B級グルメでごめんあそばせ
長男だから、ジャンクフードは苦手である。
しかし、仕事だから作らねばならないのである。
どうして、9月の三連休に3連日とも出勤し
そのうち2日間、焼きソバを焼き売らねばならぬのか。
どうして、よりによって台風が来るのか。
自ら選んだとはいえ、まだまだ意外な毎日がつづいている。
最初は、どうも腰が引けていたが
2日間焼いていると、グルメなんぞという言葉すら似合わない
体に悪いジャンクフードが、なぜ美味しいのか
なんとなく分かってきた。
ある人には、懐かしく
ある人には、栄養も無いがどうしても食べたくなる
ある人には、香ばしいソースの香りとジュ〜っという音が
嵐の風をおしても食欲をかきたてる
鉄板で思い切り焼いた焼きソバというのは悪くない。
都市ガスではなくて、火力の強いプロパンというのは
ちと気になるが。
たまには、心の栄養のために、なんとなく悪ぶった
なんとなく自由でワガママな料理が必要になるのだろう。
長男はもう30年以上前に、ソース焼きソバでは飽き足らず
おふくろ様を困らせつつ、家族の好みを無視して
「今日は塩焼きソバにしてぇね、おかあさん」と頼んでいた。
当時、塩味の焼きソバが存在したか知らぬが
おふくろ様は粉末ソースを入れずに、まるで野菜炒めに
麺が入り乱れたような、野菜たっぷりの塩焼きソバを
こさえてくれたものだ。
今にして思えば
長男は昔っから料理にはこだわっていたようだ。
でも、やむなく自分で料理を作り始めるのは
それから10年以上も後のことだが。
20年以上、ほとんど自分のためだけに料理してきたが
人に食べてもらうというのは、とっても難しいことのようだ。
次に焼くときも、また何か気づくだろうか。
今週末、また台風がやってくるが、今度は焼かないで休める。
2連休の週末がこれほどアリガタイと思うのも
意外な毎日のおかげでもある。
ただ、もったいないと思って、余ったソバを
片付けすぎたのか、今も胃腸の調子がかなりよろしくない。
豚バラ肉の肉汁を使って、油は最低限に抑えたはずなのに
おそるべし、B級グルメ。
今度は自分で片付けずに、誰かに任せよっと。