特攻スピーダーのある生活
ウワサでは、ボゥバ・フェットがヤボ用でやってきたとき、
島の足としてジャワズ・モータースから買ったのと同型の
Kスピーダーだという。
こういうのが島のじどーしゃ・・・いな、スピーダーだ。
動かなくなる手前程、ほどよく装甲板がダメージを受けている。
錆びもなかなか絶妙な感じだ。
走行中のダメージとは無縁の場所に配されている。
ガス屋の営業スピーダーもちょっとコンナ雰囲気だったが、
ダメージにポリシーがあるというか、年季が入っているというか、
間違いでなく、自らの根性で作った打痕という風な雰囲気が
強固に感じられるところが、心に響く。
このごろ話題の、ウヨチ・ウヨチ・サヒーオもKスピーダー愛好者であり
バクヤチマには、微妙な金色(こんじき)に輝くスピーダーで登庁する。
サヒーオ氏は、人あたりもスピーダーあたりも優しいので
車はピカピカである。
島には、コレリアン・D・ハツや、SZK・インコム製スピーダーが多い。
輸送に適した、Kトーラ型も人気があり、バクヤチマのスピーダーは
半数ちかくが白いKトーラ型を占める。
バクヤチマの仕事と農業、どちらを重視しているか良く分かる。
F2型やO型スピーダーはあまり人気がないわけだが、なぜか
それら不人気のスピーダーには、不要なハイパードライブ用の
スポイラーやウイング、アルミホイールが無駄に搭載されているのが
どうやら流行のようだ。
ワックスとか、洗スピーダーとかそういうレベルとは遠く
ルークが育った、タトゥーイン並みのメンテナンス状態である。
もちろん
島では紫外線ぐらいしか跳ね返せないディフレクターシールドや、
地元民のジジババの目など、全くごまかせない光学迷彩ジェネレータ等、
電装故障の元となる無駄な電子装備一切が取り外されている。
紫外線なら、無駄にエネルギーを消費せずとも
黒いフィルムをシールド・テクタイト内面へ違法に張り込むだけで十分。
しかも島なら、スピーダー検査登録に通りやすい。
小規模民間業者が手を回してくれるおかげで、
かなり改造した状態も、まかり通ってしまうようである。
紫外線がカットできる代わりに、雨天時や夜間の視野は相当悪いが
視界のよしあしよりも、暑さ、紫外線対策が優先するのが島流。
ボディーダメージのないスピーダーがほとんどないのは、そのため。
安全より、快適を優先するのが常識だ。
いうまでもないが、その他、イオンやレーザーを用いる銃砲などの
必殺攻撃兵器は、ウヨチ・ウヨチ戦などにおいても、精神的ダメージや
プレッシャーが与えられないので、無意味。
ジジババには、当たったらすぐ死んでしまうのでは、波及効果が薄く
シマグーチ・ブラスターや、ウワサForce、マジュンHUB以上の
脅威とはならないため、やはり外されている。
それに、ハイパードライブも必要ないので、ETCエトセトラ、
超高速移動の補助デバイス類も、装備していないが
例外として、電装においてシガライターを必須としているのはナゾだ。
スモークジェネレーターを使う頻度が高いのだろうか。
最近の流行といえば
経年とメンテナンス不良、果てはハイパーアドバンスド・エイジ人種
つまり、常識も年齢も超えたジジババ族には、
ウィンカーや、ランプ類の不使用、ブレーキ使用時に至っては
反対にアクセルダッシュを試みるなど、反骨スピリットが根付いており
武装攻撃以上の特攻による被害が、社会を震撼させつつある。
色あせた茶色と黄色のメープルインシグニアを見かけたら、
まず「特攻」を警戒するのが島で最も有効な防御シールドといえよう。
ジジババ族には会話も通じないので、逃げるが価値?である。
ちなみに攻撃を補佐するはずであったR2ユニットは、前述の傾向から
投棄されたため島のR2型ドロイドは、人間の制御から離れて
青い色合いを残した非行型ユニット、ISO・ヒヨ・ドリーとして
自己改造進化し、周年、ワケのわからないピーヒョロレ、ぎー、ピルル・・・
などと発音しつつ、虫を取ったり、UN−KO−プチボムを
投下したりしながら徘徊し増殖するドロイドに成り果ててしまったようだ。
