祭りに密着してみた
梅雨が明けない、というか、どえらい激しい雨が降るし
ムッとする湿度ながら晴れていたかと思うと、ざっと降る。
本来なら梅雨明けし、海の日くらいまでは、奇跡のような晴天が
半月くらい続く時節であるが・・・天には、物申しようもない。
石川県で29日、読売オンラインに、
空気銃で飼い猫が撃たれたらしい記事があった。
どうやら、空気銃のジェット弾とよばれる弾を撃ち込まれたらしい。
撃つ方も撃つ方だが、放し飼いなんだから、そっちも問題だ。
猫は、幸か不幸か獣医の施術によって回復しているようだ。
出産するのに、わざわざ鹿児島や沖縄本島へ行かねばならない
島の現状を考えると、猫を手術する医者が居るなど、
どれだけ無駄にゼイタクなことか。
記事はこうくくっている。
飼い主の男性(78)は「弱い猫を撃つなんて情けない。
住宅地で銃を使う人がいると思うと気持ちが悪い」と話した。
うーむ、
住宅地で無駄に「肉食獣」の猫を放し飼いしている自分が棚上げだ。
赤ん坊などを放置したら、よろこんで手足を食いちぎる連中だ。
しかも猫族は、食べる以外でも気分で生き物を殺す。
安易に猟銃を許している、法律にも問題があることも棚上げ。
弱い猫・・・弱いのはジジイの頭であって猫ではない。
ジジイよりも遥かに生命力がある。
肉食獣を放し飼いするという意味が、分かっている飼い主は
ほとんどいないのが現状だ。
全国的に、そちらが最も情けない現象だと思うぞ。
ノネコが増殖している現在、
スズメやメジロ、キジやヤマドリ、ハト、ドブネズミやクマネズミなどが
被災しているのだが、コイツラがいなくなったとき、人間の家に侵入し
荒らしまわることになる。 カラスなんぞ問題ではない行動力がある。
島では、猫に家を荒らされることは結構あるし、我が家にも侵入された。
実害のある肉食獣を野放しに出来る、余裕あるジジイを筆頭に
ペット愛好家の、頭の弱さを知る記事であった。
さて、豊年祭りがなぜ6月にあるのか・・・から説明する。
島では、春先からジャガイモ、ニンジン、そしてサトウキビの収穫を終え
再び夏野菜などの植付けを終えてひと段落する時期が6月。
水稲の二期作があったころも、次の苗を植えおえるころだ。
徳之島北部で最大のまち、平土野(へとの)集落は
古くからの港まちで、昔は映画館も何軒かあったらしい。
狭い地域に1100人以上の集落民がひしめいている都会だ。
天城町14集落で7000人くらいの人口だから、
いかに集中しているかが分かると思う。
もともと港まちなので、農家は少ない。
漁業も下火で、漁獲が細っていて重油代ギリギリなので、
自家用に漁をする人ばかりだが、漁港のすぐ横にある
漁協から、魚を収めろといわれるので、面倒くさがって、
自家用の漁もあまりしなくなっているようだ。
北部一の都会だが、50軒あまりのお店は、ほとんど元気がない。
ちいさな居酒屋、スナック、酒屋、すし屋、ラーメン屋、金物屋、
服屋、電器店、Aコープ、薬局、おもちゃ屋、花屋、靴屋、
理容所(床屋ね)、海辺ならではの回漕店、民宿などが
カモフラージュしたかのように、分かり辛く点在している。
オマケに、看板もそのままに、閉店したかどうかも分からない
昔の店も結構ある。
なのに豊年際をやるのは、やはり北部に唯一の商店街に
活気を取り戻したいという、区長M田さんの想いがあった。
後継者もいない、気が向いたら仕事をするような店が多く
昼ごはんを食べられる店もほとんどなく、昼は人がいなくなる。
こういったお祭りは、全国どこでも同じだが
手弁当やボランティアの色彩が強く、若者も手伝わず
予算も無いなか、よく頑張っていると思う。
開催前日、金曜日。
役場の企画課へ、M田区長が照明器具を借りにきた。
ステージ照明も貸し出すとは知らんかった!
