われ最短す

 


役場まで直線的に行くと、朝5分。

8時30分まであと7分くらいのとき

兼久集落の県道は、やや混雑するので

待たねばならなくなる。

非常にピンポイントな遅刻回避人類の混雑だ。

内地的にいえば、最低10分前に出勤し

始業のチャイムが鳴ったら仕事開始というのは

南国の常識とは違う。

 

5分前から始まるラジオ体操も無視して、

タイムカードで遅刻でなければ良いと思う向きが多く、

朝もしまりがなく、ダラダラと始まっていく役場である。

ラジオ体操は、頭も体も硬い向きには無理だが・・・

 

田舎も都会も放っておくと始末が悪く

だ〜だらだ〜な感じな上、愛想も悪いので

関係者以外にきくと地元の信用も

薄まっていく一方とのこと。

 

納税したくなくなるのも、分からぬでもない・・・

 

無礼な水道検針のオバハンなど、

持ってくると言っておき、一度も請求書を届けに来ぬ

相変わらずのウソブキ無礼ぶりだ。

請求書がなければ、使用量も分からないので

料金が払えないことも理解できない様子。

ちなみに、検針結果はノートにチビリとメモってある程度。

こんな物体が検針して大丈夫なのか?

適当に数値を書いて、検針したことになってないか?

 

このあたりのテゲテゲがつもりつもって

島は元気がなくなっている。

自分だけ何かやっても損だし・・・てな根性が

互いを加速して、集落中が何やってもだめだ症。

 

誰かが何かを軌道に乗せると、やっかみながら

自分も真似するという、分かりやすい構造になっている。

人間とは分かりやすくて、存外軽い生き物だ。

 

まぁ、どこまでいっても、たかが哺乳類だから。

 

脈絡はないが

想像通り、とてもシンドイ食べ物を買ってみた。

フリットレーの、いかめしコーンスナック・・・

島には、あきれるほどの、内地で売れないスナックが

特価で売られていることが多い。

というか、売れな筋マニアが天城町農協の仕入れに

居ると思われる。

 

ともかく、特価品という特価品を買うと

反対に壊れすぎて嬉しくなるくらい、絶望させられる。

今回のは口に入れられるが、和風キムチなどは

畑の肥やしにしても、毒が出そうだった。

 

ポテトチップの九州しょうゆ味も、その一員で

甘ったるい鹿児島のしょうゆで味付けされた上に

極まって大量な化学調味料で強化された

食べただけで、舌がしびれて、あとで何を食べても

感じない食品だ。

 

鹿児島の影響はすさまじく、徳之島の食事は

甘く、塩っぱく、舌がしびれる化学調味である。

 

それを濃縮したのが、鹿児島系の濃い口の極致

刺身用のたまりしょうゆであった。

さすがにこれは手が出ない。

 

味を付けるというより、甘いしょうゆ味を食べるために

んなにかにつけて口へ運ぶという存在である。

 

鹿児島ってスゲー、

やはり食材を全く無視して味を付け倒す

征服的な甘いしょうゆの由来を知りたくなった。

 

Oちゃんも、やたら文学的な遊びに近いような

文化人類学を学習する気になった心地にひたるより

こういった、記録に残らずとも、

確実に受け継がれた食文化の中に、

民族性を見出す努力が足りぬのでは?

 

所詮、学問上の文化とは男が作った文物中心で、

しかも断続的なものである。

 

食文化は、少なくとも途絶えてしまうことは有り得ない。

自炊しないが、外食もせぬという・・・Oちゃんの食事は

想像もしたくないが、食文化すら知らぬまま

うわべに学問を舐めて回る姿勢は、ちょっと気になる。

 

彼は学問「的」な行為にひたることが

すこぶる好みであるようだ。

 

型にはまることができない我が身とはアル意味対極か・・・

 

不思議なことに

友人とは、類が友を呼ぶとは限らぬ方が多いようで

とても付き合っていて、嬉しくなるし温かくなる。

付き合っていると、カチンときて意見してくれる友人が

いつも助けてくれる。

 

意見が違うのに、友人で居られる関係とは

たかが哺乳類の人間も、どこまで行けるか楽しみに思う。

 

上下関係でも、腕力でもない不思議な関係、

人間の社会性は、生物的には無駄に発達しているが

案外、生物の破滅を眼前にして、極端に違う方向へ

暴走し発達する気配を見せている気がする。

 

にしても、内地以上に舌が壊れる食品が多いのは

どういう影響なのだろうか・・・安物は味覚破壊兵器!?