でも、発音においては、やはりR2ユニットだなぁ・・・と懐かしさを感じる。
売り物にならないため、ジャワズも捕獲することはない。
残念ながら
中学のころから、私はサイボーグとも言われたが、ドロイドではない。
3POほど輝きが強くなく、メタルゴールドでもないためか
彼らR2ユニットの言葉が、ほんのわずかしか翻訳できない・・・
100万語といわれる3POシリーズに比べ、私にはわずかヤーマグーチ、
KNサイ、ナーナー・ISE、ダーガヤNGY、TKNシマグーチの一部や
わずかな言語を翻訳できるのみである。
やはり、翻訳は金色ボディと磨き方、輝き具合によるところが大きいらしく
地蔵様っぽく歩き、メガネをかけ、ベルトにフリスビーを挟むと、
飛躍的に翻訳能力が増すらしい。
加えて、涼風ブラスターに向かってダミヴォイス風に話すと
翻訳増力効果があるという噂もあるが、そこまでしようとは思っていない。
翻訳能力が上がるといわれているものの、運動能力が最低になるためだ。
いちいち涼風ブラスターと発動機を携行していては足元がおろそかになる。
生物兵器、マジュンHUBなど、から身を守る必要があるからだ。
しかも、
発音練習には「わーれーわーれーわーうちゅーじんだー」とか
発する必要があるが、どういうわけか昭和人はダミーヴォイス発生時に
「おーっす、声が小さいー、おーっす」や、「だめだこりゃ」などと
大幅に間違えて発音しやすく、練習にならないのが現実だ。
私のF2・スピーダー
モッサリーノII世・シルバーパッソ号は健在に見えるが
フロントスポイラーが外れかけており、少々不安を感じる。
森をクルーズするたびに、なぜかサイドのストライプが増える。
やはり日夜、ナメック星人や、家付きナメック星人の侵攻を
受け続けている事に、少々因果があるのだろうか?
厄介だがウカツに殺傷すると、縁者のジャバ・ザ・ハット・ティウレに
恨みを買うことになりかねない。
やはり、エンドア同様
森はスピーダーバイクが一番のようである。
けれども森には、入念にカモフラージュされた、
帝国の最新ウォーカー、AMMヤーマシギ型・AT-STや
RK・イノ・SiSi型・AT-ATが随所に配備されているので
森林でのウカツな高速移動は衝突の原因となり、
スピーダーバイクの運用にも、慎重を期す必要がある。
構造がもろいだけに、少しの衝撃でコチラが致命傷負うためだ。
島に配備されているAT−ATシリーズはカスタマイズされており
前者は飛行能力、後者は頭部にあたる部分で地面を掘削し
食料を探索・確保する機能を有している点で、
エンドアやホスに配備された、旧型とは、一線を画している。
特筆すべきは、夜戦用である、ということだ。
カモフラージュと隠密行動プログラムによって、
昼夜ともに動きが予測しにくく、気づいたときは衝突している
といったことになりやすいのだ。
なぜか隠密プログラムは、回避が苦手のようである。
先日、ジジババ族の特攻に遭った、友人宅へ行ってみた。
厚さ8ミリもあるシールド・テクタイトが破損しており、
ぱっと見、青いシート的に見える、シールディング・エフェクトだけで
家具屋の店舗を防御していたのである。
あまりに風雨(ふうう)が強いので、2トン・キャリア・スピーダーを
シールド代わりに配備していた。
間近に、青のシールディング・エフェクトを見る機会はないので
見学しに行ったのだが、直前にシールド・テクタイトが復旧したらしい。
よく見ると
南国は暑く、ベンチレーションのためか、シールド・テクタイトは
上から2センチほど、絶妙な隙間を作って装着されている。
生活の知恵だなぁ・・・
友人はどうやら
隙間から様々な生物や、雨が入ってくるのを嫌がり
シールド・テクタイトを再構築するらしい。
あーもったいない・・・
そんなときは
上だけシールディング・エフェクトにすればイーじゃんか・・・
そんな感じじゃん、島はどこもかしこも・・・と、エコの観点から
指摘したくなってしまうのは私だけか。
ちなみに向こうに見えるのが我がスピーダー
ラッタータII、シズラー銀パッソール丸である・・・
あら? なんか違ったっけか?
