いやいや 写真展

 


 

世の中の、たぶん嘘

 

エイベックスの残業未払い・・・アレは詭弁だな。

趣味的労働というのは、いかなる業界にもイロイロある。

技術屋なんてのは、半分以上趣味的に技術をイジリたくなるもんだし、

デザイナーだって、ハマって勢いづくと時間で切れない作業になる。

時間が来たからサクッと明日へ・・・なんて職人は、たぶんよほどの達者だろう。

ゲームオタクがそうであるように、ハマると続けなくてはならないものなのだ。

集中力のある社員ほどハマるのを知っていて、金を払わないのは、確信犯でしかない。

 

そういえば、北キムチ民族のせいか、核シェルター関連が売れているという。

内地では、それほど核戦力がよほど怖いのだろうか・・・けれど、自分たちだけが助かり

野菜や家畜が核汚染されるのに、シェルターにコモってどうするのだろう。

やはり不思議と、逃げるというか移動するという選択肢はないらしい。

不便だなぁ〜ニンゲンってばな゛〜 社会性がモロに不利に働いている。

安定することに固執しすぎて、生存力が衰えているとしか思えない。

 

マイナス面ばかりが気になる、このコーナーだが・・・ ちょい気になる才能がある。

クロックワーク・プラネットというアニメのBGM、なかなか趣きがある。

簡易なアニメBGMとは一線を画しているし、粗削りだがフィリップ・セスに似たセンスがある。

菅野よう子に匹敵するか、それ以上のセンスを感じられる。

あのメロディーは、よほどでないと紡げないと思う。

 


 

先月は、働く気合が立たなかった。

なんかこう・・・役場の布陣が変わったら、なにやらダルイ感じになったのだ。

企画職というのは、ヤル気のある自治体にとってはナンデモアリで事業造りまくりなんだが、

そうでないと名誉職みたいなもんで・・・新聞読んでいるだけで給料をもらえる立場でもある。

 

それはさておき、自分を奮い立たせる理由が欲しかった。

ちっともワリに合わない写真展を引き受けたのは、自分を試すためと・・・

写真を真っ先に見てくれる立場に、お気に入りの女子がいるからだった。

やはり、オトコの気合というのは、下心のブーストが最も効率的だ。(笑)

 

けれど、思った以上にモチベーションが下がっていて、写真の選定すら思うようにいかない。

ならば・・・と、島へ移住した当初からの、サイバーショットの画像を選んでみることにした。

 

私が自信をもって、ソコラの有象無象のプロ写真家に挑むことができるのは、

道具の使いこなしに、独自のアイデアを用いるところだ。

 

一見、優れた性能のカメラが、愉しい写真を実現するわけではない。

サイバーショットは、小さな動物たちの視線で、その世界を写しだすことができる唯一のカメラ。

でも、おそらくその事実を知る写真家は、まだ居ない。

いや、プロだからこそコンデジを認めたくない意識が高すぎる。

カメラ業界において、一眼レフや、一眼は絶対的な存在らしい。 無意味なことだが。

 

小さな被写体に迫るときこそ、コンデジの実力が冴える。

そもそも、一眼レフがこの視点を実現できるだろうか?

甲羅が2センチほどのルリマダラシオマネキの正面顔である。

地面を掘らない限り、撮影は不可能だ。 機材が大きいと、小動物は逃げもする。

 

しかも・・・である。

一眼レフは、被写界深度が浅いからボケ幅が大きすぎて、小さな被写体には向かない。

謂いかえれば、一眼レフはニンゲン向き、小さな生物にはコンデジが向きである。

ニンゲンを撮影するときは、ゴチャゴチャした背景が邪魔だし・・・

小さな生物には背景がボケ過ぎたら、どういう環境に居るのかわからない。

 

ちなみに

都会人にはわからないかもしれないが、そもそもシオマネキは素早く巣穴に逃げ込むから、

こうしてマッタリとポーズする・・・ということはない。

これは逃げ遅れである。 カニは覚悟を決めると、ハサミを体に密着させ、ジッと固まるのだ。

 

にしても

検索するとわかるが、それっぽい画像はあってもキチンとシオマネキ目線の画像はない。

ちょい努力すれば撮影できるが、プロもアマもそういう視点に興味がないらしい。

望遠コンデジがあれば、潮招いているシーンがそのうち撮られるだろう。

 

けれど

小さい生物の目線で考えることは、動物写真家としては基本である・・・ハズだと思っている。

それができないと、撮影すらままならない。 相手の立場を理解することは、とても大切だ。

 

ナリキリ=ロールプレイこそが、動物撮影への最も近道、と謂うことだ。

島ではありふれたセミ、クロイワツクツクですら、これほどゴージャスな姿だ。

所詮はムシケラと思えば、気付くことのない本来の姿。

虫の世界では、こういう感じで相手が見えている。

ま、セミが互いに顔を突き合わせることは希だろうけれど。(笑)

 

柔軟な視点こそ、自然へのアプローチの基本だし、撮影の愉快さでもある。

視点の自由度を飛躍させたのが、コンデジでありながら防水、サイバーショットTXシリーズ。

人生を変えた一品といってもいいくらい、優れたコンデジだ。

小さなレンズの半分を水たまりに沈め、イボイモリの幼生を撮影するオモシロさ。

夜の水たまり・・・しかも相手は4センチほど。

ピントすら合わなさそうなシーンを撮影できるのは、よほどの幸運だし、サイバーショット様様だ。

だからといって、サイバーショットがあれば誰でも撮られるかといば、そうでもなかろう。

それなりのコツ・・・というものがある。

 

