引き続き、長文警報発令!

 

釣った責任は当然・・・

食べてとるべし

 


釣ったその夜は

すきっ腹に、島唐辛子じょうゆでマグロの刺身をつまみに

ジョッキ久米仙を、何杯飲んだか覚えていない。

ちなみに主食はなかったので、カップ麺だった・・・。

けれど、魚拓を横目に見ながら

島んちゅの人たちと飲んで食べて、そりゃもう最幸だ。

毎夜のように釣具店で酒盛りしている

島んちゅのオッサンがどこからか湧いて出てきて

「すぐ、氷付けにしてから内地へ送ったらイイサ」と

すすめてくれるのだが、

長男には島の人や宿の人たちと食べることが大切。

その旨を伝えたら、一瞬けげんな顔をしたあと

満面の笑顔で「がははははっ」と笑った。

 

おもむろに

スカイボロジノ釣具店のO山さんは

どこからともなくでっかいクーラーボックスを用意してくれ

こだわり男のS藤氏とともに

氷をたっぷり入れてくれたのまでは覚えている。

メーターサイズが入るクーラーボックスが

その辺にあること自体すごい。

 

あくる朝、といってもズイブン昼近い。

二日酔いでふら〜っとしながら

しまった!氷を入れ替えないと!!とスカイボロジノへ急行。

宿からお店まで歩いて1分の距離だが、体も重いし足も痛い。

ありがたいことに、溶け出た水は流され

新たな氷が入れられてあった。

 

本当ありがとうございます、O山さん・・・

 

宿の料理長、O城さんは昼過ぎの出勤だから

昼ごろに宿へ運搬することに。

 

 

たまたま、昼前に、大東そばを食べに着たのか

モズ博士T軍団が総勢で宿の前あたりに居るではないか!

(宿のはす向かいに大東そばはある)

どうにも、ひとりでは魚を宿の4Fの厨房まで運搬できないので

困っていた矢先である。

 

今年からやってきているタロー君をチャーターできた。

昨夜本来ならば、釣った本人である僕も参戦するはずだった

カスミアジパーティ?でたらふく食べているはずだ。

軍団を代表し、食べたぶんはキチンと働いていただくことに。

 

魚とクーラーと氷の重量で30キロちかくあるので

二人で運んでもそこそこズッシリ。

 

とりあえずO城料理長とはすれ違いだったが

調理場へドデンと置き去りにしておくことにした。

いくらなんでも、でかくて邪魔なクーラーがあれば

料理してほしい意思は伝わるはずだから・・・

 

南国では、長男もすこし南国系思考になる。

 

午後、再び厨房へ行くとO城さんとようやく会えた。

宿で使ってもらえるよう、ていねいにお願いしておいた。

O城さんは釣りが好きで大東へやってきた男である。

磯から細い仕掛けで釣り、更に磯を登ってきたことを

理解すると、「これはノコギリがいりますね!」といいつつ

気合をいれてくれたようだった。

 

17キロの魚を一人で食べるわけには行かぬので

直接食味が美味しいかどうかは別として

皆で食べるのが、釣り人としては一番美味しい食べ方だと思う。

 

が、このO城さん、釣った人間には料理の量が違う。

毎度特別料理を作っていただいてしまっているが

完食には根気と根性が要るくらい出てくる。

 

確かに海んちゅだけのことはあって

魚の味の活かし方はさすがだが、今回も完食できるか

いや、今回こそ、完食できないのではないか・・・と

夕食への不安はつのってしまう。

 

昼ごはんは少なめ、間食も厳禁、足は激痛が走るが

なるべく頭を使ったり動き回ったりしてエネルギーを心がけ。

 

南大東では、良くも悪くも

釣る前から、釣った後まで戦いは続くのが常識なのだ。

 

いよいよ夕刻を迎える。

 

右太ももの筋繊維がかなり切れているようで

昼間は傷みに負けて体を動かせないので

大東そばのパソコン2台を調整していた。

一台はお店のデスクトップ、もう一台は那覇お店

M和さんの息子、K二さんの使うVAIOノートだ。

 

毎年必ず、どこかしらでパソコンの修理だの

調整だのをやっているので、今回から開き直って

自称「南大東PCサポート係」を名乗ることにした。

 

それなりに頭も使ったので、腹は減った。

いよいよ、夕食メニューとのご対面である。

 

おっ今夜は大人しい・・・カマ焼き一つと

お刺身が余分についているだけだ。

 

だが、ここは広いホテルの食堂。

さあ、カマ焼きと対決だ!と、よ〜く見ると

カマがデカい・・・刺身も結構ある・・・んじゃないか?

 

定食に二品増えただけのことだが

ビールを入れると結構ボリュームが増す。

しかも、このカマ、鶏のモモ肉並みに肉がついている

というか骨はわずかにぺラッとしかなくほとんど肉だ。

ふんわりして、脂もほどよく、大味だがイケる!

