いよいよ、夜の生き物達
いよいよお盆突入の頃、昼は鳥、夜はクロウサギ撮影という
文字通り昼夜を分かたぬ撮影生活に入った。
幸いというか、何と言うか、不眠症の薬が確実な眠りを約束してくれるので
夜更かしした後も、ちょっとだけ寝坊すれば大丈夫であった。
だいたい23時ごろ出かけ、2時前頃に林道めぐりから帰ってくる生活である。
殺生をせず、釣りをせぬ生活に切り替えたからこそ出来た芸当だ。
のわりには、宿のオジサンは毎日漁に出ていた気がするが・・・
昼間の鳥類の巣立ちの早かったことから想像すると
夜の動物達のシーズンもずれていて当然だ。
にしても、いつもバンバンとクロウサギが出てくる林道だが
今回はチョロッとしか出てこない。
当初はオビトカゲモドキなんかも少なく、非常に寂しい林道である。
(後になると結構出てくれた)
昨年だと、コノハズクなんかもアチコチで鳴いていたので
音的にも、もっとにぎやかだった気がする。
今回多かったのはアマミヤマシギさん。
この御方は昼間は隠れているのだが、夜は道が大好きなようで
道の真ん中にたたずんで、なかなか逃げない。
昼間はとても神経質なのに、夜だと結構寄って撮影できてしまうのだ。
(かなり寄って撮れる)
むしろ、オビトカゲモドキとか、蛇とかの方がよほど素早く逃げるが
ヤマシギさんは、まず逃げぬ。
夜になると、まるで性格が変わったようになってしまう不思議な鳥さんである。
さて、問題のクロウサギであるが
居るにはいるのだが、出現回数が圧倒的に少ない。
昨年など、数を勘定するのもやめよう、というほど出ていたのに
今年は一晩で徳之島の長さ分は走ろうかというほど距離を走って
やっと3〜5羽といったところ。
泣き声も一度しか聞かなかったので、やっぱりこちらも親離れし
親子で同じテリトリーに居ることが無くなってきているのではないだろうか。
道に少ないのだが、山の広場には居る。
でも、真っ暗な中での撮影、カメラをどこに向けたらよいのやら・・・
ピントもズームもまったく上手くいかない。
(部分拡大)
結局、比較的鮮明に撮れたのは、マゴマゴしていたウサギの
尻だけ・・・この後、横を向いて草むらに逃げ込むのだが
ストロボチャージが間に合わず、真っ暗なカットになっていた・・・
無念である。
我がおふくろ様いわく、これこそケッ(ツ)サクね・・・・
や、やるなおふくろ様・・・・なかなかキレが良いですぜ。
ふと
昨年見られなかった、カニが居た。
大雨になると、特に舗装されていない林道は沢になるとOちゃんは言う。
スコールの後のためか、沢のノリでサワガニがが歩いているというのは
初めて見た。
それに結構大きい。
いつも、山あいなんかの旅館でから揚げになって食卓にのぼるのより
一回り大きい、重さからすると倍はありそうだ。
丸々としていて胸板?も分厚く、実に強そうなサワガニだ。
こりゃ立派りっぱ、と誉めたくなる。
まあしかし、お客さんの少ない林道を夜な夜な走るというのも
なんだか虚しい気もするが、出るときは出るので、油断は禁物である。
今回どうも出現数が少ないので、Oちゃんが焦っていたようで
車の速度が速すぎたために、動物が出現しても、減速しても近づきすぎ・・・
ということがままあった。
個人的な見解だが、動物達がどの程度の学習能力があるか
素人で分からぬところだが、車の音がしただけで路上から逃げ出す
ということは、あまり考えられないのではなかろうか。
なぜならば、動物達が「道路」の概念を持たない事。
確かに、車の音がすると、光と共に大きな物体がやってくると
学習している可能性はある。
が、直接接近してきていても、それが「道路」という連続的なもので
エンジン音がすれば、必ずやってくる、と認識しているとは考えられない。
エンジン音と車の接近を関連づけて学習しているかどうかは怪しい。
それから、特に危険を感じることもあまりないのではなかろうか。
追いかける人もほとんどいないので、物陰に隠れるだけで
そう遠くへは行っていない事は、我々も体験的に分かっている。
それだけに、場当たり的に、目の前まできたらとりあえず避ける
程度にしか危機感が無いのだろうと思う。
車は天敵ではないことからも、十分想定できる。
Oちゃん的には車の接近音で動物が逃げる、というが
長男としては、接近し、直接ライトを当てない限り
ほとんど逃げないだろうと思う。
今回の珍客がこれ。
(左側が頭だ)
逃げているのか、アタフタしているのか、夜が急に明るくなって嬉しいのか
それとも、スポットライトを浴びたんで、何か芸をしたかったのか
車の前の路上を1mぐらいの円を描いて走り回っていたゲジゲジさんである。
あまりに速く動く足が目にもとまらぬため、ぼんやりしたものが路上を回るので
実に謎めいて見えるところも魅力かもしれぬ・・・
幸い、芸を終了して路肩で休んでいるところを撮影できた。
このゲジゲジさん、デカイ。
足を入れると10センチはゆうに超える。
本土のより足が立っていて、走る姿がたくましい。
フナムシやゴキブリの様にコソコソ、シャカシャカというよりは
シャーという感じで爆走している感じが、長男、やや気に入った。
ぜんぜん気持ち悪くも無い。
本土のゲジゲジは中途半端に小さいので、知らないうちに
どこか背中などに這い登られそうだが、こいつなら気づくだろうし。
から揚げにしたら結構香ばしそうでもある。
ただ、こいつは昆虫やクモを取って食べるので人畜無害。
ホームページをアチコチ調べたが、この手の赤いのは見当たらなかった。
でも一応、オオゲジという種らしい。
オオゲジは本土にもいて、本土のはもっと優しい、麦わらのような色を
しているようである。
確実にゴキブリを取ってくれるのなら、実に逞しいパートナーになれる
良いヤツに見えるのだが、クモを食べてはいかんな、クモは。
ハエトリ君は長男の大好きな心の友?でもあるし。
ということで、あとは、謎の声の主探しである。
夜な夜な、二種類の謎の声を耳にした。
ヘポッヘポッヘポッヘポッと水辺で鳴き続ける、多分、鳥と
ギャッギャッギャッギャッと木の枝で鳴き続ける、多分、哺乳類。
デジカメのビデオモードで録音したが、まだサウンドファイルとして
取り出せてない。
肝心の我が家の最強ノートパソコンが修理中なのだ。
大好きなうどんの食べ方である、ずりだしをやったとき
誤ってうどんの煮汁がキーボードにかかってしまったのだ。
(どういうシチュエーションでそうなるのだ・・・)
普通ならお湯で洗って二週間も干せば治るのだが
異常に緻密な作りのダイナブックのキーは、キータッチこそイマイチだが
高級品みたいだ。
おかげで洗っても治らなかったとさ・・・・
パソコンが治り、
サウンドファイルが取り出せたら、またお知らせしたい。
ともあれ、夜の徳之島、長男もOちゃんも、まだまだ修行が足らぬようである。
次に挑戦できるのはいつになるやら。