Oちゃんの島の生き物達

 


お盆に突入してしまっては、殺生はあきません。(なぜか関西弁)

アカショウビンでも撮影せねば!と力を入れて林道を目指す。

 

それに、モズ博士Tからリクエストのあったヤマガラも

昨年撮影したものだけでは芸がないではないか。

もっと接近し、技を駆使し、よりオモシロイ写真が撮りたい

それが、フォトグラフィックソウルに火がついた長男というものだ。

 

む、むむっ・・・・

いつもの林道の入り口、忘れた・・・・・・・・・

 

どこだっけ、まだだっけ、

あれ?見た事ない景色だな、行き過ぎたな・・・・

 

そうこうしているうちに、アカショウビンの声がしてきた。

あわてて車を止め、すぐにエンジンを切り、カメラを握り

ドアを半ドアでやめて音を出さないように外に出る。

 

「キキョ、キョロロロロロッ」(遠くへの呼びかけ声)

「ポ、ピィーポロロ」(近くの仲間への「待って待って」といった感じの声)

幸い、道路の両側で声がする、という事はどっちかが道路をまたいで

ひょっとすると近くの枝に止まるかもしれない。

 

こういうときは、蚊に刺されようと、暑かろうと

木となり、空気となり、風となり、路傍の石となり、じっと待つのだ。

 

おおっ

餌を取った!でも遠いなあ・・・

デジタル処理して精一杯でこの程度、まだまだ粘ればいけそうだ。

遠い枝で、虫をビシビシと枝にぶつけて弱らせている姿が見える。

 

・・・・・・・・・・(待つ時間)

 

「キョロロロロロッ」

おっ!近いぞ!

でもどこだ?慌てて動いたら、こちらが見つかってしまうので

そっと、くまなく周りを見回していく。

木立の向こうに居た!距離にして15mくらいか?

かなり近い方だ。

チャ〜ンス!!!

画面的には小さく見えるだろうが、コレでも大きいのよ!!!

 

拡大するとこんな感じ。

 

800万画素はだてじゃなくて、しかも今回すべてRAWデータ撮影。

プロ仕様のデータで保存してあるので、もっと高画質で拡大もできるし

現像もできるのだが、ヤヤコシイ説明は省略しましょう。

(これは同時に記録される400万画素のJPEG画像を使っている)

 

本当に葉や枝の間から見えるわけで、アカショウビンからは長男が

よく見えないとみえて、あまり気にしていない。

結構のびのび過ごしてくれている。ラッキー!

 

良かった、とりあえず、アカショウビンは撮れた。

実は、その前に、何度も10m以内にやってきたことがあって

でも、双方共に慌ててしまって、撮影ならずであったのだ。

去年撮れた超近距離撮影は、アカショウビンがたまたま真上に来て

真下に居た長男を人間として認識できなかったようで

こんな機会はまずありえないということが今回よ〜く分かった。

 

そうそう

林道を探さねばならぬのであった。

 

ようやく入り口を見つけて突入。

いつもはクロウサギ撮影で夜しか来ないが、今回は昼間だ。

鳥が集まっているのは、沢の周辺で、木が茂り、それなりに

飛び回る隙間で木が生えており苔むすくらいの湿気があるところだ。

 

そんな場所を通りかかる時は耳を澄ます。

 

ピピッ!ピピピピッ!

ギース!

 

おっメジロにサンコウチョウか、とりあえず、他に何か居るかもしれないな。

そっと車を降りて、探索に入る。

しめしめ、去年は見なかったけど、結構好奇心旺盛なんだな・・・

やってきたのはサンショウクイである。

太いセキレイといったくらいの大きさで、ヒヨドリよりは一回り小さいが

スズメの倍くらいある。

本土のとは違って、羽根が黒くて白いシマというか斑があるのだ。

 

一応、かわいいので、森のお目付け役のメジロも撮影しといた。

地元の方々はあまり気づいていないが

メジロはたいがい、島の場合、スズメと同じくらい個体数がある

大勢であるから、本来ちっともめずらしくなく、撮影しなさそうだが

あまりにもカワイイやつなのである。

何かあるとまず群れでやってくるのが、この連中であった。

 

この林道の終点はダムである。

ダムの周囲はひらけているので鳥はいないか、昼間は隠れている。

 

気づくとヤンマ系のトンボが、張り巡らされた金網で休んでいる。

ヤンマが休んでいる姿自体が珍しいと思い、とりあえず撮影。

かなり無理して休んでいるというか、羽根は休まるが

足は必至に金網をつかみ、羽根だけ休めている感じだ。

足が疲れたら、また飛ぶに違いない。

 

暑い時、右手でウチワを仰ぐのが疲れたから

とりあえず左手で・・・・みたいな感じに見える。

 

後で調べたところ、正にウチワをあおぎたくなるような名の

大型のトンボ、タイワンウチワヤンマという種であった。

 

かなり深いオヤジギャグ孝行なやつだったんだなぁ・・・

 

さ、オヤジギャグヤンマは、もういない。

戻ってまた、探鳥である。

本来はヤマガラを探しに来ているのだから。

 

林道はココだけではない。

アチコチ回ってみると、いろんな鳥が居そうだ。

 

森の住人達は鳥だけではない。

やっぱり足元を案内しようとする、本土のとは全く違う輝きのハンミョウ。

 

油断して、道を横断する時に、アカショウビンの餌食になるトカゲ。

 

木のそばを歩く時に、ふと視線の端で動き、木の裏側に回りこむ

キノボリトカゲ(20センチくらい)も、なかなかカワイイが

人間嫌いみたいだ。

 

見た事もない美しい模様のあるタテハモドキ、

モドキなどとは失礼なっ!というほど美しい。

こんな生き物達に遭遇しつつ、鳥への集中力を失いそうになりながら

林道を進むのである。

 

さあ今度は

北部の林道に突入し

メジロの声を聞き、車を降りると

やにわに周囲が騒がしくなった!

どうも、長男自信がモビング(集団威嚇)の対象になっているようだ。

「40歳を前にして、独りモノっ!釣りベタっ!」とか叫んでいるみたいだ。

 

しかし、そんななかに、その叫びとは別の声が・・・

「40前でもがんばらにゃ!、徳之島は沖釣りじゃなきゃ駄目よ!」てな

ギュギュギュギュギュッ!といった声が聞こえてきた。

これこそ、モズ男ことTがリクエストしていたヤマガラであった。

 

モビングになると、その相手を確認するのと、威嚇するのとで

相手がどうあれ、接近してくる。これが好都合となった。

まさか、長男がモビングされるとは・・・

39歳ともなると、鳥にも警戒されるのか・・・? やばい、やばいぜ・・・

 

それはそれとして、ヤマガラはこれくらい迫れるくらい撮影できた。

もちろん部分拡大だが、これでも縮小してあるのだから

結構学術的にも使えるはず。

かゆい時はかく・・・羽根越しにかくタイプだ。

ちょ、ちょっと格好悪いぜ。よそでやってくんな・・・

 

ん?ほかにもお客さんが・・・でもかなりヒッコミジアン。

うーむ、ハシナガウグイスだと思うんだけど、ムシクイともなんとも・・・

ちなみに、別の所でハシナガウグイスと思われる小さなメスも確認した。

 

そうそう、宿の近くに川があり、そこも探鳥ポイントであるのだが

今回はようやくカワセミを撮影できた。

といっても、ふつうのカワセミなんだけどね。

 

はてさて、今度は

いよいよOちゃんと夜の探索に突入である。

これこそ徳之島本番!力は入るが、成果やいかに!

かなり引張り気味に、次週へ続く・・・


ではまた