今年もはなから

一富士・二鷹・・・?

 


伊勢神宮詣でも終え松の内もすぎ、しっかり年が明けた。

といっても、別段なにが変わったわけでもなし。

恐怖の大王が何者か分からぬまま、10年以上経った。

 

気づけば、実家で過ごしたぶん、オカユ生活で養った体が

ついメシを食いすぎ、日本酒をいただいて多少太く。

 

動物写真は、冬場とくに厳しい季節である。

特に内地では、爬虫類や両生類は冬眠し、

冬の鳥たちとイタチだけが見やすい季節になった。

島のように自然のデパート的な場所から内地に戻ると

自然観察には品揃えが乏しすぎて、かなりワビシイ年の明け。

 

植物はとんと疎いから、良く分からぬが

元旦にはもう、梅の花が咲きはじめるのかと驚いた。

 

久しぶりに見た実家テレビも、すっかりデジタル化。

けれど、つくづく呆れることばかりダラダラと流されていた。

テレビ離れというのも仕方なかろう。

使えるのは、せいぜいデータ放送の天気予報くらいなものだ。

 

かてて加えて、

ニュースのオカシナ内容もいただけない。

気分を害するバカバカしい情報は

フィルタリングできる機能がないものか・・・

 

温暖化で、一段と厳しい気象となった冬山に登っておいて

ふぬけにも救助を求める恥さらしが居るわ、

献金問題で首相の歯切れも顔色も悪いわ、

沖縄の県知事など、自分たちの家族を殺した米軍に

経済効果があるから居て欲しいと言うわ・・・どうも道理が見えぬ。

相手は観光客じゃない、敵国から攻撃の的になる軍隊、

しかも不躾極まり、ひき逃げだの強姦だのを起こす狂気の軍団だ。

いい加減、出て行け!というくらいの気骨がないものか・・・

 

日本も琉球もどうかしちょる!

 

特に気分を悪くさせたのは登山者。

酔狂で冬山登山するなら、最初から死を覚悟したまえ!

装備を倍にするとか、雪中で野営するなど鍛錬して臨むべくを

うかつにも、ひょこひょこ出かけるんだから

そのくらいの覚悟がなくて、何の酔狂か!?

なんちゃって冬山登山なのか???

 

登山の品位が、失われつつあるではないか。

特に、会社勤めが長く、地域とのつながりが薄い団塊世代は、

やりたい事すら見つかない自分が退屈なのか・・・

会社員時代に錯覚した、うたかたの栄光が欲しいのか・・・

恣意の暴走が目に余り始めたように思う。

派手に燃え尽きたいのなら、人の手が及ばぬ場所で

勝手に燃え、、尽きてしまいたまえ!

 

歳も歳、判断力も体力も衰えているが、社会で多数を占める。

高齢社会の規範となるべく、軽率な言動や遊びは慎むよう

くれぐれもお願いしておきたい。

 

冒険は命がけであって、酔狂とも週末の遊びとも違う。

いまさら登山を冒険にするには、頭も体も古すぎる。

 

子供たちに、公園でサッカーも野球もできなくしておきながら

こともあろうに酔狂で雪山へ入って遭難、世を騒がせるなど

道理がみじんも通らず、人としてあまりに見苦しい。

正直、春までしっかり凍って、バカを治してから下山願いたい。

 

もし行くとすれば

鍛錬によって、何度か走馬灯を見てから、冷静に臨みたまえ。

浮かんだ大切な人の顔をかみ締めて、なお危険を望むなら

多少の覚悟は培われ、生涯雪中に眠るか登頂断念かの判断がつく。

強者を育むためにあるのが自然界、さらに限界へ挑む冒険なのだから

相応の覚悟があって然り。 遺言くらい一筆書いて入山すべきだ。

 

本来、

登山者なら心得ているはずなのに、不心得者が急増の予感。

自然全てが遊び場と思われては、考え違いもはなはだしい。

むしろ、自然全てが弱き者の墓場として機能していると思った方が

正当だろう。

 

あーもう

新年早々、道義にもとる阿呆な報道を見せられてしもた。

 

さてさて

さようにバカバカしいテレビ放送など、じきに見飽きて、

寒風遊ぶ田畑へ出てみることに。

 

内地の年始は、これまで気づかなかったのが不思議なくらい

陽光が斜めから差し、恩恵の薄さを感じさせる。

日中も木立の影が長く、寒々とした空間が広がる。

 

