家探しの遠き道のり
コドモドラゴンにやられた!と思ったら
いきなりオトナドラゴンを通り越し、大賢者登場!
なんと、伊仙町町長にお会いし、家の相談をすることができた。
役場のすぐ近く、県道沿いの庭も大きな家が空いているという。
実は町長、大久保氏は通称大久保先生で、徳州会病院の医院長。
伊仙町の町長というので、もっとゴッツクて恐い人かと思ったが
とてもほがらかで柔軟、知的で、しかもリーダーシップのある人のよう。
こういう人が国会議員になれば良いのでは?とも思うが
伊仙町町長だからこそ、伊仙町は安泰なのではないだろうか。
でも、お会いしたとき、なぜか風邪で声がしわがれていた。
話がどえらい方向に進んで、ちょっと当惑ぎみであったが
直後、とんでもない大トラップに遭遇するハメに。
コドモドラゴンが撒き散らしたアシッドスプラッシュには
どうやらインフルエンザが混入していたようで、いきなり高熱。
診療所は一人の医師で運営していてテンテコマイだったため
頭がガンガンしたまま一時間ほど放置されてしまった。
徳之島でもインフルエンザが流行の兆しのようで、小学生も
来院してきていたが、車で待つように・・・と指示されていた。
子供だけに辛そう・・・こっちもオッサンながら、辛いんだけども。
検査の結果、僕のはA型であった。
大久保先生と、しっかり握手していただいたが大丈夫だろうか。
放置されている間、窓の向こうにサシバが羽を休めていた。
天城町役場の方にも、徳之島町まで家を案内してもらい
同じ車で回ったのだが、彼にも感染していないだろうか・・・
インフルの猛威はすさまじく、最高39.5度。
不眠症なので、ここ数日、移住や家探しの不安、キチン宿の
薄布団などで眠れず、あまつさえ山海荘の寝具は
肩口がスカスカで、一発発病という条件がそろっていた。
南国は初夏から秋を外して訪れてはならない事は知っていたが
那覇も徳之島も同様だった。
加えて不眠症は免疫力を低下させているようにも思う。
何しろ、パキシルという薬剤が効くということは、やっぱりウツを
持っており、精神的な抵抗力も無い状態だったのだ。
ウツでない人に、気分を良くするよう飲ませても利かないそうだ。
まー副作用が凄まじいから、それ以前にオススメ厳禁だが。
ともあれ
山海荘のオバチャンは、いろいろ良くしてくれ、
三食のお粥と、病人には食べきれないのでは?と思うほど
充実した食事が出てくるので、とてもありがたい。
食欲がないと思っていても、食がすすむすすむ!
(夕食は病人には豪華すぎ?)
定宿というのは、やっぱりこういうところが有難いものだ。
今回は、アマミノクロウサギの研究者たちと合流し
いろいろ情報交換するはずが、同じ屋根の下で隔離状態。
というか、自分で閉じこもっておくことにした。
熱があるときというのは、熱さと頭痛で眠れない。
治っているのか、不眠が進行しているのか良く分からない状態。
タミフルの効用か、熱は二日で小康状態になった。
家探しの最中、初めてハリオアマツバメを目撃したのに
探しにも行けない。
羽を広げるとハト並みの幅がある巨大なツバメのような姿。
アマツバメは、ツバメではないが、姿はそっくりである。
宿のオバチャンは、明日はまだ外に出られない?と
コドモのようにせっつくが・・・40度一歩手前まで高熱を出し
次の日の一日で回復し、三日目には外を歩けってか!
ちょっとオバチャンも壊れている、歳かなぁ・・・
多分、病的な宿の印象をいち早くふりはらい、
健康な客と同様に、自慢の料理を大量に食べさせたい欲望に
駆られているのではないかと思うのだが、かえって仕打ち。
40度近い高熱がどれだけ心身を消耗するか・・・
しかも旅の前、旅の間、インフルの間とほとんどまともに
寝ていないのだから・・・どれだけ言っても不眠の凄さは
伝わらんもんだ。 眠れる人には一生分からんのだろう。
それが一番幸せだ。
インフルエンザで寝ている間、アチコチの家を思い考えた。
いろいろ考えるに、どこも捨てがたく、決めにくい。
けれど、どこか決定打に欠けるようにも思う。
そうこうしているうちに、薬もないのでウツが少々悪化。
不安だけが大きくなりすぎて、インフルエンザ以上に
食事が摂り辛くなってしまう。
少し回復したので、鳥の撮影をして気を紛らわすのだが
その程度では根本的な解決に遠く、気は晴れぬ。
ただ時間だけが過ぎていき、移住への気持ちが萎える。
困った、徳之島でなければ、どこへ行くのだ???
