ちっこい夢の

温め方

 


体調が悪いとき

食べ物が食べられないとき

仕事が苦しいとき

お小遣いが少ないとき

年金が、保険が払ってもらえないとき

暑くて外へ出る気がしないとき

 

そんな時は、間近な夢を作っておく。

手近でも身近でもない、マジか?なような

間近に迫る、運しだいの夢を作っておく。

 

治ったら、達成したら、たまったら・・・

きっと何かが待っていてくれる。

 

そう信じて苦しい時を過ごせるように

小さくも大切な夢を作っておく。

 

あんまり欲張ると、かなえられなくて空しくなるので

一歩手前でイケそうなネタを用意するのがコツである。

 

だが、長く寝ていたりすると

ちょっと暴走したことに気づかないこともある。

それでもま、夢はあるに越したことはない。

 

今は

徳之島で

500mmレンズを使いアカヒゲ(小鳥)を撮ること、

美味い魚カスミアジを釣ること・・・

である。

 

質も量もさして問題でなく

存在すること、願い続けられること

とりあえず、その時が来れば、

その場に行けば何とかなる・・・のが大切である。

 

人間、今がうまくない状況におちいることは良くある。

でも、どんなに小さくても希望があれば

案外いつの間にか乗り越えられるものだ。

 

気持ちいい曲を聴くのも良いが

その曲が苦しいときの気持ちだけを再燃させる

心のトリガーにもなることが多く、ちょっと控えている。

 

ともあれ

梅雨は晴れずとも、セミは羽化し、夏休みに突入している。

 

徳之島はとっくに夏だ。

ガンガンに暑い夏である。

一匹しか釣れないまま、4年目突入である。

黙っていても時は経つ。

 

ちっこい夢でも、夢は夢。

10年かかって南大東の磯が、なんとなく分かったのなら

徳之島はこれからである。

当然、時が解決してくれてもオカシクなさそうである。

 

こういうときは

信頼できずに眠っているルアーを使うに限る。

強いて言えば、夢の再利用・・・リサイクルの時代にぴったりだ。

 

イマイチ信用できない、メカ音痴社員が集う

サンPイオリジナル「ニモ」?カラーのガーラポップである。

南大東の海は深いので、こういうのが泳いでいない。

が、徳之島はありだと思う。

いや、ありであって欲しい、いやあるんだ!

 

だが、ニモでカスミアジが釣れるのか・・・

メカ音痴釣具屋集団、Pンスイのオリジナルと聞くだけで

むくむくと信頼が薄れ行くところが、尚はかなく魅力的だ。

こんでも、結構高かったんだと思うので

寝かしとくよりは建設的である。

ニモはカクレクマノミで、奄美以南に分布し、

名前の由来は海底二万里のネモ船長らしいが

カスミアジとは何の関係もない。

そんなんで釣れるのか?と思えるところが

勢い、確率を高めることになる。

 

やる気の起こりにくい、殺意が生まれないルアーほど

実に威力があるのだ。

 

実に安直な夢であるが、暑い中

なぜか効き過ぎ気味になりがちなエアコンを背に

女性社員と我が身も同様に夏風邪ともなく咳き込みながら

仕事をする毎日を、価値あるものにするには

じゅうぶんなイカサマ仕掛けである。

こんな馬鹿げた仕掛けが釣れるかどうか

いや釣れたら、長男はナカナカ釣り上手かもしれぬ。

ちっこい夢は、そんなもんで十分である。

 

しかしながら

やっぱり、こんなリサイクル一個では、ちと寂しい。

 

もう一個は、人生のレベルアップくらいの重みがあっていい。

500ミリレンズを素手で使えれば、それはそれで面白い。

デッカイレンズはぶん回す事に意味があるってか

意味が出る。

 

写真というのは面白いもので、止まって撮ったものは

動きが乏しく、動いて撮ったものは動きがある。

 

(コゲラのオス、後ろ頭の赤い羽根が写った)

まだ、ぶん回せていないので、写真が妙に止まっているが

これからが楽しみである。

が・・・結構・・・重いぜ・・・

単純に重いレンズになれるだけの腕力をつけたい・・・わけだ。

 

これで、徳之島の林道に潜むスバシッこいアカヒゲが撮れたら

それはそれで第一歩だ。

朝夕の空いた時間、通勤途上を活かして鍛錬するカイがある。

プロだって500mmを素手でぶん回せる人は、そういない。

 

こんな具合に、生活の小さな山坂(やまさか)には

ちっこい夢が良く似合う。

 

半分は他力本願、半分は必ず自分が何かする。

ここが肝である。

時が過ぎたとき、必ず自分に何かが残る。

なんもせんと待つだけでは、結局むなしく待つだけになる。

どのようなキッカケであれ、必ずなにか身に残す。

物を残したり、シコリを残さぬように、必ず何か自分でやる。

 

動く、覚える、見る、聴く、嗅ぐ、触る、味わう・・・

それらを組合わせて、なんか感じる。

人間には少なくとも6つ以上の能力がある。

5つの感覚だけだと、単細胞と同じ条件反射だから、

もう一個以上使わないと、文字通り単細胞生活だ。 

 

大切な感覚や肉体を使わないと、ココロが満足できない。

だからして

必ず自分を使いながら、小さな夢で遊ぶことをオススメする。

デッカイ目標は挫折しやすいが、ちっこいのなら果たしやすい。

帰り道を、少しだけ見たことない通りを毎日違えて帰る・・・

そんなのでも新しくて楽しい。

 

夏の暑い今この時分には、

ゆるめに、このくらいで十分と思う。

 

追伸・・・

虫には向かないと思ったのだが

実験では、500mmレンズ+1.4倍エクステンダーで

都合、35mmフィルム換算1120mm・・・正気の沙汰ではない・・・

けど、マルムシ(ダンゴムシ)も写る!

(黄色の斑はメス、向こう側はオス?共食い?)

絞り優先F8、シャッタースピードが1/160秒なので

本来なら手ブレ補正でも制しきれないような状況のはずなのだが

手ブレせずに結構写せるのが不思議。

 

イケるかもしれない・・・

徳之島の森の中は、はるかに暗いけど・・・

デッカイ道具にも、こうしてちっこい夢が宿ってくれた。

もうすぐ夏休み、そのまえに片付ける仕事は

とっとと片付けよっと。


ではまた