ふと見上げると、家の上空を横切る影。

どうやら近くの林にハイタカが居ついているようである。

しかし、見つけようとすると、なかなか探し当てられぬ。

飛ぶことに長けているので、すぐ移動してしまうのも理由の一つ。

羽ばたきも少なく、ひと飛びで数百メートル向こうへ飛び去っていく。

さりとて飛んでいる時間は長くなく、木立に隠れて様子を見る。

上空を見渡しても見つかりにくいワケだ。

 

もう一つの理由は

人間に対する警戒心が強く、50m向こうでも逃げていくほど。

 

一方

チョウゲンボウも居ついているようでいて、かなり移動が激しく

今シーズンは、昨日居た場所に今日も現れることは珍しい。

止まり木が切られてしまったからか、カラスに追われるからか・・・?

それでも、毎年同じ田畑で見かける。

姿はハヤブサでありながら、急降下しない大陸産の冬鳥だ。

ノンビリ飛んでいるようだが、あっという間に視線から消え去るのは

ハイタカ同様である。

ハトと同じくらい小柄で、最近はカラスに襲われることが多くなり、

電柱の上でなく、横にとまって狩場を見通している。

飛び続けると、やはり何羽かのカラスに襲われるので

あまり飛ばなくなったように感じられる。

 

おっと!

コイツは春から縁起がいい、二鷹のベストショットで

験カツギを目指そうと決定。

 

ただし

エサとなるスズメの大群も、思いのほか移動するようで

わんさか居た群れが、ある日そっくり居なくなってしまった。

タカも小鳥たちも広い田畑に分散しているので、

やはりスズメたちを探すのが手っ取り早いはずなのに

どこへ行ったのやら、これだけの大群がてんで見つからない。

我が家を中心に、半径2キロ以内には居なくなったようだ。

 

帰省からこの方、田畑をただただ歩き、漫遊していたわけでなく

穏やかなとき風のとき、小鳥の種類、午前午後の陽あたり、

生えている植物、虫の飛び具合などを見て回っていたのだ。

 

とても風の強い朝、

ゆっくりとごはんを食べ、パソコンを開いてみる。

伊勢では一般に「やま」と呼ばれる、防風林の場所を

グーグルアースで頭に入れ、再び閉じた。

地図では、樹木のある場所を的確に示してはくれないから

衛星写真は大変に有用である。

 

ちなみに「やま」は人工林だが、竹や木の切り出し

養蜂、シイタケ栽培以外は、ほとんど人の出入りがなく

タヌキやキツネなど中型の哺乳類が生息する場合もあって、

周囲の田畑にくらべ、自然が育まれる場所となっている。

 

いよいよ防寒装備に身を固め

プロ用のバカチョンカメラと評する、EOS1D マークIIIをセットし

絞り込んだ川沿いの陽だまりへ向かうことにした。

 

前に進むのもままならぬ強風、予報の告げる「強く」という風が

全くその通りに吹きすさぶ時節を選んだのには理由がある。

 

暖かく、風のない場所に鳥たちが集まりやすい・・・

 

いたるところに住宅団地ができ、もはや川沿いくらいしか

散歩する人やペットが入らぬ場所など残っていない。

ここまで分かっていても、条件が揃った時にしか

タカの居場所が特定できぬのが、我が実力の辛いところ。

 

遠く、先に接近を覚ったタカが飛び立った姿に

慌ててレンズを向けるも、ピントが間に合わぬ・・・

プロ用バカチョンカメラも万能ではない。

小さな後姿では、どうも分かりづらい。

タカ類初心者だから、背中側を見ても区別がつかぬのだ。

トンビでないことだけは、シッポの丸みで分かる。

 

歩き続けると、上空に小さいタカが滑空している。

思ったとおり、ハイタカは川沿いの林で狩りをしているらしい。

気流が乱れないかと心配になるほど、無理な首のフリである。

脇のニオイでも気になっタカ?

 

昔の国道だった道が見える下流まで歩き、シギを見つけた。

どうやら白い斑点が見えるものの、タカブシギでなくクサシギのよう。

イソシギ同様、尾羽が長くないのに上下の尻フリが元気だ。

それにしても、用心深い小型のシギ類にしては

あまり本気で逃げないのは、よほど大切な食事場所ということか?