意に反して、鳥は思ったより多い。
庭先から山の中まで、ウグイスとシロハラだらけだし、
干潟にはクロツラヘラサギや大型チドリ類が羽を休めてい、
洗濯物の番をしていると、外来種シマキンパラの群れが
裏山にやってきて草の実をついばむ。
島のアチコチにサシバが舞い、よくよく見ると冬のハヤブサ
チョウゲンボウも混じる。
うーむ、やっぱり徳之島は素晴らしい。
島の人は「何もないけれど、ゆったりできる島」だというが
僕にとっては「自然の百貨店」で、油断のならない楽しみだらけ。
島全体が、自然全般を取り揃えた、自然観察の24時間コンビニ
みたいなものでもある。
何か見たいなぁと思えば冬でも24時間どこかで何か見られる。
今回は天城町役場のYさんも全面協力してくれている。
いつぞや約束をすっぽかされて、とんでもないオッサンだと
思っていたが、天城町だけでなく、徳之島町の家も探して
段取りしてくれたので、地元との交渉はすべてお任せすることに。
やっぱり地元の役場の方が間に入るとスムーズさが違う!
島口(しまぐち)で話をしないと通じないことも多い。
島口は修飾語が少なく、ストレートに話をするのが良さだという。
移住先の第一候補は徳之島町に決めた。
島生活初心者にやさしい集落だと、島人が口をそろえる集落だ。
問題は来月にならないと、大家さんが奄美大島から戻ってこず
直接交渉できないことだが、YさんとOちゃんが交渉にあたって
くれることになったのであった。
これでようやく横浜へ戻って、引越し準備をする目処が立ち
移住予定は2月末日。
時間はたくさんあったので、わりあい多くの人と出会って
思いの外、パソコンが動かなくなったり、買ったものの
ネットにつながらなくなり、困っている人が多いことも分かった。
役場ではハードディスクが破損しているものも診断した。
こちらは、使えるパソコンだったので、よく使われた結果だ。
伊仙町長ご本人もADSLが動かなくなり、診断にお邪魔したり
徳之島の集落に住む、さる奥さんは、年賀はがきを作りたいが
島一番の町まで通いパソコン教室で教わるが、すぐ忘れるという。
無理に使う必要はないが、あるのに動かないのはもったいない。
携帯電話で済む事もあるが、文字が読みやすく
画面が大きいこと、パケット代がかからないことも大きな魅力。
ちなみに、AUでもドコモでも、ボタンと文字が大きな
ラクラク何とかみたいな携帯電話をよくよく使われている方が多い。
それと、若手にはソフトバンクのiPhoneも人気のようだ。
パケット代が安ければ、もっとパソコンみたいに身近な
道具になるのだろうと思うが・・・
プロバイダー接続の面倒な操作が必要ないことは
とても大きなメリットで、困っている人は全国同様だと思う。
iPhoneなどドーデもいいから、孫社長、何とかして・・・
ともあれ、何とか家は見つかりそうになってきた。
海にも山にも、人にも一番近い集落に住めれば最幸だ。
(海も山も人も優しい母間集落)
近くには写真愛好家の島人も多い。思った以上の凝り様。
釣り雑誌にケンミ君を連載中の漫画家、泉さんとも知り合った。
こうなると、まったく退屈する暇はなさそうで、楽しみである。
釣りに関しては、今年はミズイカのシーズンが遅れているようで
内地で流行の道具立てで頑張る姿をみるが、釣れてない・・・
水温は20度弱くらいのようだが、魚の動きは鈍くて
冬は魚のオフシーズンみたいな感じである。
リーフの浅瀬の水が、北風に冷やされて、沿岸の魚が
ほとんど深場に逃げ込んでしまうようである。
(夏は夏で温まりすぎてお湯になり、逃げてしまう・・・)
北風が強く、そぼふる雨の日が多いので、南国なのに寒くて
コタツを常備する家も多い、意外に冬のある南国の島。
さーてさて、意外だらけの南国生活が、いよいよ始まるのか、
始まらぬのか・・・来月になってからのお楽しみ。