一日クーラーの中で眠っていたので

どんなものかと思ったが、スカイボロジノのO山さんのおかげで

鮮度は抜群である。

 

刺身の方はまだイカッていてコシがありすぎる。

細胞が立っており、しっとり感がない。

もう少し置いた方が美味しそうである。

 

結局、沖縄産の白米をガス釜で炊き上げて

ふっくらツヤツヤのご飯には到達できず・・・敗北を喫した。

 

その夜は

大東そばのM和さんのパソコンを、更に調整しつつ

別バラで泡盛をいただいて終わった。

 

次の日になっても、太ももの痛みは増すばかりだ。

モズ博士T軍団の研究室でウダウダしたり

こんどはK二さんのVAIOのセットアップをして過ごす。

 

実のところ

最近はM和さんもそばを打たずに畑に専念しており

あまり大東そばのお店を開けないという。

珍しく開いているのだと知り

本来なら軽くしておきたかった昼食だが

ともすれば、那覇の息子さんらのお店でしか

食べられなくなるかも知れぬので

その日もそばを食べておくことに。

畑で作っている作物の一つ、お手製の島唐辛子は

天日干しし、炒ってから石うすでひいて粉にするという。

ひっじょ〜に辛いが、適量入れるとスッキリと辛い。

しつこくなく、しびれるような辛さで、熱くない独特の味わいだ。

食べにきといて良かった。

 

一方

研究室でウダウダしているときに、M井君から要請があり

南大東でのシロハラクイナの記録が無いので撮影して欲しい

とのことであった。

 

ズイブン前に僕も目撃しており

当初はバンの幼鳥の見間違えでは?

などといわれて、かなりムッとした事があったが

だんだんと研究者軍団にも目撃例が出てきて

つい先日、あわや研究用の網で捕獲するところまで行ったらしい。

 

だから居るって言ったじゃんか、もぉ〜

長男の目はデザイナー用なのだ、今もって「1.5+」で

常人よりも、形態も色彩もはるかに正確に見ることが出来るのだぞ!

手前味噌でしかないが。

(視力の「+」はそれ以上ということで計測せず、昔の2.0くらいか)

 

ただ、捕獲の方は

さすがはヤンバルクイナとは違い、400キロを飛んできたクイナ。

網を難なく飛び越えて行ったらしい。

研究のための捕獲作業は、網の見えにくい

夕刻に行われるので、本人達も撮影の腕は確かだが

宵闇のせまる時分では難しいようだ。

 

こんなこともあろうかと、クロウサギ撮影用機材を持ち込んである。

徳之島で鳴き声を確認しているので

鳴きさえすれば夜でも撮影できる可能性がある。

大東にはハブが居ないので、ヤブにも安心して突入できるのだ。

 

撮影にはバイクで移動する必要があるので

その晩はビールを飲まずに夕食に挑む。

 

オオッ!今夜はなお大人しいではないか!

キチンと他の人とほとんど同じでお盆に乗っている。

 

周りの人のメニューと比べて、刺身が多いだけだ。

よしっ!今夜もまず魚から食べるぞっ!

今度は煮付け、大根があるところからして

いわばブリ大根ならぬ「がーら大根」みたいだ。

 

・・・・ん

 

もう一度、よ〜く

周りの人の皿を気付かれないように見回す。

か、カマの後ろ、腹身の煮つけなんだな・・・・・

一番美味しいところだが、周りの人のより

ボリュームが4倍くらいあるではないか。

およよよぉ〜ん

また、ボリュームがスゲーぞぉ、見た目よりぃ・・・

何しろ厚みも半端ではない。

 

ほぐれてくる身は、シコッとして美味いが

いちいち口の中いっぱいになる迫力!

 

こんな美味いブリ大根は食べたことがないが

実が厚すぎる部分には、さすがに味がしみてない。

 

長期戦になるぞ・・・こりゃあ・・・

 

ふと、昨夕よりしっとりしている刺身が目に入った。

今夜の方が美味いな・・・でも、明日の方がもっと美味そうだ。

しかし、食べねばならん。

少し気分を変えて食べられんものか・・・?

 

おっ♪そうだっ!

漬けにして、食べる時間を活用しよう!

 

島寿司と同じように、いったん島唐辛子入りしょうゆに漬けて

すぐに皿にあげてなじませておくことに。

長く格闘すればするほど、美味しそうにテリが出るではないか!

 

ビールも飲まずに、ひたすらがーら大根と勝負し

この漬けの食べ方に希望を託して、ひと口ひと口煮つけを味わう。

 

う〜む。

どうしようかな・・・まだご飯には手がついてないよな・・・

そうだ、漬け丼だ!

 

こういうことは即実行。

ふむふむ、なかなか雰囲気出てるじゃんか。

ロウニンアジの漬け丼かぁ、見た目は良いぞ。

 

ひと口食べてみると・・・・

あ・・・

味がしみとらんな・・・

身が厚すぎて、しょうゆ味がついているのに

身の味しかしない。

しかも、普段は酢メシが嫌なのだが

やっぱり漬け丼には酢メシなんだな・・・と初めて気付く。

 

ともあれ、着々とオカズを食してゆき

最後に漬け丼へ、島唐辛子しょうゆにわさびを加え

味を補強して完食っ!

 

ふ〜うっ!

 

今夜はビールが入っていないので

ちょっと足りないビタミンC系のフルーツ中心に

デザートまで到達。

 

めでたし、めでたし。

 

ともあれ、大型のがーら(ヒラアジ)は

煮たり焼いたりして火を通して食べるか

漬けにして食べる方が美味いことが分かった。

大味ではあるが、釣って食べられないことはないことが分かって

釣りも食も、戦い抜いたカイがあった。

 

じゃあ、夜の撮影へ出かけるか。

長男の活動は釣りと食とパソコン程度では

まったく済まされないのだ。

 

つづく


次回、

長男は島へ何をしに行くのでしょう?

ひと口では答えられません・・・・・番外編へ


ではまた