ゆく夏、くる秋

 


暑い夏、釣りもさっぱり、都会の自然もさっぱり

だが、飲み物だけは心地よく、さっぱりしていた。

 

永く続いてきた、眠れない夜に別れを告げんと

始めてみた脱酒生活だが、どうやら、眠れないことと

晩酌には関係がなさそうであることがわかってきた。

 

だが、晩酌には弱点がある。

車にも乗れなくなるし、下手をすると二日酔い

いわんや、それでなくてもダルい夏の朝を重々しくする。

 

そこで

コトブキヤの主人がススメてくれたのが

ホッピーという飲み物であった。

何の事はない、昔からノンアルコールビールがあったのだ。

普通のものと黒いものがあり、黒いほうがビールより少し

濃い苦味を持っている。

焼酎を入れて飲むものだとは知っていたが

そのまま飲んでも十分うまいではないか。

アルコールは限りなくゼロにちかいが、ゼロではないようだ。

うまさの秘密はもうひとつ。

ビンであることである。

冷たくキンとした、重みのあるビンで飲むのやりかたは

ひんやりと口当たりをずいぶん変えてくれる。

ほろ苦い、さわやかな炭酸飲料である。

 

これなら、夜遅くに家に戻っても、心置きなく飲める。

その上、そのまま釣りに行くことも

朝の探鳥にでかけることだってできるのだ。

 

ま、眠いからそげんコツせんで、寝るに限るトです。

 

さて、一方、眠れなかったことで気づいたことがあった。

いや、正確には、眠れなかったのではなくて

早起きになってしまって、気づいたことがあった。

 

夜明けの心地よい爽やかさである。

 

都会に残された生き物たちの声だけが届いてくる刻(とき)を

知ってしまったのである。

夜明け頃、気温も一番下がり、熱帯夜でもエアコンをオフにできるくらい

一瞬、気温が下がり、鳥やセミたちのこえが近く遠く

聞こえてくる。

都会のはずなのに、メジロ、シジュウカラがやってきては

目の前のアンテナで朝鳴きをするのもなかなか乙である。

 

その時分に、都会の喧騒はまだない。

うっすらとした青空を見上げて、自然の声を聞きながら飲む・・・

シークワーサースカッシュが、たまらなくうまい。

 

熱帯夜で使い果たした水分が、ひんやりと体にしみていく。

じんわりとした炭酸感が寝起きにもやさしい自然の炭酸水。

一口飲んだところへ、シークワーサージュースを少しいれ

酸味と香りを加えてできあがり。

 

ほとんど甘味がないところが、朝の爽やかさを一段と引き立てる。

 

う〜む、たまらん・・・でも眠いトです。

 

そして、すっきりさっぱり起きて一仕事することもあれば

やっぱり眠いので、二度寝に突入することもある。

 

ああ、もう朝もすっかり秋の虫の声になってきた

何かできたことあったかなぁ、この夏。

何か始められるかなぁ、この秋。

 

昨日と本日、新たにデジタル系グッズがやってきたが

その話はまた。

ところで、昨日我が家にやってきた機械を買ったとき

どうやら釣銭の5000円をもらい忘れていた、というか

渡されなかったのに気づかないで物だけもってルンルン気分で

家路についてしまった。

 

夜も更けかかる22時ごろ、電話が鳴った。

「あのぅ、先ほどお買い物をしていただいたときに

 お釣りの五千円のご返却を忘れてしまいまして

 まことに申し訳ございませんでした・・・」と丁寧な口調である。

 

ん?あ、そういえば、店員さんとポイントがどうのという話をして

予約品は直接その場じゃなくて、次の日に自動登録される

などということをレジ奥でやってたのを見ていて、それで

ポイントサービスもヤヤこしいトですね・・・などと感心しているうちに

忘れてしまったようだ。

いつも寄れるから取りに行くというと、届けたいという。

コジマ電気での出来事であった。

 

そういえば、ふた月くらい前だろうか、久しぶりにCDをまとめ買いした。

家に帰ってみると、袋には3枚しかない・・・あとの3枚は・・・?

あわてて電話すると、しばらくバイトの店員らしきを呼び出して

電話の向こうでブツブツ言っている。

結局取りに行くか、着払いで送るという。

当然のように言う。

そりゃないだろう、遠く日吉から横浜市街地まで遠征して

しかも普段縁のない若者の街へ踏み入れ、消耗し

さらに最近わかり難くなった棚の分類の中からやっと探した6枚だ。

 

バイトがやったこととはいえ、むたいな話である。

さして誤るふうもない。

なんの悪気もなく、一言、二言、スミマセン、くらいであった。

バイトがやったんだし、俺は悪くねーしぃ・・・・てな具合だ。

この店はHMV、横浜VIVRE店である。

 

ま、どうでもいいが、HMVは僕の中で信用最悪のCD店となったことは

いうまでもなく、また

コジマ電気は史上最強安値を誇る良心経営太鼓判店となったことは

いうまでもない。

 

世の中が、困った時代に突入したことは承知している。

困った気象、天候になったことも承知しているし

やる気のない人間が増えに増えたことも承知している。

 

だからといって、それを野放しにする気はあるが許す気はない。

野放しにすることは、その店が信用を失墜することを

笑ってみていることができ、忠告すれば双方と共に気分を害す上、

しかも信用を復活させてしまったりされては、つまらぬ。

落ちるべきは地の底を突き破り、なお奈落まで落ち込んでもらう。

 

これが現代の長男の思慮というものであった。

 

さてさて、コジマからやってきた機械を含めて

我が家はどう変貌していくのだろうか、次週は久々に

デジバカ日誌・・・となろう。


ではまた