まだまだ、長文警報発令中!

 

番外編

島生活の裏側?あれこれ 

 


今度の旅は

初っ端(しょっぱな)から微妙な出だしであった。

 

もともとの旅のコンセプトを変えて

「もう、歳じゃから、楽しょーと思うちょるんです」を旗印に

装備の一部(衣類など)を先に宅配便で送るという

卑怯な?旅に変えようとしていた。

 

果たして

島について一時間も経たぬうちに事は起きた。

 

さ〜てっと♪

届いている衣類バッグのカギをあけた時だ。

 

おっ♪

あいたあいた・・・・・・って???

 

おわっ!

確かに開いた。

最近のカギってこういう感じなのっ?

ひょっとして、新聞をやめて1年半・・・

巷のカギの流行についていけなくなったわけっ??

それとも、40年の長男生活、間違ってましたかっ???

 

一瞬おののいたが

ひ、ひ、ふーっ?と南大東の爽やかな海風を深呼吸して

すぐに落ち着きを取り戻す。

 

う〜む

 

「じゃ、ゼリー状瞬間でひっつけちょけばエエじゃろぅ」

作戦は立案後、2分で終了した。

 

こないに簡単に治ってエエんじゃろか・・・と思いつつ

さすが南大東の潮風は霊験アラタカ

自動的に「なんくるないさ」が、心にわきあがる。

 

・・・・・・・これで・・・・・まいっか・・・・・・いいよな・・・・・・

 

潮風は一見やさしく、しかし長男の心を錆びさせる事もある。

 

今回は過去最大の忘れ物がコレ。

いつも必ず命が危ない行為をするときに身に着ける

エマージェンシーホイッスルだ。

 

去年の旅以来、どこへいったのかと探していたが

意外なところというか案外目の前にあったというか

情けないことに、冷蔵庫の上のダイレクトメールや

携帯電話にインターネットなど、請求書の間に埋もれていた。

 

そんなわけで

確認不能な海のモクズに成ることは絶体に許されないから

死に物狂いで帰って来たのかもしれない。

 

南大東のちょっとしたウネリも軽んじてはならぬ。

深海をふところに抱く海洋島、太平洋に屹立する島では

ウネリの下に潜む水量はただならぬ重さを秘めている。

もう、二度と無茶はしないと心に誓った。

 

夕食の前にシャワーを浴びる。

 

ふと

デリケートなゾーンに何か色が・・・

竿を支えた痕(あと)で、アザになっていた。

ちょっとこの場では言い得ぬ

それはそれは大変に微妙な場所のため

二日目にやっと気づいた。

撮影も、それはそれは大変であった・・・

 

ふう〜っ

危ない危ない。

珍妙なものが写らなくて良かった良かった・・・

 

そんなこんなを乗り越えて

無茶とひきかえに、脳をよぎる事があった。

釣った魚のリリース(逃がす行為)についてである。

 

大型の魚と、力なくも対決を余儀なくされ

崖を降りたり上ったりした時を思い出しら、頭に浮かんできた。

 

彼らも、息があがっているんだな・・・

 

たとえば、たった50mでいい。

全力疾走して(魚は命がけで逃げるが)、その後に

息を数分止めろ・・・多分十万人のうち3人くらいしか

意識を保っていられないだろう。

そのほかは意識を失い、危険な状態に陥るはずだ。 

確かに哺乳類と魚類は違うが、それでも無茶なことだ。

無理やり全力を出し、呼吸の出来ない陸に上げられ

ちょろちょろと水をかけられたくらいで

息苦しさに耐えられるだろうか?

更に、尻尾を持って持ち上げられてしまうということは

重力に強い人間でも、足の指でつるされるようなもの。

 

しかも、魚の場合は、尻尾を持たれると

全体重が背骨に来るのである。

 

魚が、どのくらい全力を出していたかは

このごろのどこの国製とも知らぬ安っぽいとはいえ、

皮製のグローブがこのとおり・・・新品だったのに・・・

いつ切れたのか知らないけど。

 

でも平気だ。

長男は想定済み、二個買いしてあるもん♪

 

さて

未来の長男を戒める、微妙に暗い

自らへの申し送り事項は

この辺でおいておくとして・・・

いい加減、長すぎる前フリにピリオドをうたねばなるまい。

 

問題の大量夕食摂取後、ノンアルコールで出かけた

シロハラクイナ探索へ移行だ。

 

シロハラクイナは夜、

ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ、ヘポッ

と、鳴く。

それはもう、ひたすらにヘッポコりんな鳴き声で

夜な夜な鳴く。

※回数は決まっていないので数えてはいけない、念のため

 

当初、それがカエルなのか、昆虫なのか、鳥なのか

判別不能だったが、たまたま、別の場所でシロハラクイナを見て、

その近くで夜に鳴いていたため「はは〜ん・・・コイツだったか」

と偶然知っただけなのだが。

 

ただし

徳之島で「ヘポッ」を聞いたのは8月だったように思う。

果たして、アルコールを断って、出かけてみれば声はなし・・・

これでは撮影どころではない。

クイナ類は、それでなくても用心深いから

偶然出会うために歩き回るのは無茶だ。

 

ふと

遠くでコホッ、コホッとダイトウコノハズクの声が。

よ〜し、とりあえず

ダイトウコノハズクのモノマネでもして

気をまぎらわしてみるか・・・

と、始めてみたら声がやんでしまった。

 

ん?