だが、雨模様なので、土曜から日曜開催に延期になった。
結局、土曜は天気が一日もってしまったのだが・・・
日曜は忙しい一日だった。
午前は鳥探し、昼は知人宅で打ち合わせ兼ぐだぐだ、
午後はこの祭り、夜は野鳥の会のアマミヤマシギの調査だ。
保健福祉センターの横にどうやって会場を・・・と思ったら
キテレツな形をした建屋が、みごとに活用されている。
4時開催というのだが、やっぱりぐだぐだで始まらない。
それどころか、照明器具が2灯しか点かない。
ナショナルショップのニーチャンがテスターで電圧を測ってみる。
ラーメン屋のM田さんが、コントローラーを使えるらしいが
なにしろ電力が足りず、溶接用の発動機では不足らしい。
島では苗字がダブることが多く、すでにM田さんは2人だ。
ややこしいのでラーメン屋だからラーM田さんとする。
黒い奥のオヤジがそうだ。
ビール飲み飲みセットアップを続ける。
発動機もいろいろ調整するのだが・・・
なかなか上手くいかない。
5時を過ぎても照明が点かず、ヤキモキする気持ちを
あれこれいじって紛らわす、黒いラーM田さん。
露出補正しても、全く黒い男だ・・・
ゲストのシンガーソングライター
ゆきちゃんが念入りにリハーサルしつつ
その前を、ヤキモキするM田区長が右往左往する。
湿気と高温で、すぐに調弦が狂ってしまうサンシン・・・
リハ横では・・・
道路をふさいで、ほこ天にしてあるのだが、
勝手にやっちゃった感がありつつ、バスが立ち往生。
あきらめて戻っていった・・・
向こうに見える金色のどまんじゅうの乗った館がバクヤチマ。
それにしては、
4時半ごろ平土野駐在の二人が来ていたので
一応、申請はしてあると思うのだが・・・
総合陸運に、日曜開催に変更したことが伝わっていなかったか
もともとバスのことなど気にしていなかったのか・・・
のちほど二度目に来たときは、標識をよけて通過させた。
ついに
電力不足だろうということで、発動機をあきらめ、
センターの電源をいただくことに・・・ちょ、直結っすか???
ま、結局それでも2灯しかつかないのであった。
5時半、町内の重鎮が集まるなか、次のM田さんが出現。
テントで開始を待つサヒーオ町長に脱帽し、頭を下げる。
島ではこうして互いに頭を下げ、輝きを確認する慣習がある。(ウソだ)
区長のお兄さんで写真屋である。 だから、写M田さんだ。
一度、カラオケをご一緒したことがあるが、とても気さくで
俳優をやらせたいほど、味のある人物だと思う。
5時40分、ようやく開会である。
司会は須川木工のニーチャンだ、名前は忘れた・・・
まずは、暑い中待ちかねた天城小のブラスバンドだ。
あんまり緊張した感じが無いのは場数を踏んでいるせいか・・・
金管の奮闘と、タンバラーの余裕が対照的だ。
様々な金管があるのは驚き。しかも、女子が多い。
沖のかもめぇ〜えええにぃ〜♪
と、歌っているように見えるが、部長が居ないので代役・・・
のようなイイワケ中の先生。
聞くところによると
このようにオソロイのコスチュームがあつらえてあるのは
相当優秀なブラスバンドであるから、らしい。
指揮者がイマイチなためもあるのだろうが、
ちょっとテンポがズレ気味で、テンションの低い演奏が
微妙に祭りにマッチしていた。
まー、炎天下で演奏するんだから仕方ないだろうし、
みな日陰に入って、遠巻きにしている住民を前に
テンションも上がるまい・・・
テントには
サヒーオ町長よりふんぞり返っている一団がある。
ビールを口にする元区長会長のM村さんと
ニコン派の写M田さんである。
M村さんはひとつ北の集落、浅間の人で
イベント事には、まめに顔を出される方であり
文化面などにも造詣が深く、史跡などを大切にされる方だ。
例の14集落の宝のネタ集めのときも、お世話になった。
それにしても、島の人はキリンの淡麗が好きである。
ようやく、ゆきちゃんの出番だ。
てゆーか、M田区長のあいさつが終わったら
切り上げようと思ったが、あいさつないんか!?