ガラスヒバァは、喉に毒を持つ、毒蛇だ。 シマンチュはヘビ嫌いが多いが、私はかなり好きだ。

このアングルは、咬まれるかどうかの間でないと、無理なカット。 

ドヤ顔っぽいから気に入っている。 背後のニョロっとしたラインは、胴体の続きだ。

喉に毒があるから、すぐさま毒が回ることはない、内地のヤマカガシのようなものか。

でもヤマカガシは首元をつかむと、そこからも毒を出すというから、それほどの危険ではない。

ともあれ、ガラスヒバァにヤル気があるかどうかを察知できれば、別に問題はない。

 

危機感はなさそうだし、冬場だったから、数センチのところで撮影している。

従って、ウロコが目を覆っている質感・・・このくらいの解像力がある。

人通りの少ない道路で助かった・・・

 

発表はしてないが、舌をペロペロのシーンもあるにはある。

警戒心を解きはじめると、ヘビはペロペロするのだが・・・私が寄ったままでもある。

なんというか・・・緊張せず待っていると、警戒心を解いてくれるから絶好のチャンスになる。

ともかく、焦らないで相手の動きを待ち、それに合わせて撮影する。

んま゛〜ガブッとかまれたら、それはそれで痛イイことだし。(笑)

 

さりとて

あんまりドMとか、変態的な爬虫類体質を露呈したところで集客できそうにない。

いささか前の写真だが、動物写真家の面目躍如たる場面も用意しておいた。

アマミノクロウサギの食事シーンは、きわめて希な記録だと思う。

天城町文化遺産データベースに公開されていることでもあるし・・・

データベースとの連動企画にしたかったから、原板を展示することにした。

 

名付け親である以上、これは欠かせない。

夜のウンブキアナゴX2のシーン。

波紋が意外と効いている。 雨が多い時期は、水滴が波紋を作るのだ。

ストロボの活用は苦手だが、そこそこ使えるようになってきた。

 

いつかやってみたかった、ヒメシャコガイのクチビルコレクション。

地味に手間がかかって面倒であるが・・・こうした組み合わせ写真は嫌いではない。

一枚だけ、ヒシャコガイが混じっている。(笑)

 

ヤマタニシは、ありふれたカタツムリだが、マイマイではなく、フタがあるしツノも2本だ。

ヤドカリと並べてみた。 殻の生産者と、借家人の関係・・・とでも謂おうか。

ヤドカリの自然な表情?を撮影するのは、意外に難しい。

なにせ止まっていてくれないし、すぐヒキコモルからだ。

コンデジだから得られるアングルだが、コンデジは反応が遅い。

それを計算して撮影するのが愉しい。

 

イルカいないかといえば、イルカもな・・・ということで、コレも。(謂ってみたかっただけだ)

珍シーンばかりでなく、躍動する動物の瞬間を切り取った、まじめな?作品。

下に見えるのが影でなく、もう一頭のイルカ。

意外と海面上の撮影は難しく、波は適当にコントラストが高いので、後ピンになりやすく

真下の水面にフォーカスを合わせるのが私のスタイル。

優れたカメラだから自動で・・・というほど、動物写真は甘くないし、機材も重く、

見えたらすぐに撮影できるように持ち続けている必要もあるから、意外に難しいカットだ。

このときも撮影できたのは3カット程度だった。

 

数はだいぶ少ないが、オハコも欠かしてはいない。

インドハッカ、運動公園の旗ポールで見つけた、奄美群島初記録の野鳥である。

こういうのが日常のなかで見つかる・・・という事実を知らせたいから、

画質はさておき展示したかった。

 

んま゛〜しかし、この八年・・・のべつイロイロ撮ったものだなぁ。

 

状況に応じて、カメラと技術と勘と体力を総動員して撮るからオモシロイ・・・というのを

表現してみたかった。

ただ写真にしてしまうと、その苦労はわからないけれど、これを見た子供たちが

自然を見つめたり、撮影したくなってくれたら嬉しい限りだ。

 

 

さて

問題は集客である。 せっかくやるのだから、是非ともご覧いただきたいものだが

天城町というか徳之島では、食えないもの、儲からないものは集客できない。

 

けれど、とりあえず目立つ目標物があれば、集客は可能である。

展示するユイの館(博物館)は、町内最大の商業施設、Aコープの向かいにあり、

車から見えるポスターが効くと思う。

インパクトのある色合いのアカショウビンで、集客を試みることにした。

鳴きマネに寄りすぎて、ドアップにすぎる写真を活用してみた。

タイトルは、どうにも夜中のラブレター並みで恥ずかしいが、趣旨は伝わると思う。

シンプルなタイトルにしたかった。 

 

計56枚の画像処理にかかった時間は、20時間くらいだろうか。

8年間の画像を選出する時間は入っていない。

コピーライトのウォーターマークに加え、解説入りだから、展示してもらうときに負担が少ない。

いちいちタイトルラベルをこさえる必要がないのだ。

前回よりずっと効率的に処理する方法を考え付いたので、作業は早かったものの

やはり絶対量が多すぎて、かなり手こずった。

 

次はもっと、解説自体を写真と一体化して、デザイン性を高めたいなぁ、などと思っている。

 

ちなみに

写真はすべてユイの館(博物館)に寄贈することになっている。

謝金も大したことはないのだが・・・島での写真はシマンチュが見ることに意味がある。

 

せっかくだから、ユイの館に封印されるより、空港に展示するのがよかろうが・・・


ではまた