改造の行方
木をつかって細工するのは久しぶりだった。
そうした生活の余裕というか
気持ちの余裕がやっとできたようだ。
そのまえに
ふと思った。
桃太郎が、まさか岸辺太郎だったらどうしたろうか、と。
意味はまったくない。秋の宵の帰り道、突如そう思った。
時は中世
静岡の狩野川中流で洗濯をしていた
子宝に恵まれぬ壮年奥様の前に現れた巨桃。
みなぎるお徳感に背中を押され、やっとの思いで持ち帰る。
包丁を入れかけた瞬間、赤子の声が聞こえ、
手元の力が抜け、中に赤子がいることを覚り
そっと切り開いてみると、やはりそこに赤子が・・・
とりたてて、額もアイデアもないご夫婦だから
名は当然、太郎と決まった。
集落では太郎という名は多かったから
どこぞの太郎と呼ばれる事になるのだが
川岸の家に拾われた太郎は、岸辺太郎と呼ばれることに。
モモから生まれた事は伏せられ、親戚の子を預かったと
偽っていたが、いつしか事実は集落中の知るところとなる。
モモから生まれたとなると、ただでは済まぬ。
イジメというか、差別というか
いたたまれぬ状況に追い込まれる太郎。
どうする、どうする太郎!
世間に反撃するための修行のために、こともあろうに愛鷹山へ
足柄山の近所とも知らずに引きこもることにした。
山の動物や、自然に鍛えられ、テリトリーを広げていくと
時を同じくして山に遊ぶというか、山的幼稚園状態の
金太郎と出会い、男と男の闘い、テリトリー争いとなるのだ。
互いの実力は互角、村人も実力を知るところとなるが
同じ太郎だが、片や金を冠しており、自分はただの太郎・・・・
どうしたものか、育ての親がくれた名に疑問を感じる年頃。
後にキントキになるのを知らず、焦る太郎はどうするっ!
周囲には
田辺の太郎、林の太郎、山川の太郎、山田の太郎など
太郎にあふれていた。
激しく、厳しく、過酷なファンタジーが、展開している。
結末は、面倒なので考えないことにしようと思った。
すると、もう一つ思いついた。
朝ごはんのフランスパンが切れたので
今朝は日本食にしよう・・・でも、インスタント味噌汁では
味噌味のお湯にかすかな具が舞うだけである。
そうだ、そうだったのだ、包丁さえあれば
お豆腐を半分手のひらでカットして、沸かすお湯に入れる。
それだけでヘルシー&ボリュームアップ!
本格味噌汁になってしまった。
ついでにカツオ節をかけると、かなりイイ感じになるが
インスタントにそこまでしてやるかはお任せする。
(赤いのは一味)
おー、豆腐を入れたお湯を沸かすだけで
本格っぽい味噌汁になるのかぁ、なかなかだよ、これは。
沸騰するのは早いが、案外豆腐の中が温まっていないので
沸騰後火を止め少し置いて、
再び火を入れ再沸騰手前でいただくのが良いようだ。
小さな感動に満たされた朝食であった。
グリップは桐のまな板産、ラッカーをタップリ何度もコートし
防水処理と、表面の強さを増した。
元デザイナーが、なんで違和感のあるツギハギ木目で
ラッカー仕上げをしたのか・・・と思われる向きもあろう。
レンズと同じ白にするにしろ、グリップ材の黒にするにしろ
木はデコボコが多くて、目止め(パテ埋め)をしないと
きれいに仕上がらない。
だが、
自然のなかでつかうのには、ざらざらとか不規則が有利。
だったら、木目そのまま、デコボコそのままに
透明ラッカー仕上げが相応しいと考えたのだ、
楽だし。
(手のあたる部分はマウス用のプニ素材)
またまた百円ショップで手に入れた
スポンジ両面テープでレンズへ固定する。
多少寸法のズレがあってもスポンジの厚みが助けてくれるから
接着力も落ちずにしっかり固定できる。
昔からラジコンにはこの手が使われてきたのだ。
やっといて良かった、ラジコンっ♪
残るは、このハイビジョンカメラのアングルが
カメラと合ってない・・・ということである
アングル金具を削るのが早そうだが
さてと、どうしたものか。
改造にはキリがないなぁ。