二年ぶりだよ、お魚さん

 


去年はさっぱり釣れなかった大島。

今年は、荒天のうえ、なまった腕のために逃げられてしまっていた。

 

こんどこそは!と思った矢先、釣友HMSとその仲間達が加わった。

うーむ、釣り場が狭くて荒いのが気にかかる・・・

その仲間達は、まだ大島ビギナーとあって

ほぼ初めての荒磯エントリーだから心配が先に立つ。

 

釣らせたい・・・しかし、それほど長男とて上手ではない・・・

強いて言えば、もう足掛け11年、大島に通っているアドバンテージが

あるくらいなものだ。

 

あろうことか、週末の開放的空気を胸いっぱいにした釣り人4人は

語りつづけ呑みつづけて2時すぎまで、船上の食堂で過ごしたのであった。

 

それでも無事、朝一番のバスに乗り、磯を目指す。

幸運にも、その日は違いの分かる釣り人がほとんどだったので

我々が釣りたい青物系魚類と、餌まき隊が釣りたいメジナ、石鯛系とは

正しくわきまえた釣り場配置となり、案外磯は空いていた。

餌まき隊の方々でも、特に初心者の方は、潮の動きが読めずに

我々ルアー人と、釣り場を同じくしてしまう向きもあるが

これは大きな誤解とトラブルに満ち満ちており

そりゃもう、見た瞬間ヘボと分かる。

 

餌をまけば釣れる・・・正に餌まきボランティア隊の権化が

よくよく現れる磯であるのだが、今回は珍しく正しい判断の方々が

つつましく釣りをされている状況であった。

したがって、かえってバシャバシャ、ボッチャンと音を立てる我々の方が

恐縮してしまうくらい、わきまえた方々の中で、実はお互い

竿の曲がりを細心の好奇心で見守り合うという釣りとなったのである。

 

うーむ、必要以上にノリノリな釣友たちが気にかかる・・・

釣れるだろうか。

 

朝方、HMSと私こと長男にはアタリがあり、しかも長男は、しっかり中型の

イナダらしき魚を掛けていたのだが、やはり鈍い腕で逃していた。

今日はイケル!と思った通り・・・・の展開であったが

それからというもの、魚の反応は遠のくばかりであった。

HMSの仲間達は、奮闘努力の甲斐も無いのか、静かな釣りを続けている。

(実はHMSは静かにアタリを確実にキャッチしており、

                     食わせるまで後少しだったよう、流石!)

 

と・・・

 

ギュギュギュン!

 

おおっ、ナンカ懐かしく感じるほどの魚の手ごたえ。

先週は、この大切で久しぶりの引きを楽しもうと、寄せるのをサボり

泳がせていたら磯にかかり、糸をカキにくわえこまれて逃したが

今回はちゃっちゃと巻き上げる。

 

だって小さいんだもん・・・

 

日も高く、秋空がまぶしい時分だから、てっきりカンパチと思ったら

なんとイナダ(ブリの幼魚)であった。

妙である。

違いの分かる、隣でメジナ釣りを続ける先週もいたオジサンと

「こんな時間にイナダとは、変ですよねぇ」と顔を見合わせる。

(※写真は訳あって下方に掲載)

 

結局、釣れたルアーは、大東でもそうだったが

ピンクのワサワサつきルアーで、他のルアーでも大分努力したが

釣れるルアーは定番に収まってしまうのである。

前の日に、洗濯の合間に巻いておいたのは正解だったのだが。

 

今回は、同行した皆が入れ替われるように、ザックを遠くにおいて

釣り座を占めている。

つまり、カメラもクーラーボックスも遠くにあったので

ピチピチと元気なイナダも、その場では撮影できなかった。

 

このとおり、帰ってようやく撮影できた。

 

この反省はすぐに活かされ

長男現用5台目となるデジカメ購入へとつながっていったのであった。

メンテナンス要員の対応の悪さで大嫌いなアサペンだが

スッピンのまま水中撮影もできるコンパクトカメラというのは他にない。

1/2.5インチに600万画素という超小型CCDの低感度が気になるが

それは長男の腕でカバー???ということにし

コジマで4万チョイという価格に納得して購入に走ったのである。

 

もともと数年前に買った512MBのSDカードをもてあましていたので

メモリーカードは心配ない。残るは写りの心配のみである。

 

これからはヒラスズキシーズン。

しぶきが霧のように舞いつづけ、あるいは怒涛を頭からかぶる海岸線で

釣った魚やら、風景を自由に撮影できるアドバンテージは大きい。

前モデル、500万画素バージョンの購入を迷っていたのだが

迷っているうちにアップグレードしてしまい、いきなり4万ちょいまで来たので

今回の即買い衝動へとつながっているのである。

 

ま、欲を言えばRAWデータで撮影できれば

画像処理でより美しい写真を作れるが、まあアサペンには

期待しても仕方ないだろう。

 

さて、話を元に戻すが

せっかく4名での釣りの帰り。

一人で来ていたら量的にも食べづらいクサヤを注文できた。

同行した中でもっとも若手が、空腹にまかせてパクパク食べるのには

一同驚かされた。

半生タイプのクサヤは、焼くととっても臭うのであるが。

 

それから、一同揃って、ここ阿部森食堂の長男定番であった

トコドンこと、とこぶしドンブリを食べた。

例のクサヤ免疫性の若手はそれでも足りないのか

追加でカレーまで食べて、またしても、一同驚かされた。

 

加えて、カレーくさやトコドンパワー全開で

帰りの乗船までの時間を、珍しいメアジの釣れている元町港で

竿を振るって過ごしたのであった。

(南洋のアジ、メアジ)

やっぱり若さとはすごいものだと思ったが

船に乗った瞬間、皆激しい睡魔に逆らうことなく

ゴロンゴロンと響く定期船のエンジン音を子守唄に

安らかな眠りに就いたのであった。

 

ましかし

小さいので逃がしてやろうと思ったイナダは41センチ。

お刺身にすると十分で、半身づつ分けて、当日はお刺身、

そして後日はヅケでいただいたが、大変美味しゅうございました。

 

う〜む、今週末もまた天気良し、カメラも良し

行くしかないな・・・

長男が生きてきた大きな理由のひとつ、秋磯のルアーは

やっぱりそう簡単には止めてはいけない恒例である。

 

にしても、10年通いつづけて編み出した、

4.2メートルの竿を使い、ピンクワサワサルアーとシャクリ釣りの技前を

釣友たちは理解してくれたろうか・・・


ではまた