テント内の左から、
総務課長M田、あ・・・またM田だ・・・でも漢字は違うM田さん、
正確には「Mた」であって「Mだ」ではない。
平土野の住民A、B(たぶん)。
照明コントローラー右、土建屋のU原さん、
パイプで顔が隠れているが、少々移動した浅間のM村さん、
パイプ右の誰だったっけ・・・たしかK議員・・・
一番右が、我らのサヒーオ町長。
スケジュールを確認するM田区長。
下準備を入念にする人で、一見アバウトに見えるイベントが
つつがなく進行するのは、この人のセンスによるところが大きい。
テゲテゲに見える島人たちも、
こういう御仁がいるからやっていけるのだろう。
6時半ちかくになり、ようやく夕陽がかたむいて
ステージ正面のブルーシートに人が出てきた。
こんな状態でも、話しかけたり歌ったりするゆきちゃん。
沖縄系の美人である。
カメラを持っているおかげで、正面で歌も聞けるし、
カメラマンやっててちょっと嬉しかった。
6時半、ようやくM田区長が登場。挨拶も手馴れたものだ。
高齢化がすすんで活気が無くなる平土野を何とかしようと
いつもこうして頑張っている。
彼に撮影をたのまれると、どうしても断れない。
おかずのクッキング、土井善晴先生にどこか似ている・・・
有料生広告というのがあるらしい・・・
ゆきちゃんが、写真館や薬局、中村酒造など生声で宣伝!
こうなると、八百屋のおかみさんみたいな雰囲気。
南西糖業からの差し入れ、チューペット?も配る。
子供限定にしたら、どえらい余った・・・
U原さんは土建屋だけあって、一見ガサツなオッサンだが
とても面倒見のいい、実は細やかな気配りもあったりする
兄貴的なオッサンだ。 ユンボを使わせたら天下一品!
イベントでは、M田区長とともに毎度骨をおって活動している。
彼がそうするので、同じ職場の若者達も骨身を惜しまない。
まー正直なところ
ゆきちゃんがいなければ、子供とジジババという
世代の中抜け状態で、実に活きの悪いステージだったと思う。
島の20代、30代の男性は本当にイベントには出てこない。
(U原さんの職場の人たちは別だ)
このあと、M兄弟による島唄が終わったら
婦人会(老人会にかなり近い)などによる民謡や踊り・・・と
枯れた感じの演目になっていくのだ。
だが、そこも読みつくされていて、枯れかけたとき
もう一度、ゆきちゃんを登場させる心憎い演出になっている。
M田区長、どれだけ読みが深いんだ・・・
7時前、M兄弟の民謡が始まった。
下手ではないが・・・出しやすい声域が強く、裏声や低い声が弱く
唄としてはまだまだである。 やっと発音している感じ。
気持をこめるといった域には遠く、言葉の意味も知らないだろう。
でもCDデビューするとか、しないとか・・・
民謡ナンバーワンになったことのある、松山京子さんの
弟子たちだから、これから上達することは間違いないだろう。
ちなみに、松山京子さんはご近所さん。
奄美の島唄は、とても味わい深いものの裏声が多いので
聞き疲れするんだよな・・・なんて言えやしない・・・
そろそろ時間だ。
7時半までに風呂に入って、獣医屋ケンちゃんのところへ行って
夕食のご相伴&アマミヤマシギ調査に出かけなくてはならない。
ここで撤収することに。
このあとは、島っぽい盛り上がりで、女子供が踊り
ついでに男も踊りつつ、グダグダに飲んだくれて夜は更ける・・・
といったてん末であったろう。
聞いた話では、日が暮れて涼しくなったころに人出が増えたらしい。
なんで4時から開始だったんだろうか・・・
夜の調査があるのでビールもなし・・・暑く過酷な撮影であった。
関係ないが、この暑い中、菅笠をかぶっていたのは僕だけで
他の男性はかぶらないか、農協系野球帽であった。
意外にも島の人らに、菅笠が珍しがられたのである。
でも、ニシムタとかスーパーダイマルに売ってるんだけど・・・
帽子はかぶると暑い、だが菅笠は涼しくなるので
かぶるのは当然だと思うのだが。
関係ないが、Mの多い祭りだったと思う。
ちなみに、黒のらーM田さんは、カズミという名で
図書館の館長さん(女性)と同じ発音であるという。
メンドクサッ!
