オクライフ
毎日、いろんなものを食べている。
同じサバでも、近海産、北欧産もある。
メロンパンに至っては、イチゴ味なんてのまである。
メロンパンのメロンという言葉を無視すれば美味しい。
が、それは徳之島黒糖味の伯方の塩みたいなもんだ。
美味しさと商品性が全く噛み合ってないっていうか
まずメロン味ありきではないのか？？？
なんでこの時期、余ったハウスイチゴをふんだんに使った
メロンパンなのだろう。
グレードダウンしてどうすんの・・・不思議なご時世だ。
確かにエコかな？余剰物資の有効活用だ。
一方、我が家では
つい買ってしまうオクラを活用せねばならなかった。
オクラかつおパスタも登場だ。
せっかく開拓した、味気ないペペロンチーノの
香り高い和風な味わいなのだが、麺類も値上げに見舞われ
僕達庶民の味方であった食材たちが
開発したはしから遠ざかっていく。
今更、
金銭優先社会の食料自給率を
問いただすなど無意味なこと。
これまで安価であった麦焼酎も麦酒も値上げに向かうだろう。
その連鎖は、米や芋、穀類全般に至るに違いない。
そうすると、酒飲みどころか、主食が危ない・・・
なんて事は、言い古されて片腹痛い。
人類は、自分で生み出した、架空の価値、
金銭によって、自らの生きる術を失い、瓦解するのだろう。
命以上の価値、人身売買をしたときから、
すでに瓦解は始まっていた。
面倒なことに、それは子孫になるほど
苛烈にのしかかること。
先輩方の良かれと思ったアサハカな
否、当時はそれでもがんばりはしたが
考察したかは怪しいと思しき自壊行為を
引き継ぎ続ける宿命、それが生物。
繁栄し、そして衰える。
盛者必衰の理をあらわす・・・ってやつだろう。
だが、我らが盛者なのかどうかは、まだ決まってない！
気合だ。
要は死ななきゃ続く命なのだから
気合で生き残れば良い。
従って、オクラはまだまだ展開中だ。
メバチの赤身も漬けにすると、まろーんと
トロミが出る。
要らぬ脂分がなくとも、マイルドで美味い。
そこへ、オクラのヌルミが白ネギの勇み足を
ほどよく丸めてまとめてくれる。
漬けのタレには唐辛子をピリリと効かせてあるので
まろーんとした舌触りのあと、きりりとした
ネギの香りと唐辛子のほのかな香りと辛味が
アツアツご飯とともに、ほっぺたの奥底までしみこんでいく。
ちなみにメバチマグロは、二品５００円の
日吉の隠れた名店、ヤオチュースーパーの
魚屋コーナー名物の夕方タイムサービスでの獲物である。
今日食べるお刺身と、明日食べる漬けの材料が
調理済み（お刺身状態）で５００円は安い！
飲み屋だと一品８００円以上で出てくる品ばかりだ。
それが二品で５００円・・・
一見すまして気取った日吉の下町にも、
人情はしっかりあふれている。
ちなみのちなみに
この時期のオクラはもちろん輸入物。
運が良いと、黒ずんでいない青々としたフィリピン産が
二袋１８〜２０本、１５８円くらいで手にはいる。
目をちょいと肥やしておけば、近くのスーパーや
あまつさえ、高価だと思われたデパ地下やデパ食売り場を
けっこう楽しく散歩できるんじゃなかろうか？
それは物の本を読んでも手に入らない眼力。
何気なく通い、それとなく眺め、ふと買ってみる・・・を
繰り返しているうちに、体が勝手に覚えるに違いない。
なるべく少なめに、なるべく一品だけ買ってみるのが、
ちょっとしたコツかもしれない。
長年、本当に２０年以上、自炊の道を歩んできた長男の
わずかな贅沢、ほんのわずかな経験値だが
物価相場も、世相も、ひそかにうごめく町内事情すらも
問わずとも飛び込んでくるようになる。
地域に生きること、大げさな言いようだが
スーパーや小さな商店街にも、ずいぶん情報網はあるものだ。
そりゃそうだ、しろくじちゅう町内で店頭で品々を売っていれば
自ずと情報も集まってしまうのだろう。
食のあるところ、情報あり。
特段、情報が欲しいわけでもないが
同じ町内の情報くらい、知っておいてもよかろう。
そういえば、納豆とからめたオクラも
カツオ節を仲人にしてアツアツご飯にかけると
ずいぶん美味い。
極めつけはやっぱりシンプルに
ゴーヤとオクラのかつお節和え。
なんなら、オクラとろろをオススメする。
すりおろした長いもに、オクラをすりおろして混ぜ
しょうゆと粉かつお節かカツオだしの素で調味して
アツアツご飯にかけて食べる。
麦とろにもいいよ。
オクラはヌルミがあって、マイルドで栄養豊か。
主食には程遠いが、なんかスープに入れても
麺類に入れても、ご飯にかけても、サラダで食べても、
そのままマヨネーズつけて食べてもイケてしまう。
あの緑と白の六角形が食欲をそそる不思議な植物。
まだまだ可能性はありそうだ。
オクラ料理専門店でも考えてみるか・・・？