登って 撮って 昼ビール

 


 

ところで

先週のことだが、ラミネーターを修理してみた。

ラミネートフィルムがガチガチに焦げ付いて、動かなくなっていたのを、

若手職員と協力して、なんとか動くように出来た。

 

上にある白黒コピーは、外したネジをテープ止めしておくもので

ワシの昔からの修理手順の一つである。

これにより、組み上げてからネジが余って得した気分・・ に

うたかた浸ることを防いでくれるのだ。(笑)

 

ともあれ

ラミネーターの構造を知られて、いささか嬉しかった。

 


 

さて

南から風が吹くのに、なぜか冷やい風。

 

とはいえ、穏やかになってくれたので気分的には、ずいぶん助かる。

ジメジメしないのは悪くないが、あと半月もすれば、梅雨入りしても

おかしくない時節に至って、この寒さはなんだろう。

 

足もとには、年々小ぶりになっていくチヌが泳いでいる。

せいぜい30センチあるかどうか・・ 釣る気になり辛いサイズだ。

 

ま゛〜 刺身にするとプリッときめ細かいので、美味いサイズではある。

ものの、やはり2月までの真子だくさんのシーズンが荒れで過ぎていき

細身の魚体を眺めても、テンションが上がりゃせんのだ。

 

 

晴れて涼しいこともあって、広報誌の連載ネタの撮影に出かけた。

 

大和城(やまとぐすく)と謂う名の山の頂上に、太平洋戦争の戦跡が

残っているので、調査がてら向かったのである。

 

戦跡は陸軍の戦闘指令所だったトーチカで、おそらく占領された際に

米兵によって床が破壊され、2mほど下の階下へ下りねばならんので

どうしたものか悩んでいた。

 

前の晩から頭を整理して、その朝急に、大きな脚立を持っていくよう

申し出た。 と謂っても、ワシは体力が無いので、同行する学芸員に

持って行ってもらわにゃならぬ。

 

ワシは肩に筋肉があるから、担いでもOKだが、学芸員は鎖骨が

当たって痛いらしい。 ので、昔の背負子を思い出した。

 

かなり錆びていたんだが、コレが結構楽に担がれて具合がよかった。

まさか、伊豆大島で磯釣りしていた装備が、島の調査で役立つとは・・

ナントモ不思議な巡りあわせなような。

 

階段がところどころ30センチの高低を超えているところもあって

ヒザの悪いワシには、とてもでないがハシゴ担ぎは無理だったから

ホッとしたんだが、カメラと懐中電灯が意外と重く、ワシはヘロヘロだ。

 

初めて用いるカメラのセットで、ぶっつけ本番で不安はあるが、

ま゛〜ワシもド素人ではないので、ナントカナルだろうとタカをくくる。

キヤノン一眼レフ用のシグマ製ワイドズームレンズに、

0.71倍になるマウントアダプターを介して、クセツヨなOM−1を

組み合わせている。

 

大光量のストロボは、昔、クロウサギなどを記録するために求め

その後、島料理のレシピ集を出すときに使ってからは一線を退き

日々のオカズの撮影に用いていたが、昨年から引退していた。

 

ストロボは、ワイド対応ではないんだが、バウンス撮影なので

イケルハズである。 バウンスとは、どこかの壁などに反射させて

間接的に光を照射する手法のことだ。

 

昔はストロボなんて面倒だし、好きではなかったんだが、室内で

美味しそうに料理を撮影するには、無くてはならないと知って、

日々の料理撮影で慣れていったのだ。

 

思い起こせば、いつの間にか10年くらいやっていたような・・・・

 

閑話休題

 

狭く曲がった入口に、脚立を伸ばしてストッパーを外し、曲げながら

なんとか持ち込まれて、想像通りコトが運んで嬉しい。

無事下りられて、さても、バウンス撮影はそこそこイケている。

壁が変な色だと、反射光が厄介な色になるが、コンクリだから自然。

白っぽいので光も効率よく空間に満ちてくれている。

 

右上が入口で、下にはガレキと化したコンクリが散乱している。

写真の反対側の面には銃眼と思しき窓があるが、どうやら下りた

ところは、対空機関砲の弾薬庫ではなかったかと思う。

 

左下には、おそらく外から弾薬庫への出入口、脚立の左側の壁には

鉄筋が無いから、おそらく弾薬補給のための穴があったようだ。

 

左上の空間は、上に向かって抜けており、目視で敵機を監視するのに

山頂へ出入りしたり、発見をすぐさま指令所内に伝えるのに使われ

ていたんだろうと思う。

 

指令所内には無線機があったらしく、敵機来襲の報は、

すぐさま飛行場へ伝えらえたんだろう。

 

飛行場はわが家を含む、浅間集落の大半を占めていたが、

今はサトウキビ畑と、平和通りとなっている。

 

学芸員は、考古学に通じているので、もっぱらコンクリに入っている

瀬戸物を、熱心に観察していた。

海の貝の殻も混じっていたのが、ワシには興味深かった。

 

ついでに周辺も撮影。

山頂と謂うか、トーチカの上には、オオシマウツギが咲いている。

奄美大島、喜界島、徳之島の固有種で、徳之島産のうち

花が大きいものは、オオバナオオシマウツギと呼ばれている。

 

脚立と背負子のあれこれで、11時ごろから撮影・調査を開始したが、

ユイの館(博物館)へ戻ったら、昼過ぎどころか2時になっていた。

 

ので

その足でスーパーに行ってビールを求め、とっとと帰宅して行水、

遅い昼飯がてらビールをぐびぐびいきつつ、写真を整理した。

 

なんとも美味い、昼ビールなのであった。

 

残りのカットは、広報誌が発行されたら、ご覧いただけるだろう。

 

そうそう

なにかに役立ちそうだと、レザーマンツール・WAVEと謂う

ツールナイフをポケットに忍ばせていたんだが、道々邪魔になる

ツルなどを切るのに、ロープカッターが重宝した。

 

実は、レザーマンツールのなかで、もっとも役立ちを感じるのは

ロープカッターで、波型の刃の切れ味が素晴らしく、車中泊したり

するときに、フランスパンを切るのに便利だったりする♪

 

とまぁ、そんなこんなで標高250mあまりの山頂で、戦跡を記録し

無事に戻ってきた・・ と謂う日常の話。


ではまた