この時点ですでに、DASH海岸のことは頭にない。
放送後、調査中にかかってきた電話で、
写真が放送されたことを知ったのであった。
獣医屋ケンちゃん宅で、イマイチ揚げ具合が分からず
揚げた直後に、延々煮こんだカツ丼というか、
カツ煮丼をたっぷりいただき、夜の部に突入。
ケンちゃんの奥さんは、料理はかなりアバウトのようだった。
揚げたてを煮るというのはゼイタクっぽいが、かなり微妙だ・・・
一応、カツ丼とカツ煮という別々の料理の存在を伝えておきつつ
全ては語らないままに、調査へ出発。
料理にウルサクしたので、
あの奥さんの性格上、次は食事に誘ってもらえまい・・・
アマミヤマシギはほとんど見つからないが
オビトカゲモドキが、よく道路に出ている。
探すと見つからないものなのだが・・・
徳之島町井之川集落付近の道路で見つけた
例外的に大きいオビトカゲモドキ。
ちょっとウンコされてしまったが、
昆虫と牛糞が混じったような複雑なニオイ。
ケンちゃんと二人で、ニオイの臭さを確認して嬉しがってしまった。
メスなのか、デップリした腹。
しかしながら、卵の丸み感とは少し違った印象である。
先日、側溝を簡単に這い上がるのを目撃したのだが
こうして針先のように鋭い爪を立てられてみると
コンクリくらい簡単に登られることが理解できた。
まー、天然記念物なので、これ以上の手出しは出来ない。
ご懐妊されているようでもあるし。
初体験、コブラ科の生づかみ。
最初はビビッて持てなかったが、じき馴染んだ。
というのも、
つかもうとするとミミズのようにめちゃくちゃに暴れ
しかも時々、チクッとするので怖くなったのだ。
ケンちゃんは
早くつかんで!かまないはずだから!と車からさけんでいる。
かまない「はず」ってナンダヨ!
人生の大半がアバウトっぽいのに、どうしてそこだけ
言い回しが丁寧で正確なんだよ!?
噛まれた例は、これまで報告されていないのは知ってるけど・・・
万一口で攻撃されたら・・・などと思うと、去年海で見た
2mほどのエラブウミヘビが頭の中を泳ぎ回り
コブラ科の神経毒の恐ろしさが舞い踊っていた。
冷静に考えれば、毒の量は極端に少ないのだから
それほど心配する必要もなかったのである。
でもホント、かなり怖かった・・・
なんのことはない、チクの正体はコレ。
尾の先がとがっていて、つかんだときも巻きつけて
先端を指にチクリと刺してくる。
頭のほうは噛み付くどころか、ひたすら脱出路を探している。
オビトカゲモドキは尻尾の先で刺してくるから怖い・・・
と山海荘のオバサンがいってたが、こいつのことが
間違って伝承されたのかもしれない。
特に実害もなさそうだし、カワイイので
ちょっと飼ってみたかったが、コブラ科は許可がいるそうだ。
気温が高く、ヒンヤリ感がないのが惜しまれる。
やはり、爬虫類は手に持ったときのヒンヤリ感に尽きると思う・・・
やっぱり、
お祭りよりこっちの方が性に合っているなぁ。
だけれど、だいぶ人物の撮影にも慣れ
ちょっとまだレンズの性能を読みきれていないが
楽しめるようになってきた。
島のイベント用にと、
わざわざキヤノン純正レンズを売り払い
それと引き換えに買っといた万能ズームレンズ
タムロン18-270mmが中活躍である。
この一年でもっとも出番の多かったレンズになっちまった。
それにしても、
写M田さんは、ニコンでナニを撮ったのだろうか・・・
こんど写真館に行ってみよう。
ちなみに僕が撮影したデータは、写りの悪いのを削除し
USBメモリーに入れて、M田区長さんに渡してある。
M薬品に、目薬を買いに行ったついでに。
ところで
徳之島町の小学校で、B型インフルエンザが流行し始めた。
内地ではそんな兆し、ないだろうか???