 

そろりと、もときた川辺を戻っていくと、

今度は、より大きな影がザッと音を立て、木立から飛び立った。

あ゛ー、今度は近すぎてピントが間に合わない。

先ほどのタカが戻ってきたようだが、このタカとカメラは相性が悪いらしい。

翼と胸のコゲ茶の模様から、ノスリである。

 

一昨年から、この場所にいることは見当がついていたが

流木が邪魔して行けなかった。

今年は流木の様子が変わり、行けるようになったのである。

小鳥を捕っていると思われるが、チクチクした草木の多い川辺で

大きなノスリがどうやって狩りをするのか、謎は深まる。

 

ピンボケについては、僕の深層心理も影響したのか・・・???

 

いきなり二鷹が、余計な三鷹になってしまったではないか!

てゆーか、トンビ入れれば、もう四鷹になった。

見タカ?知っタカ?と言わんばかり・・・

年明け早々、いきなりダジャレ・・・???

前にも言ったことのあるダジャレのような気もする。

  

すでに、行き過ぎタカ?とは感じたが

この後、島に帰ったところで一富士も三ナスビも予定がなく、

二鷹オーバーのタカ尽くしなダジャレまで到達したことで

新年の験カツギとしては、相応だったと納得することに。

 

厳密には

ハヤブサやチョウゲンボウはタカ科ではないが、

それでもタカ目の傘下にある。

新年だ、そおんくらいは、タカをくくってよろしかろう。

 

少し前、川沿いの林でチラと見たツミも、小さなタカだ。

五鷹ともなれば、もはやシャレなど思いつかない。

見ることはできても、めったに撮影できない貴重なタカ。

 

忘れていた。

少し離れた農業用の溜池には、ミサゴという魚専門のタカもいる。

(遠くて不鮮明・・・)

 

おぉー! いこうとおもえば、六鷹まで可能となってきた。

七鷹以上見つかれば、正に霊験アラタカ???の域に

到達できそうだが、それは無理そう・・・

 

あるいは、鳥羽水族館へ赴いたらどうだろう。

タカベ、タカサゴ、タカノハダイ、タカアシガニ・・・多少無理がある。

 

近所のガソリンスタンドで原油ダカとか、

スーパーにある好物のクワイが割ダカとか

そういうのを探すよりは、多少マシな気がしないでもないが。

ココまで行くと、その辺の三鷹さんや高橋さんでもよくなってくる。

 

そえいば、カシラダカという微妙?なのも居たっけ。

タカ目ではないが、頭のてっぺんが高いホオジロなら

かなり近づいた気がする・・・ 

 

もうすっかり

験かつぎだかダジャレだかわからなくなったので、この辺にしておこう。

島に帰ればサシバ、本家ハヤブサが加わるし、リュウキュウツミも居る。

細かく言うと、亜種チョウセンチョウゲンボウも加わってくるし。

 

霊験アラタカレベルも夢ではない・・・?

 

あそうそう、

不思議なことがある。

林の中や、人里の田畑に、小さな猛禽(もうきん)モズがいる。

友人にモズ博士が居るのに、モズの冬の食事を全く知らない。

猛禽というくらいだから、年中肉食と思っていたが、

冬は別のものを食しているに違いない。

虫も、トカゲ類もいない時分には、種子くらいしか思い当たらぬ。

 

まさか、

秋に作ったハヤニエや、陽だまりに舞う小さな虫では足りまい。

植物の枝や茎の中に潜んでいる虫を探し出すほどの

知恵者であるとも思えない。

でも、植物の実を食べているモズを見たことは、一度もない。

 

まだまだ身近な鳥にも、知らないことが多いものだ。

 

面白いことに、好奇心があるのか、

人の前に飛んできては電線や、木の枝にとまって振り向く。

セキレイのたぐいにも似たような行動があって

本当に好奇心なのか、夏の草地を歩くとバッタが飛び立つので

ついつい冬も寄り付いてしまうのか・・・こちらについても分からない。

 

そういえば、島に渡ってくるシマアカモズたちはとても神経質。

人影をみると、一目散にどこかへ行ってしまう。

 

島のスズメやキジバトはあまり逃げないが、内地のはすぐ逃げる。

生活環境の違いが、歴史的に積み重なって生じた習性こそ

M井君のモズ論述で使われていた用語「生活史形質」というやつか・・・?

 

一ヶ所で観察を続けても、分からないことは沢山ある

という意味に違いない。

 

そろそろ内地の冬鳥も生活も、量の多い食事にも飽きてきたし

自然どっぷり生活と、玄米粥が恋しくなってきた。

 

脳内的には、まだまだ回復していないようなので

今年も要らぬことを考えず、良い加減で生活していくつもり。


今年もいろいろありそうですが、よろしくお願いいたします。


ではまた