 

月夜である。

ワサワサと飛んでくる影が見える。

近くのこずえで、コホッ、コホッ・・・・しだいに

コホッコ、コホッコ、コホッコ・・・と鳴き始めた。

 

んんん?????

 

こんな複雑な声で鳴いたっけか?

そのマネをすると、なおも声は大きくなる。

コホッと口笛を鳴らすのには、最初のコが難しい。

ホホッでなくコホッと鳴らす必要があるのだ。

 

練習のかいあって

カメラに装着した強力懐中電灯、マグライトで照らすと

ダイトウコノハズクがにらんでいる。

 

ちゃあんすっ!

 

すかさず撮影すると写っていた。

夜のコノハズクを撮るのが簡単なのかどうか知らぬが

ダイトウコノハズクはこれで二度目。

(怒っている・・・?、目にある特殊な膜、瞬膜も閉じようとしている)

 

次の場所にも行ってやってみたら、3度目・・・

でも、一度あまりに近く来すぎて分からなかった、悔しい!

ともあれ、足輪を着ける前のダイトウコノハズク。

野性の姿そのものだ。

 

モズ博士TとA谷さんにたずねたら

これから捕獲して、足輪を着ける予定だという。

やれやれ、間に合った。

貴重なダイトウコノハズクのありのままを撮れたわけだ。

 

昼も、アチコチ鳥類学者軍団の情報や

怪しげな飛び方をたよりに撮影してみた。

 

キビ畑に、アジサシのようなヒラヒラとして枯葉のような

微妙にツバメのような飛び方・・・何者?!と思って

見に行くと、今年初めて南大東にやってきたらしい

ツバメチドリであった。

 

塩屋の磯まで、西海岸の偵察に行った後

いったん宿に帰って望遠レンズ持って出てみたら

まだキビ畑にたたずんでいた。

長旅で疲れたに違いない。

(お疲れのところ・・・警戒させて御免)

 

一方

目撃報告があったという貯水池に行ってみると・・・居る居る。

腹黒・・・じゃなくてクロハラアジサシに、なぜかオナガガモ、

地味なイソシギ。

(貯水池が結構気に入っているようだ)

(南国にカモ・・・似合わぬ・・・)

(地味な上に、警戒心旺盛)

 

去年は

たったワンカットの空中撮影で

感動していたセイタカシギだったが

小笠原でハシナガウグイスの超接近に鍛えられたのか

手動ピント合わせ(マニュアルフォーカス)が

簡単に決まる、決まる。

小鳥に比べたら相当ゆっくりだから、手が勝手に撮ってしまう。

ただ、本当ならオートフォーカスを使いたかったのだが

向こうに木があると、そちらにピントを捕られてしまい

全然使えなかったから、仕方なくやったまで・・・

きっかけはさておき、人力も捨てたモンじゃない。

 

一方

足がひどい筋肉痛だったので、やわい磯しか行けず

つい釣れないのでまた油断してしまった・・・

 

ミナミイワガニに後ろを取られていた。

(たくましく奥の独眼だけで生き抜いている)

 

しかも2匹(オス)だ。

(居心地いいのか・・・その場所って・・・)

 

だが実は

長男に与えられた次の研究テーマが秘められている。

 

雰囲気が・・・違う。

どこぞのカニと比べると、何かが明らかに違う気がする。

それは何を意味しているのだろう。

他の島に行って確かめてみるのも、イイかもしれんな。

 

今度ゆっくり

徳之島でも、カニとたわむれる必要がありそうだ。

 

島は、もはや旅先でなくなってしまって

毎年帰る島となって久しい。

油断出来ないが、ユルんでも居られる場所、南大東。

 

ユルんでも居ますが、働いても居ましたっ!

結局食べられなかった、5.2キロのカスミアジをさばく長男!

(鳥類学者軍団、A谷さん撮影)

釣った以上、美味しくいただくのは

長男にとって、南国でもどこでも大切。

 

A谷さん

うしお汁のためにお湯を沸かしておいて、というのは

お湯を沸騰しない程度に沸かして、あらを入れ

鍋ごとシェイクしたり、サイバシで軽く混ぜたりしながら

アクとなる体液だの血液だのを洗い流すためでした。

湯切りは、鍋のふたで軽く隙間をつくってやり、鍋ごと流しへ。

この下処理をしてやると、単に水から煮る汁ですが

澄んだスープが出ます。

 

というわけで

探鳥、探カニなどもで遊んでいるように見えますが

島では、こうして仕事?もしております。


次回、なぞのカニ現象の正体に迫る?

いいえ、次回は大東とはほとんどカンケー無い

めっぽうデジ系ですっ!


ではまた