子らにも ガセネタ を

 


 

巷の事情

 

九州を皮切りに、東北、関東・・・大雨にひょう、大気の猛威はとどまらない。

今度は南国の台風の番だろう。

いきなりボコボコと台風が発生し始めたし、予測ができない迷走ぶり。

役場のはからいで庭木が一掃され、見晴らしも風通しが好くなったぶん、

台風で飛ばされてくるイロンナモンが、わが家に直撃するリスクも増えた。

 

足裏をマッサージするための回転する道具を、首に当てて使い、死ぬるという。

正直、カバーを外していて、もとより自殺行為なのだから、注目するに値しない。

だが、マスコミはまた騒ぐ。

なぜ、バカはバカなのに、どうしてオソマツな行為を、工夫をしと誤解できるのだろう。

足裏マッサージすが、肩に効く・・・などと、頭痛薬が痔痛に効くヘリクツ同率の無能だ。

科学は進んでも、バカはバカのままである。

だが、どういうわけか、学習する気力も応用力もないのに、安易に転用を考える。

バカはバカらしく誤解で死ぬる・・・あまりに判りやすく、バカには一生解からない摂理。

肩こりは死に至る症状ではないのに、死ぬる時代になった。

 

アクセルとブレーキの踏み違えなどという、単なるバカが未来ある若者を殺すなど、

度を越えたユルバカさだが、ニンゲンが増えすぎると、摂理も過激に働くようだ。

これらを、老化と油断で済ませてよいのだろうか・・・

 

ニンゲンも社会も、バカは死ななきゃ治らない・・・ しみじみ、そう感じるこのごろ。

 


 

伊仙寺子屋、やる気のある子らを集めた、遠隔授業の受験対策から、

島を知るための徳之島学まで、おおよそ学びたい気持ちの強い子らを支える、

伊仙町役場の事業である。 受講無料だ。

 

ところで

天城町ではいよいよ、文化遺産データベースのポータルもできた。

同じフォームを利用して、防災マップのダウンロードサイトも公開した。

私のこさえた持ちネタを、どこでも見せられる準備が整ったわけだ。(笑)

そもそも、公開とは名ばかりで見辛かったから、サクッと利用できるように改良した。

それだけでは、ただのまとめサイトだから、タブレットやスマホから利用しやすくしてある。

小さい画面でも一覧でき、操作しやすく、パケ代も抑えるよう設計した。

なんぼICTリテラシーが低い離島だからといっても、持っているデータすら、

マトモに使えないようでは、町民にしてみても、あまりにみじめである。

 

さて

今回は、夏休みの自由研究のネタの提供と、観察の視点について語ってみようと思った。

なにしろ、私は人生を棒に振りながら、自由研究ばかりしているようなものだ。(笑)

自然ブログにしろ、データベースにしろ、そうした子らに情報提供するのが目的だったから

今回はシナリオをHTMLで作成し、黒板代わりの大型タッチパネルモニターに映し、

様々な検索結果を順次リンクで紹介することにした。

 

のだが・・・

授業前日、依頼者で才女のユキさんに電話したところ、ナマのネタも欲しい・・・という。

なるほど、ネットのネタだけでは、食いつきがイマイチというか、実感が薄かろう。

ココはひとつ、国内最大のガザミで興味を引くのが効果的であはる。

シマンチュは意外と海に疎いから、海に目を向けてもらうにも好適だ。

いささか危険は伴うが・・・

 

このところの午前は遅くまで高潮位で、午後の授業にちょうどいいタイミングで満潮になる。

ホントに捕れた。

いささか小さく 700グラムくらいの小ぶりなものだが、ないよりはマシ。

もう一匹歩いていたが、なぜか同サイズだった。

 

3時間、どうやって生かすのかが問題で、東南アジアでは脚をしばって店頭売りするから

水に浸したり水槽に入れる必要はなさそうだし、ブクブクもない。

水中で苦しくなると、脱走するに決まっているから、それでは運転に支障が出る。

で、タモに入れたまま、助手席の足元に積んで移動することに。

 

12時前、結構ぐったりしてきたから、弁当をもとめて、いつもの漁港で食べようと思った。

その途中にある面縄川(おもなわがわ)の河口で呼吸させられるからだ。

伊仙町は石灰岩台地だから基本的には鍾乳洞で、川ができにくい。

川は貴重なのだ。

 

残念ながら、面縄漁港は夏祭りの会場で制限されていて、弁当は無理だった。

とりあえず、ガセの呼吸だけはさせておく。

塩分濃度の変化にはそこそこ強いから、呼吸優先である。

案の定、呼吸し始めると、どこぞに逃げようとゴソゴソする。

甲殻類も昆虫も、ロジックの基本は反射だから、動きは予想しやすい。

ただ、ニンゲンより寿命が短い生物は、総じて神経クロックが速いから、反射速度はとても高い。

我々は、応用力に優れる反面、反射はノロマな生物である。

 

