風が止まるとき
伊勢の実家の周りには、まあ・・・何もない。
田んぼの真ん中に残された林を切り開いて作られた集落。
なぜ残された林だったのかは知らぬが、回りは全て田畑だ。
竹林だったから、残ったのかもしれない。
いろんな意味で・・・
小自然と民家がポツポツ、旧国道が走り、
不思議と、スーパーに100円ショップ、パソコンショップに
なぜか、国際秘宝館てなものもそろっている。
だが、ほとんど田んぼだ。
自然にあふれているわけでもない
里山というような、山もない。
ただただ茫漠たる田畑の大地が広がるだけであった。
ただただ・・・なのだが
だた単なる田んぼでもない。
そこに見えているのに、
用水路も、あぜ道も犬の散歩も、野良猫も来ない
人の生活とも隔離された冬の広大な田畑がある。
子供も遊びに来ない、冬の川もある。
冬の暖かな日差しがあれば、虫たちが飛び立つ
田畑には、捨てられた白菜の外の葉や
人知れず刈り取りのあと、二度目に実った稲穂もある。
つい
来る日も来る日も出かけてしまう。
あんまりウロつくと、せっかく静かな生活を送る連中の
邪魔になるので、一日一回行くだけにしている。
楽しい。
夏はに繁殖期で派手に鳴くわりに、かなり警戒しているセッカが
怪しげなおっさんの様子を見に、すぐ近くまで出てくる
出てくると思えば、引っ込む。
油断していると、すぐ近くまでやってきて、また僕の様子を見る。
多分、立ってないから、親和できる。
人間は、立つべきときだけ立つ。
あとは生きたいようにしていたらいい、それが自然だと思う。
だからセッカも、自然に合わせた長男に興味を示す。
自然は折り合いではない、競い、殺し合い、食い合いだが
常にそうではなく、歩み寄ることはできる。
ライオンだってヒマなときはインパラにカラカワレてしまうし
傍若無人なカラスでも、さすがに夫婦一体となった
ツバメの巣を守る攻撃にはあまんじている。
冬の日差しをまどろんでいるセッカも
ちょっかい出してくる変な長男には油断してもおかしくない。
いや可笑しい?
ともかく普段見られぬ美しい鳥が出てくるメソッドを
ひょんなことから発見するというのは
快哉を叫びたいほどの感動がある。
(セッカの得意技一文字づかみ!)
手前のススキが邪魔だが、こんな姿がセッカらしい。
基本的に動物は好奇心旺盛なものなのだ。
長男も、セッカもちっとも変わらん。
(ちょっとブレてる・・・)
もう5mを切っているところまで寄っているのに
背中を見せずに、こちらを見ている。
セッカの度胸と好奇心には、骨があるぜ!
残念ながら、雌雄同色なんで、オスだかメスだか分からぬが
なっかなかやるじゃないか。
あんまり居座ると
セッカの居場所を危うくするので退散である。
ふと田んぼを見ると、なぜかタヒバリが
アゼのコンクリに乗っている。
タヒバリはほとんど目立つところには出てこない。
なーんか、歩き方も習性もセキレイ風だ・・・
と思ったら、セキレイ科だった。
とはいっても
タヒバリにしてはいさぎよくマユが通っている。
図鑑的視点で判断すればタヒバリだが、これはビンズイでは?
モズ博士Tよ、どう思う???
実家をはさんで南側jにある、カワセミが行方不明の川へ。
ここ数日で、鳴きまねをマスターして、鳴き声の主(長男除く)が
姿を見せてくれるようになった。
別に慣れたわけじゃなくて、怒っているか、混乱しているようだ。
川のズイブン手前、家のすぐ近くの林にいるジョウビタキ。
鳴きまねすると5分以内にやってきてくれる。
(やっぱりメスが寄ってくる)
さて川に到着して鳴きまね開始。
といっても、舌打ちの音程を変えたり強さを変えるだけだが
強く太いのがウグイス用
細く高く鋭いのが、ホオジロ科のアオジ、ホオジロ、カシラダカ用
「た」と発音する感じで舌打ちして「たったったったったったっ」が
先のジョウビタキ用であった。
10分くらい粘っていると、茂みが騒がしくなり
アチコチから鳥たちが集まってきた。
最初に騒ぎ始めたのはウグイスだったはずだが
ウロチョロしはじめたのはアオジ。
(これまたメス)
ふと後ろの枝にジョウビタキのオスが飛び出してきたと思って
逆光補正の調整をし、ファインダーをのぞくと
アレ?鳥が大きくなってる。
(モズ博士T鑑定、シロハラ)
初めて見たので、思わず見分けがつかず、モズ博士Tに
正月早々鑑定をお願いしてしまった・・・すんません。
で、ジョウビタキは対岸、といっても数メートル先だけど
小さなヨシ原へ突入してゴソゴソしていたと思いきや
給水・・・って結構くつろいでるじゃん!?いいのそれで
いいんですか?正月は逃げなくて!?
パシャパシャと鳴るシャッター音には気づいていて
チラチラこちらを見るものの、動かないためか平気みたいだ。
で、護岸にへばりついて生えている潅木の中で
ヂャッヂャッとずっと鳴いていたウグイスが、チョロッと出てきた。
(小さめなのでこれまたメスかも)
それからまたすぐ茂みの中へ。
野良猫がうろついているから、すぐ逃げ込むのかもしれない。
こいつがカワセミを食ってしまったのかも知れないな・・・
とまあ、正月は伊勢神宮の初詣と鳴きまね大会だった。
集音マイクまで購入したのに、やっぱり鳴きまねが好きである。
川からの帰り
もう一度、たったったったったったっとやったら
遠い木立の中から、手前の木にやってきた
メスのジョウビタキ。
やっぱり鳴きまねは本物である。
タマタマ寄ってきたのではない。
この調子で今年はどんどん鳥と話すか?
しかし42歳を迎えようとするのだから
少しは思う女性と話すほうを考えた方が前向きさが、
より前向きなような気もする年初であった。
にしても日本は苦しい国だ。
政界も国民もそろって茶番を演じて見せる演技力。
対テロ対策で燃料補給など、意味がない事は分かりきっている。
が、根本的な対策はゲシュタポやレジスタンスのような活動であって
そういうことはアメリカ、いや中国かインドの有り余る・・・
単純に金で動く人民に任せておいて、燃料代だけで済ませる。
それをあえて政党政治の末期症状でお茶をにごしてみせる・・・
日本人は賢いもんだと思う。
対テロの本質を語らない首相、偉いもんだ。
あの老いぼれた脳で考えられる限界を超えた作戦だ。
このシナリオを書いたヤツは大したもんだ。
日本人という現象を操る技前、まったく大したもんだ。