あらたまった年、おだやか

 


元旦から散歩だ。

 

オヤジ殿は失敗したなあ・・・という。

確かに、見渡すかぎり広がる田畑で探鳥するには

かなり目立つ姿であった。

鳥の目から見たら、服の色などどうでも良さそうだが

ウルトラマンヒカリというかツルギというか、それ以上に

派手なイデタチであった。

 

田んぼというのは、実は結構食料があるのか鳥はいる。

ということであれば、更に鳥を狙う鳥までもいたりする。

 

見やすい場所にいるので、案外見つかる猛禽類。

空にはトンビかな?と思ったらミサゴ。

視線を落とせば、潅木の枝にとまろうとするチョウゲンボウ・・・

結構、大物もいるではないか!

 

一富士はないものの、すでに二鷹見てしまった。

ん?あれは二羽の鷹の意味だったんか・・・

ナスは三本も食べねばならぬのか。

くれぐれも富士山が一つで済むので良かった良かった。

二富士なんていわれたら困るわぁ、正月早々

利尻富士とかで代用できるのか考えねばならぬ。

あわや、三富士ならどうしたものか、こんなこともあろうかと

年末好天の東名高速で富士は撮影しておいたのだが

2カットか・・・

利尻か、水面に写った逆さ富士でもオーケーなのか?

などなど、とんだトンチレベルに達していただろう。

 

3ナスビくらいなら、小ナスの漬物を、不健康覚悟で

三連続大人食いすれば済んでしまう。

 

閑話休題

 

広大な平野の田畑にやってくる野鳥はまだいる。

タヒバリのたぐいがいることは知っていて

それとは別に、小さな水路の脇にいるホオジロ科と思しき

尾羽の外側が白い種がいる。

けれどこの時期、ホオジロは何も無い田畑の只中にはいないはずだ。

たまたまではなく、逃げでた先にある高い草のうえにとまった。

間違いない、ホオジロの近縁だ。

今は繁殖期ではないが、繁殖期の習性が残っている証し。

レンズの中のホオジロ科はの鳥の頬は茶色だ。

図鑑で見たホオアカだろう。

写真としては最悪だが、同定できればそれで十分。

 

図鑑を記憶するのは、小さい頃から見て慣れている。

怪しげなシギがいて、遠く飛び去るところを辛うじて撮影した。

冬羽で後ろ半分が白いシギ。

シギは図鑑でめっぽう見栄えせず、特徴が薄い。

全く記憶の対象にしないできた種だから、想像つかぬ。

記憶しないで来たことを正当化はしないが、今にして思えば

シギの夏羽と冬羽を一般のイラスト図鑑では書き分けしてない。

それでなくても見分けにくいシギ類なのに

半端な図鑑で記憶しても無駄である。

しかもタッチがあますぎて、シギを表現できていない。

ともあれ、腹と尾の白い羽だけで見分けがつけばいいのだが。

 

伊勢の冬の田に多いタヒバリ類は、時折群れで電線にとまる。

下を自転車が通過しただけで逃げる神経質な連中なので

一歩ずつ近寄り、少しずつ大きな写真を撮るのが長男流。

大切なのは、見分けられるだけの解像力を得ることだ。

これなら見分けられるだろう。

横浜に図鑑を置いてきたのが悔やまれる・・・

 

田畑を横切る水路はポイントである。

おおきなアオサギもいるのだが、セキレイなどの水辺の鳥以外にも

鳥が集まってくる。

このときは、何カワラヒワかは分からぬが、群れがきていた。

 

その群れの残りの一羽であるかのように飛び出して

水門にとまったのは、久しぶりのジョウビタキだ。

徳島では、そのおじぎをして尾を振る姿から

コンチハ鳥というのだと、はじめてオヤジ殿が話してくれた。

 

まわりには、田畑以外ほとんど何もないが

空気はうまいし、全然寒くない。

 

帰りの高速道路、名古屋から三重県にさしかかるころから

路肩に残る雪があって、三重方面の寒さが気になっていたが

そんな心配はどこへやら。

 

ん?

 

いくらなんでも脳天気すぎな気もするが

事実、目の前で蝶が飛び、花で蜜を吸うではないか。

ヒメアカタテハ、たくましく南極大陸以外どこにでも居るという

超々?ツワモノらしい。

でも、越冬しているならまだしも、飛ぶなよ、真冬だよ。

 

うららかな新年だが、あったか過ぎる気がする。

今年は、なお過酷な自然が我々人類を待ち伏せしているようだ。

この蝶の様に、たくましく生き抜く根性が欲しいものである。

 

まあ、正月ぐらいは根性抜きにして、ゆっくりするとしよう。

超々たくましい姿も見られたことだし。


みなみなさま

今年もよろしくお願いいたします。


 

追伸

 

正月三日の本日。

川と田んぼへ行ってみると、また違う顔。

川原では口笛のような声に見回してみると、ウソ発見!(メス、左)

につづき、元気なカワセミ。(中央)

ここではカワセミにたかる人の姿はなくて安心だ。

地元の人もほとんど知らないようである。

 

田んぼでは、ついに間近で潜む鳥を発見し、撮影。

一番右はその張本人、ヒバリ。

留鳥なのに春先までどうしてるんだろうか・・・と思っていたが

何のことはない、田んぼで地道にスタンバイしているのである。

ただし、冬場は群れている。

ピルルル、ピルルルと鳴きながら飛ぶので気づきやすいが

はっきり姿が見えないので、見分けるのには結構苦労させられた。

 

こうして、のんびり探鳥できる自然なんてのは

地球のどこでも普通の風景だと思うのだが・・・

 

今年はこういう風景に何度ひたる事ができるだろうか。


ではまた