しいのが、女子アスリートO塚選手。
今年もやっちまった・・・ 機材になれないうちにやってきてしまう。
写真を整理しつつ、キレイでたくましい日本女性に写せぬものか・・・と
遠く来年を念じたり。
ま゛・・・トップアスリートの方々は、ほかにもたくさん撮る方がいるだろうから
あんまり心配する必要もないか?
けれども、なんか他の選手と違う雰囲気なので、不思議な魅力を感じてしまう。
なんだろう・・・突き進みたいけど、そうでもないような?ビミョーなニュアンスか・・・
何か?を求めあぐねて、徳之島の大会に来ておられるような表情に感じる。
あるいは、
O塚選手と私は、世界が滅びそうになっても、反りの合わぬ性格かもしれぬ。
私のカメラは、不思議と正直であり、神様のチカラを持つ人なども違って写す。
今回はスイムで、どうしても露出が会わぬ女性がいたが、人や場所を写すと
露出が合わない・・・という現象が出る。
スイムの女性は前後に違う選手がいるのだが、その女性だけが白とび・・・
世の中には、科学というチカラと心霊力というチカラがせめぎあっている気がする。
あるいは、科学も心霊力も、チカラと呼ばれるものの、ごく一部なのかもしれない。
閑話休題
県道の往路に選手がいなくなったと感じて、
近所の復路、湾屋(わんや=島口でワナー、ワニャ)へ向かう。
あれこれお世話になっている平和の森のユーキォさん。
彼と愛妻S子さんのこさえる野菜は逸品! いつもありがとうございます!
滋養に満ち満ちて実に美味いと、体が勝手に力説するような野菜を栽培している。
話は長々しいけれど、何もかも情熱的。 ちなみに奥様とも今もって熱愛中。
70代にして、ふだんからチューしちゃう我が家のオヤジ様、おふくろ様にも
引けを取らないスゴい熱愛夫婦!!! いつも、チューしといてほしいけど。(笑)
S子さんは年齢こそ私より上だが、美女で、奥ゆかしくて、料理も上手・・・
毎日チューしといて損はないぞ! ユーキォさん!
子々孫々まで応援に来られており、頑張らねばならぬ立場も分かる・・・
けど、無理しないで、肉離れしたら歩く余裕も、流石!と感じられる。 すげージージだ。
ちなみに、農家でも民宿でもなく・・・本来は役場職員。(笑)
海が見えることを失念していて、あらためて道を進むと海を背景にできる!
構えたところは、近所からきて応援をされている、元気な女性のすぐ後ろ。
島外からのアスリート達も、澄んで励まされる声に、思わず笑顔のポイントだった。
世界一有名な配管工といえば、Mリオ兄弟。
島で有名な配管工といえば、やはりMさん・・・兼久のアスリート。
往路では、メモリー容量最後のワンカットでエラー、幸い復路で構えていたら
いい表情で通過してもらえた。 やれやれ、良かったよかった♪
1年前まで住んでいた、兼久のご近所で恩人だ。
風景も選手も、なんかすごい美景・・・と感じたら、ゼッケン11番。
この手のアングルで難しいのは、水平線が首の位置にくる首切り現象を
フォローしなければならないことだ。 写真の世界にも存外シキタリがある。
大会終了まで島人以外の選手の素性を知らぬので
漠然と撮影していた。 けど、アスリート的ナイスバディー!
トップアスリートは素性を知らなくても、ハッキリ感じるくらい鍛えている。
今から思えば、結果が出せずニガニガしい思いだろうが、
私にとっては、とても美しく優れたアスリートのおっとりした姿を拝見できて光栄だ。
徳之島に来てまで、アクセクとレースを運ぶ必要もないかもしれない。
ゆっくり島風情を味わってもらえたのでは・・・と感じたり。
浅間は、下り坂を勢いよく帰ってくるバイク、
元気よく走り出す往路のランと、最後の3キロでチカラを振り絞ったり
気力でゴールを目指す復路のランが双方見られる場所である。
復路の湾屋は、タイミング的には勝敗とは関係ない選手らの
微妙な表情を写し取ってしまうポイントでもある。
小さな海辺の集落の坂道と、後ろには東シナ海と漁船、沿道にはささやかな応援、
しかし、実はささやかな応援にも熱がこめられている。
彼女は、双眼鏡でゼッケンを確認し、直接名を呼んで励ますから
思わず心の炎が勢いを取り戻すのか、チカラと笑顔があふれるように感じられる。
ニンゲンとは、つくづく不思議な生き物だなぁ。
何の得があるのか、ただ体力を消耗して笑う選手、
ただただ、選手を応援する島人。
そして、なんだか知らないけど、M的視点?で撮り続ける私。
合理性も無い経済性も無い、無駄なことばかりである。
けど、気持ちいい、すがすがしい、ビールもやたら美味い。
わざわざ出場料と高い旅費を捻出してやってくる選手ら。
何千人ものボランティアと、沿道にでてくる応援の人ら。
徳之島というところは、無駄に暑いねぇ゛〜とシミジミする。
いろいろ生活に不具合は多いけれど・・・住んで損する島じゃない。
だからといって、金銭的に得する島では、けしてない。
軽い、安っぽいドラマやら、漫画でよくセリフになる
「カネで買えない大切なもの」とやらが山盛りテンコ盛りのようだ。
あれこれ肖像権やら、意図しない顔の自分に講義や訴訟になっても反論できぬが
それでも私は、できるだけ多くの写真を早く公開して、視ていただきたいと思う。
訴えられたくらいで、やめられるような撮影ではないんだ。
どうやらシェアウェアで、上手に大量写真を処理できるソフトがあるらしい。
でも、現金収入が月額数千円レベルになった現在、そんな余裕もへったくれもない。
だから、できるだけのことをする。 カネはないが時間はある。
私のトライアスロンは、まだ終わっていない。
仲間が撮影した数千カットの公開し尽くすまではね。
なんか、いい感じだろ? 島のトライアスロンってば・・・
本当はゴール後の夜、どんちゃんパーティってのが4種目めと云われている徳之島。
来年は出てみてもいいかな・・・??? なんてな。
アスリートも島人も、くれぐれも変わったイキモンだなぁ。
とはいったものの・・・やっぱしダルいかもな・・・もうすぐ46だし。