手ぬきうどん

 


  

秋のつるべ落としなシーズンにおいて、精神的に弱ったニンゲンにとっては・・・

ブレーキの甘い乗り物で、急な坂を下るような気分にひたり尽くしてしまう時分であって、

食欲だのモチベーションだのが落ちてしまい、厄介な生活を送るハメになる。

 

食欲がわかないと、料理するモチベーションが保たれないから、凝ったものはこさえられぬ。

そこでこのごろ定番となっているのが、市販の茹でうどんを用いた、手ぬきうどんである。

さらに、このごろの定番野菜となっている小松菜に、冷凍で常備している油揚げを具にする。

半熟の温泉玉子の代わりに、チン玉を添えることもある。

 

何と謂っても、手っ取り早い。 具入りの汁物をこさえておいて、うどんを炊くだけの手軽さ。

もはや、うどんはコシだ!などというプライドは1ミリもありゃせん。(笑)

 

汁物と謂っても、鍋の残り汁でも、煮物の汁でもOK^だから、意外と応用範囲はだだっ広い。

茹でうどんは貧民食の正義だ・・・ 

 

難点があるとしたら、長期保存が利かないところくらいだ。

 

 

麺つながりで、実家から送られてきた、新たな半田素麺ブランド、オカベの麺をいただいた。

半田素麺と謂えば、ヤタラ太くてコシもヤタラ強いが、ここのは強力粉を用いていないようだ。

なので、五島うどんほどの太さがあっても、プリッとした食感はあれど、ムダにコシが強くなく

とても食べやすい。 麺の太さも一定で、茹であがりの麺それぞれが整っている。

よく研究された麺だ・・ と思う。

 

 

いよいよ島も冬らしくなり、好い大根を見かけるようになった。

スーパーで買い物し、昼食を摂ったら、デートに復帰しなきゃならない気がしたが・・ 確約してなく

曇天寒風のなかへ戻るのもナンなので、久々に料理に腕を振るうことにした。(笑)

皮へ細かく切り込みを入れて炊いた、山口県民限定の郷土料理 けんちょう炊き だ。

いささかみりんの加減を違えて甘いが・・ なんだか他所の家の料理のような風情で、悪うない。

 

今回はイリコを用意していなかったので化学の出汁だが・・ 大根と豆腐の風味がこっくりし

汁を捨てがたい。 ので、早速。

濃いめの煮汁だから、生玉子を落としてみた。

けんちょう炊きは、大根を油で炒めてあるから、野菜の煮汁と謂ってもコクがある。

黄身だけのほうが、もっとコッテリ美味かったように思われた・・・

 

 

寒い季節は、はやり温麺がとても嬉しくなり、ついついそればかりを食べてしまうんだが・・・

どちらかと謂うと、オカベの麺は冷やしでいただく方が美味しいから、次の夏日を待つとするか。


ではまた