島旅は機材テストも実戦!

 


まだ南大東に居る。

今年の南西諸島は異常に寒いのだが、その影響か

動物たちの動きも例年とまったく違うようだ。

特に鳥は様々な旅鳥や迷鳥がやってくる。

魚は釣り方を変えてみたら、珍しい魚がポンポン釣れる。

今年の南大東は面白い、よし、もう少し居ることにしよう・・・

船便を二航海ほどずらして居続けすることにした。

 

ところでこれを覚えておられるだろうか?

272号、3月22日の記事にあった、ゴツいビーム砲カメラを。

 

徳之島もまだまだ寒いようで、クロウサギが撮れるか心配だが

機材のテストはしっかりしておかねばならぬ。

天気の良い晴れた肌寒い夜、これをもって夜の大東神社へ出かけた。

 

見た目のゴツさよりは軽いのだが、まあ確かに軽い砲、いや方ではない。

しかし、いつもこれに近い重さの装備で鳥を撮影して回っているので

それほど気になる重さではなかった。

それに、実は秘密があって、単二電池型のアダプタを使って

単三電池を使用しているので軽いのだ。

 

残念ながら、先の記事の末尾に書いた、オキシライド乾電池は

利用できなかった。

テストしてみたところ、電球は切れなかったのだが、

一番マイナス極側の一本が発熱し、破裂はしなかったが

すぐに通電不能となってしまったのだ。

幸いというか、3本は残ったが、怖くて使えない。

何に使ったらよいのか、ちょっと困った電池である。

 

仕方なく、通称「金パナ」と呼ばれる○anasonicアルカリ乾電池を

使用することにした。

 

さて、前置きはこれくらいにして

いざ!ダイトウオオコウモリの撮影だ!!

 

カサカサっと足元でやたらに枯葉を動かす音がする。

よくよく見ると、土の色と同じトノサマガエルくらいのカエルが

そこここに居て、長男の足を避けながらたたずんでいるのだった。

そのほか、原因は分からないのだが、朽木からギィーギィーと音がする。

昆虫か何かが、木を削って食べているのだろうか。

 

生き物がたくさん居て、しかも蛇や毒グモ、サソリなどはいないから

安心して歩けうえ、何が出るのか分からない楽しさが満ち満ちている。

そうこうしているうちに、遠くから、コホッ コホッ という声が聞こえてきた。

しばらくするうちにものすごく近くなったので、自慢の大型マグライトを点灯。

すると、すぐ近くの枝に、あろうことかダイトウコノハズクがやってきた。

そして、いったんは逃げてしまったのだが、また戻ってきて近くの枝で

しっかり鳴き始めたのだ。

 

チャンス!

しかし鳴く方向にライトを向けるのだが、にわかには分からない。

よく見ると、枝にモコッと丸い褐色の何者かが乗っており

鳴くたびに微妙に揺れる。

居たっ!心で叫びつつ静かに撮影準備を整える。

強力なライトに照らされて、望遠レンズは楽々とピントを合わせてくれる。

パシャッ!シャッター音にやや反応するが、ほとんど気にしない。

ISO感度を上げて、1/250の高速シャッターでシンクロさせていて

手ぶれ補正レンズの性能も加勢して、ほとんど手ブレしない。

ばっちり撮れる・・・・・が・・・・・お尻だ・・・・・・・・

 

変なことしたら逃げるだろうし・・・・こっち向いてくれないかなぁ・・・・・

 

・・・・・・・どげんしょう・・・・・

 

ヒョホーヒョホーと少しだけ音を出すように口から風きり音を出してみた。

効果てきめん!

キッとこちらを向いた。

しばらくすると、周りを見回したり、鳴いたりするので

ヒョホーをたまに浴びせながら、アレコレと表情を観察するように

撮影することができた。

 

大きさは大人のゲンコツ2個分くらいしかない小さなミミズク。

首がクルクルとスムーズに回り、コホッと鳴くときは胸を膨らませ

一段と丸くなって可愛いんだなコレが。

赤目にはなるが、とりあえずこのくらいの解像力は出せる。

 

ん?

そういえば、ダイトウオオコウモリを撮影に来たのであった。

寒いせいか、全然鳴かないから、居場所が皆目分からぬ。

仕方なく、カメラの強力マグライトを四方八方に振り回し

目が光らないかと、めっぽうあせって探し回る。

一礼し、神殿への階段を上って探させてもらっていると・・・

ようやく、闇夜に二つの輝点を見つけた。

思ったよりずっと小さく、ボリュームとしてはハトくらいしかないが

イマイチ可愛くないな・・・・・わざわざ撮りに来ることなかったような・・・

一応撮っておいたほうが良いような・・・微妙な心持である。

 

逃げない、と言われていたオオコウモリだが、明るすぎるライトは

嫌がって、そそくさとトンズラしてしまった。

 

せっかく見つけた、たった1頭だったのに・・・と

帰り道の小学校の運動場方面で声がする。

行ってみたら、何のことはない5頭も群れているではないか。

(写真には2頭)

 

まあ、神社のコノハズクのほうが何倍も値打ちがあるので

行って正解だが、寒さのせいでオオコウモリが鳴かなくて

探しにくいのが、功を奏したというか、災い転じて・・・というか

ラッキーであった。

しかし、群れていると、なんだか全然ありがたみがない

ダイトウオオコウモリであった。

 

とはいえ、徳之島のように、ハブの居る島でも

夜な夜な出かけたくなるような写りである。

昼間は、完全マニュアルフォーカスで修練を積んでいるが

夜ばかりは、被写体がみえづらいので

すばやくオートフォーカスが使えるようになって良かった。

特に暗闇に逃げやすいクロウサギには、オートフォーカスの

力を借りないと、流石の長男もお手上げなのであった。

 

さあ、本番はいかに!再来週はいよいよ徳之島だ。

テストは思った以上の大成功、クロウサギはもらった!

威勢はいいけど、車から乗り出して使えるのか?ダブルビーム砲・・・

林道の潅木にひっかけて落っことさないような対策を考えよう。


ではまた