日吉の商店街にいらっしゃい

 


長男が横浜の日吉本町に住んでいるのには

ちょっとしたワケがある。

グローバル企業だの、大手だのと呼ばれる会社は

とかく地元に税金だけを支払って、社員は地場のことなど

頓着していない。

 

たまたま、前に勤めていた会社の社宅があっただけだが

それでも商店街の人たちと顔見知りになってきた。

 

相変わらず、お隣さんも下の怪しげな母子家庭とも

何の交流も無いが、それでも商店街では声をかけたり

かけられたりするようになった。

 

素直に嬉しい。

 

ことぶきや酒店、ヤオチュースーパーに、ホワイト急便&お茶屋さん、

床屋のダンディーズ・・・たった4店だったが

角の八百屋さんが加わった。ツバメが取り持つ仲であった。

 

長男は鳥好きである。

ツバメが宿るお店は、人にも優しいお店に間違いはない。

「ツバメが宿る商店会」とか「ツバメ支援商店組合」なんてのを

作ってはどうかと思う。

 

ツバメを、特に店内や屋内で営巣させてあげるには

様々はノウハウが必要なのだそうで、そういうコミュニティがあっていい。

ツバメのヒナは巣の外に用を足すので、八百屋さんの店内に

営巣させるのは極端に大変なようである。

 

落し物よけに、傘を逆さにつるしたり、ダンボールだったり、

お客さんへの札を書いたり、カラスよけの糸を張ったり

蛇よけの土台を作ったりと、大変な工夫をされている。

 

朝早くにシャッターを開けたり

休日もそこだけシャッターを開けてやったり、

おっこちたヒナを巣に戻したり、まーいろんな事が起こるという。

 

この夫婦は、繁殖するにはとても若い。

若すぎるくらい、出来ちゃったにも程があるくらい若い。

春先に東南アジアで育ったのだろうか?

コシに産毛が残った夫婦である。

 

この若夫婦が、また新たな子供達をたくさん育てられるか

見守っていこうと思う。

野性の力なのか、人の力なのか、そんな小さなスケールは不要。

彼らがいかなる環境でも生きようとする姿を間近で見ていれば、

ジタバタする今の我々の姿が見えてくるような気がする。

 

もっとたくさんのツバメがやってくる商店街になってほしいが

近くに川もなく、トンボすらいない日吉。

田畑もほとんどないし、虫も少なくなったから、鳥も少ない。

人間すらも住みづらい場所でツバメが暮らすのだから

長男も少しは頑張らんといかんかもしれんと思う。

 

田畑が、食べ物の生産地が近くにないってことは

災害に襲われたら食料が真っ先になくなるってことだ。

つくづく人間とは危機感の薄い生き物のようである。

 

こうして見守っているのか、見守られているのやら・・・


ではまた