教室はエアコンがぎゅっと効いており、かなり涼しい。

ガセも、おとなしくしていられるくらいの気温だ。 いや、寒いとおとなしくするしかない。(笑)

 

授業にやってきた子らは、大きなカニに興味津々。

恐れずに触ろうとする。

こんなこともあろうかと・・・例のバネットライオン化した歯ブラシも用意してある。

ただ、挟まれたら危険だから、都会では水槽に入れないと見せられまい。

 

授業は、やはり時間をオーバーして終了。

小学の子らに90分授業は長いが、さらにオーバーしてしまって反省至極。

ともあれ、半分寝る子はいたものの、ほとんどがキチンと聞いてくれた。

 

授業は終わったが、そこからが長かった。

ガセは授業中もタモ網に絡まったまま足元に放置していたのだが、

子らには、網にからまった姿が弱者として目に映ったのだ。

水揚げされると、呼吸も隠れることもままならないから、ニンゲンに捕まらないように

網に足を張って放さないのだが、それが痛々しく感じられたらしい。

仕舞いには、網を切って出せと謂いだしてしまったから、これは外して見せるしかない。

 

教室のある棟からほど近いところに、伊仙町の歴史民俗資料館がある。

そこには発掘作業をしたり、洗浄したりする入れ物があるはずで、借りられそうだ。

水中なら、高速で泳げられるようになり、網にからまっている理由がなくなるから、

水に浸すと自分から足を抜きたがるのだ。

 

発掘品を回収するボックスを用意してもらえたので、ようやく解放できた。

歯ブラシでつっつき、ガバッと挟まれそうになると黄色い声が飛び交う・・・大人気だ。

もともと、つっつこうとする子は反射神経も良いし、真水で呼吸するガセは全力が出ない。

意外と心配はなさそうである。

いつもは引っ込み思案の子も、ガセが見守りたくて積極的になったようだ。

大きくてナマの動物は、子らの心を開くらしい。

 

いくつも捕え、ほどよく指を挟まれてきたから、ノコギリガザミの扱いは慣れてきた。

やや元気になったボックスから、エコバッグに入れるのも苦にならない。

タモ網から外すとき、気をそらすために、あちこちブラッシングしておいたから、

エコバッグに入れても泥がついたりしないのだ。

 

持つ方法は2種類。

広げて威嚇するハサミを前方から同時につかむのと、お尻を片手で持つ方法である。

たいがい元気で、後ろを持たせてくれないから、前者が有効だ。

ふだんは、網ですくったのを外し、そこらを歩かせておいて、また探す。

知らないぶんには、逃げたらどうやって捕まえるのか不安だろうが、そう遠くへも逃げない。

ただ、両バサミ持ちは、数秒しか姿勢を保てない。

捕まった当初は左右の情報量が麻痺するが、次第に視覚情報の差異に気付くらしい。

 

今にして思えば、運ぶなら巣穴にいるのに似た環境で、暗い方がいいに決まっている。

エコバッグ作戦は、とても的を射ていると思う。

車のエアコンの冷気も受けにくい。

 

本当は食用にと捕獲したのだが・・・子らの気持ちを考えると、放流するしかなく、

引き潮の干潟に逃がすこともできないから、イノーの北側の漁港で放流した。

ここを持つとハサミが届かない。

それから、持っている手が見えない。 カニの攻撃は、見えることが前提なのだ。

 

長らえるか判らぬが、とりあえず、そこそこの動きで水中へ去っていった。

全くガセのいない面縄川で呼吸したガセは、人類史上、彼が最初で最後だろう。(笑)

 

しまった

冷凍サンマくらい馳走してやればよかった・・・そういう気の利かなさは私の弱点だ。

 

最大の問題は、さらにそれからだった。

今月は現金がゼンゼンなく、財布にはあと2千円あまりしかない。

ようやく謝金がいただけると思ったら・・・ 振り込みだとっ!?

なぜか今回は、宛名が鉛筆書きされた封筒と、振込先の用紙を渡された。

 

やっぱり

ガセは食べておくべきだったかもなぁ。

 


 

このごろ食欲がサッパリだから、むしろこっちの方が美味しいかもしれない。(笑)

このくらいの刺激が、寝る前にはちょうどいい・・・♪

しかしながら、デカいクワガタでないと、基本的にはスニーカーで攻撃性は低いらしい。

つまり、威嚇してダッシュ、全力で隠れて交尾チャンスを待つスタイルらしい。

 

窮めて残念だ。

清々しい挟まれにより、心地よい痛さと達成感で、暑い熱帯夜をしのぎたかったのだが・・・

 


ではまた