このごろ、物忘れがひどくてかなわんなぁ。
ちなみにちなみに、県道の向こう側にあるのは
ドクターキリシマのマッドクッキング研究室。
別名、食事処きりしまである。
見た目は普通の食べ物だが、想像を超えた風味が味わえる・・・
こともあったりする。
昼間あいている、数少ない食事現場なので、
クモの巣に吸い寄せられるように、訪れる人の絶えない場所だ。
しかしやはり、向かいのコンビニ弁当にはかなわないようだ。
昼食にスリルを味わうより、見た目どおりの味のほうが
原住民の好みらしい。
きりしまは少し離れた、マチャラ集落の人がやっていると聞く。
都会から出張などでやってきた人がハマリ、いやスリルを味わいに
訪れる傾向にあるようだ。
私もマチャラ出身の仕事仲間に誘われなければ
食事でジェットコースター的なスリルを味わいに行くことは
ないだろうと思う。
スリルは栄養価ゼロだし、スマイルゼロ円と違って
ワンタイム700円以上かかってしまう。
不思議と、ほとんど上昇することなく、
気分的に急降下ばかりというのも、味気ない原因だろうか。
タメがないままに、ぽーいと無造作に落っことされる感じ。
しかも、普通の料理が出てくると、ちょっと驚いてしまったりして
ハズレ感なども沸いてくるので、700円の値打ちがどこにあるのか
私自身も戸惑ってしまうことがある。
スリルを味わったあとは、ほとんど胃もたれするが
今のところ、おなかの急降下はない。
ふだん、油物をほとど摂らないためだろう。
ところで
島はバス交通も乏しく、スピーダーが無いと生活できない
と思われているが、案外もっていない人も多い。
年金だけでは維持費が出ないのである。
しかもアルバイトといえば、ウギカサギ(きび刈り)の手伝いなど
肉体労働ばかりである。
たまに観光課で、パンフレット折りのようなバイトがあるが
なにせ地の果て亀津のハローワークに出向いて、
わざわざ地元の仕事を探すご老体はいないので、
ドカタのニーチャン風な連中がやってくる。
若いのに仕事してないんかいな・・・???
スピーダーが無くても、親戚に買い物を頼んだり
あるいは、集落にいくつかある商店で、買い物して
しのいでいる人も多い。
野菜は自分で作れるから、冷凍の豚肉と焼酎があれば
生活できるのだろう。
我が家の愛すべきスピーダー
ダンボールギー2・パヤルドLP=12インチ・Aコープスーパーレジェーラは・・・
年中ナチュラルミストやナメック星人のナメナメ洗浄に遭い
今日も梅雨空の下、テラテラ、ヌラヌラしている。
いいなー今度のネーミングはなかなかいい。
ウンコまみれの牧牛が、さらに盛大にウンコを撒き散らしながら
県道を暴走する姿をモチーフに、ダンボールのエンブレムとか作れそう。
もしくは、いさましい名物の闘牛が、舞い飛ぶばくちの金を背景に
戦っている姿をモチーフにするのも良さそうだ。
活きが良い感じがする。
やっぱり無駄にローダウンのAコープスーパーレジェーラは、
活きがよく見えなくちゃイケナイ。
今ならもれなく、米軍基地反対!のロゴも欠かせない。
島には、バンパーの落っこちたダンプ・スピーダーとか
キビ刈りシーズンに、高くキビを積みすぎて上空の標識すら薙ぎ払う
キビ虎・スピーダーなども唸りを上げる、激しいスピーダー事情や
ジジババ族の、速度規制未満のノンビリさで溜め込んだエネルギーを
特攻スピリットにより瞬時に起爆しアクセルダッシュする気骨事情など
島は、走りたい、踏み込みたい、突っ込みたい意志がスピーダーを
動かし続けている。
そこには、法律とか安全とか、そんなものはドウでもいい。
支障がおきてから考えること、が常識の社会だ。
いよいよ高齢化が進むと、キビ虎・スピーダーに高齢者が乗り
昼ごはんのお惣菜をコンビニに買いに行って、豪猛アクセルダッシュする
次代がやってくるだろう。
柔らかいスピーダーを作るのは難しかろうから
誰か、バンパー前方にバリュートを展開する車を作ってくれまいか。
ヘノチカラ的な、斥力を生み出す外側のエアバッグ的な装置を。
まーどーいったらいいか、硬いものに撥ねられるよりは
柔らかいものにぶっ飛ばされてから、後頭部を劇打して死ぬ、みたいな。
ぶっ飛ばされてから、劇打するまで時間があるので、
飛ばされた人はライフジャケット的に装着した人用バリュートを展開し
その先を歩いているジジババを打倒してでも、生き残ることは可能だ。
暑いお土地柄だから、人用バリュートの普及率は低そうだが・・・
そういうわけで
島のスピーダー事情は
ボケたら突っ込め!
アクセルダッシュ!
を基本として、日々高齢進化している。
でも安全策は、運転意識の中に存在していない。
大昔、金田一耕助が、探偵は事件を見守っているのが仕事なんです
と言ったような・・・言わなかったような・・・淡い記憶がある。
同様に、私も高齢化しながら、アクセルダッシュを見守っていくしかない。
いやむしろ、アクセルダッシュの現場を残していくのが仕事だろう。
ボゥバは帝国の逆襲であえなく去ったが、スピーダーは健在だ。
我々はジジババ族を目指しながら、ジジババ族を恐れ敬わずに
励ましながら、生きていくことになるのである。
捨て身のアクセルダッシュ、無敵だ。
いつかは、アクセルダッシュ・・・人生の目標になるのだろうか・・・