 

島の生活がおかしくならないか

すこし心配である。

 

極めつけは、かつお麦味噌漬けのタクワンで

他の食品の味を、ほとんど感じなくなってしまい

気分が悪くなる味という、まっ逆様な感動ものだ。

怖くて、冷蔵庫の中に置きっぱなしになっている。

 

島の人は、安くて味の壊れた食品を食しているのか

あれだけ揃った悪食を活用しつつ、いかにも正常な味覚を

保ち続けているのか・・・食文化も謎は多い。

でも、老若男女を問わず、甘いものは異常にスキな島。

 

またまた

ぜんぜん脈絡ないが、NHK鹿児島に出た。

 

我が家はテレビも映らぬため

役場で放送を確認することになった。

冒頭・・・いきなり写真が出て驚かされる。

お〜♪ と声を出してしまったが、かなり嬉しい!

 

笑顔のきれいな鹿児島局の女子アナが

「奄美大島以外にもアマミノクロウサギが居るんですね〜」

という、さりげなく印象的なコメントを皮切りに、開始された。

 

クロウサギの印象は実感として、その通り・・・

徳之島にも居たんだ、知らんかった〜

という感じが、シミジミとにじみ出ている。

 

続いて、企画課長本人の提供、

何とクロウサギ観察初日にして撮影に成功し、

天賦の素質を発揮した映像が登場!!!

画面にある7月の、月の字の右下に映っているのが、

クロウサギが法面を登る黒い姿。

初めてで撮影とは、たいしたものだ。

情報収集し、機材をそろえて備えた姿勢には脱帽。

 

一方本人はといえば

「お〜使われたねぇ〜♪」と、たいそうご満悦。

 

彼は、クロウサギ観察小屋を仕組んだ張本人ながら

この企画で初めて自然観察に目覚め、ビデオを購入。

いきなりテレビ放映まで登りつめたのであった!!!

 

喜びようもヒトシオといった感じである。

 

「クロウサギ撮影の依頼が来たら、どうしようかねっ♪」と

冷静を装っていつつも、舞い上がり倒している感じが、

純朴で良い味が出ていて、映像以上に味わい深い。

 

行政にも、権力にも屈しない、毒舌家のMさんのコメントも

マイルドにまとめられていて、仰天!?

世界に誇るNHKの編集能力のスゴサに一同感動!

ま〜、ご本人は全面的に取材協力されたのに

露出時間が一番長いとはいえ、少々物足りなかったかも。

 

実は、僕がお願いしてつけた、クロウサギ用のコンクリ道。

県道の草刈費用削減のために、

近年まれに見るほどのクロウサギ頻出地帯へ

「狙ったように」不運にも施された法面工事。

 

せっかく工事いただいている

建設作業員の方々の意気込みも大切である。

 

壊すよりは、造り足す方を選んだのだが、

クロウサギにとってどう映るのか・・・

今後の観察に注目願いたい。

自然相手とはいえ、否定だけが前進ではないと思う。

 

ふいに出現するナゾの物体!

島の方々は思っただろう。

「なんだ!?、知らんぞこのハゲっ!」と。

 

夕方は額の照りが強いんだよねぇ〜。

照り照りノーメイクで取材したNHKの責任だろうけど・・・

 

こうしてみると、国籍不明アジア人だなぁ。

ちなみに、右側に見え隠れする、地元のK林さんも

かなり怪しいアジア人風味だから、まいっか。

 

シメはやっぱり、観光課長。

取材中は音声が入るから、皆一斉に黙して注目!

いやが上にも、緊張キンキンであった♪

 

けれど滞りなく、語り尽くすのは流石!!!

 

あまりに硬いので

取材陣(右のお二方)もヒトイキ入れる。

あ゛っ、緊張するわ〜♪といった風に

取材されていない一同まで、ほっとする瞬間であった。

皆いっせいに笑顔がこぼれた。

 

ほっとしていても、外は台風20号の嵐だったりする・・・

 

なんと、

移住してまもなく天城町のケーブルテレビに出て

7ヶ月でNHK鹿児島に顔が出てしまった。

横浜ではアリエナイことである。

 

あまりにも短期間で、

夢のごとく、島の方々との交流が加速するこのごろ。

のんびりとした島なのに、展開の速さに驚かされっ放し。

 

話や人のつながりが最短距離で進む

島時間に置いていかれないようにしないと・・・

 

不眠症が加速しない程度にだけれど・・・

 

楽しくも、お世話になりすぎて、

そうそうに島のペースへついていけそうにない

旧長男であった。


ではまた