兼久生活は夜が本番・・・

 


ま〜相変わらず、ヒキコモリ生活が続いて、なんもない。

なんもないが、気持ちは少しずつ普通になってきている気がする。

 

横浜方面のHMSや、S田さん、Kサクさんの無謀な夜間電話もあるが

実はその時、同時に当集落ではハブ出現で呼集がかかっていた。

 

次の日の夕刻、その件で大家のダンナさんが、ビール片手に

謝罪しに来てくれていた。

ま〜半分はビールを飲みたかったのだろうが、

新参者の僕へ、ハブ呼集をかけなかったことを謝罪とは、

有り得ないような気がするほどありがたい。

 

殺人生物、ハブの出現は島にとって、それほどの出来事なのである。

 

大家さんと話し中、集落の別のオッサンが軽トラでバックしてきて

無理やり意味不明な島口の会話で参加。

意味はなんとなく分かる気がするが、真意はくめなかった・・・

ただ、歯がないので、スルメが苦手だということは理解できた。

 

ここ兼久集落は、いまどきの集落にしては、ハブが多いようである。

すばらしい!確かに子供達には危険極まりないが

子供が噛まれたという話は、いまのところ聞いていない。

ハブとて、食べられない敵に、むやみに消化液を注入したりしないから

ではないだろうか。

ハブが居るところは、自然も豊かと思っていい。

ネズミ限定の豊かさ・・・だったら困るけど。

 

ともあれ、集落にハブが発見された場合、

集落全体が対応するのだと、大家さんは教えてくれた。

大人ならば夜中の何時でも、起きて対応するのだという。

 

ハブのデータは全てが命に関わるので大事なのだそうだ。

出現した場所、どこからきて、どこにいこうとしていたか

どのくらいの大きさで、誰が捕まえ、生死はどうだったか・・・

キチンと役場へ売りにいったか、に至るまで

人間の天敵なのだから、至極当然なのだそうだ。

 

山からずいぶん離れているのに、イノシシやハブも出るし

鳥類の分布など山間部そのもので、アオバトにヤマガラ、

アカショウビンに夜のコノハズクなど、変に普通である・・・

 

この集落に来てしまったことは、大自然の陰謀?呼び声?

のようにも思う。

 

ついでに、縁側の電気をつけっぱなしにしておいたところ

シークニン(徳之島のシークワーサー)の木に黒い影が・・・

珍しく中の大くらいのアゴを持つノコギリクワガタ。

トクノシマか、リュウキュウか分からぬが、立派なクワガタだ。

島は朽木の栄養が少ないのか、小さめのクワガタが多い中

これは健闘していると思われる。

 

撮影中、ぶ〜ん!と、人の名を呼び捨てにするような

ナレナレシイ羽音が。

 

うっとうしいので鉄槌をくだしたところ、

落ちたカナブンに、すかさずネズミがかじりついた!

なんちゅうリアルタイムな食物連鎖・・・

 

アチコチにあった糞と、

夜な夜な網戸の外で聞こえる謎の声「チッ、チチッ」が

一挙に解決したのであった。

鳥か虫か、ネズミの可能性があったが

移動が速いので鳥かネズミだろうと予想していた。

まさか目の前に現れ食事をしようとは・・・

 

ジャコウネズミは目があまりよくないのだろうか、ちょっと動きが鈍い。

ブロックの隙間から様子を見て、おっとりしたところがある。

しかし背景を見ていただきたい。

なんだ?この壁画は。

縁側のブロックで隠されてはいるが、確かな筆づかいの絵である。

我が家のブロックは、何かを封しているものばかりなので

その夜は慎重を期して、現場保存しておく。

 

あくる朝、ブロックをそっとよけてのぞいて見ると

1977年、鹿児島市中洲小学校の卒業文集が出てきた。

壁画ではなく、表紙だったのだ。

 

計算すると、僕と同い年のようである。

あるいはこの文集が、僕をこの家に呼んだのだろうか・・・

読むべきか、読まざるべきか、とりあえず元に戻しておく。

自殺物件との関連はあるのだろうか。

 

だんだん夜の音にも慣れ、毎日一、二匹程度ヤモリをミネウチにし、

我が家から退散いただいているためか、鳴き声も減り、

少しずつ睡眠時間も延びてきているのは幸いだ。

 

あぢ〜季節だし、ウニも解禁なので、そろそろ海遊びに出かけて

夜はぐっすり眠れるようになりたいものである。


ではまた