Oちゃんの島の、二年目

 


島生活だけでイッパイいっぱい、アップが遅れてしまいました。ご容赦。


欲張りすぎて、大変である。

大切なビーム砲レンズが一本、はみ出してしまい

仕方なく、ザックの横に取り付けることとなった。

パソコンを半分以下に小型化したにも関わらず、である。

 

確かに、今回は普通と違う装備をもって来ている。

いつもは絶対に持ってこないソフトルアーとか

シングルフックばかりに交換したハードルアー類をタッパーに入れてとか

マニアックな鹿児島中心の昆虫図鑑とか・・・

 

ともかくも、夏休みを全力で楽しむ装備たちであった。

 

今回の第一テーマは釣り。

不眠症の療養を兼ねているので、早朝の釣りはできぬ。

いつもの山(さん)集落の宿は、すぐ前が漁港で便利。

夕暮れまではあちこちの林道や、探鳥ポイントで

写真を撮りまくってから、釣りがヒョイとできるのである。

 

ただ、相変わらず、ルアーにかかるような魚は居なく

今回は内地用の小さなルアーも持っていったが

やってきたのは、それと同サイズのヒラアジの子供たちばかりである。

小川の流れ込みもあるし、ボラの子供も多いんで

最高の漁港と思うのだが・・・

 

あるとき、昼間近い時刻までぼんやり釣りをしていたら

突如50センチはあろうかというボラが、水面で暴れている!

パニックになって何かから必死に逃げているのだが

漁港の中まで逃げ込んで来ているのだから

そういうボラを追いかけるやつが居るということだ。

 

見たい、何が追っているのか見たい・・・と思っていたところ

まっすぐ釣っている長男めがけて、ボラが突進してきた!

堤防手前で急カーブを切ると、後ろについていたのは

なんと1mくらいのロウニンアジ!

 

居るのである。

 

地元では、さっぱり狙う人は居ないが、居るには居るのだ。

その後、慌てて車に積んであった仕掛けを取りにいって

静かになった港で、あれこれ投げてみたが

満腹になったのか、ルアーには何の反応もなかった・・・・

 

てゆーか、大きなルアーを引いても、やってくるのは

10センチあるかなしかの、将来大物のヒラアジっ子の群れのみ。

自分の体より大きいのに、追いかけてくる勇猛さは

さすがはヒラアジ、血が騒ぐトですか?ね。

 

では!と前から目をつけてあった、

戦艦大和の慰霊碑のある、犬田布岬へ行くことに。

ここは水深がありそうである。

隣の磯で釣っていた、変なおじさんがこっちの磯までやってきて

様子をうかがっている様であったが、挨拶したら去っていった・・・

やっぱり変なおじさんトです。

 

出発直前に買った新兵器の竿をセットアップし

まずは60gのルアーのフックを外して投げてみる。

釣り用語でカウントダウンというのだが

重く、沈むルアーは何秒沈ませて釣るかカウントする。

その限界の深さを、まずは測るのだ。

 

沖合い150m近く飛んで、カウント開始。

20秒、まだまだ・・・・30秒・・・まだなの・・・40秒すこしで

ようやく着底。

軽く40m以上の水深がある!

これはすばらしい。

頭の中では、カンパチやハタ類、

ギンガメアジ(深いところに居る美味しいヒラアジ)が、舞い踊っていた。

 

さっそく、フックを付けて、キャスト開始。

遠く、ゴリゴリっと懐かしい手ごたえ伝わってくるが、乗らない。

ルアーを検めると、案の定、頭のところがボロボロである。

 

・・・バラクーダか、ここにも厄介者わい・・・

 

南大東では食べられたが、恐らくここのは毒があって食べられぬはずだ。

しかし、そのアタリ以外、何も起こらない。

シャクろうが、早巻きしようがアタリはない。

 

しかも、今回新調した竿が細すぎ、脇にかかえてシャクると脇腹が痛い。

こりゃ、また改造わい・・・

 

ふと目をやると

がけの上で釣っていた、大物釣りか石鯛釣りのオッチャンが

両手を広げて長さを示し、このくらいの大物がそっちばむかっとっとよ!

とゼスチャーで教えてくれるのだが、どうしていいやら分からぬ。

 

と、水面をバシャバシャやるタイプに変えると・・・・

シュボッ!という音とともに魚がルアーに襲いかかるものの

何のことはない、バラクーダであった。

 

すごいポイントなのに、まわりの誰も釣れとらんトです・・・

結局、犬田布は3度も行ったが、全くダメであった。

 

一方、第二テーマが撮影。

 

しかし、こっちも楽ではなかった。

去年と全然状況が違うのだ。

すべての鳥が子育てを終えており、親離れも進んでいる。

集落付近でも山でも、親と幼鳥が分散し、しかも巣立った子供が

数的には多いので、サンコウチョウなど、本来の長いシッポも

ブルーのアイリングもない幼鳥ばかりで華がない。

(サンコウチョウの幼鳥)

 

アカショウビンとの遭遇も、かなり機会が作りづらく

めったに会えないし、寄っても来ない。

寄ってきても電線の上では味気ないトです・・・(贅沢)

(夕方のアカショウビンは上機嫌)

 

集落の周りに居るのはメジロと、サンコウチョウの幼鳥とアカショウビン、

やかましいヒヨドリと、関東では当たり前のシジュウカラくらいだ。

 

ある時、いつもの探鳥ポイントの神社で、小鳥が騒ぎ出した。

モビングのようである。

(テリトリーに入った敵に対し、種を超えて集まり威嚇{いかく}する行動)

後でOちゃんに話したら、ハブが居たのではないか、という。

おしい、明るいところで、しかもゆっくりしか動けない樹上で

じっくり撮影できるチャンスだったのに、鳥に目を取られて

そちらに頭が回っていなかった。

そう、ここはハブの島だったのだ。

 

集まった鳥は、最初に気づいて騒ぎ出したメジロ、それからぞくぞくと

シジュウカラ、サンコウチョウ、キツツキのコゲラ(アマミコゲラ)、

始めて見るサンショウクイ(リュウキュウサンショウクイ)などが

入れ替わり警戒の声をだして

下に居る人間など気にせずジャンジャン寄ってくるので

大助かりであった。

(コゲラ、威嚇じゃなくて餌探しじゃん・・・)

と、いっても、成果はサンショウクイぐらいだが・・・

(サンショウクイ、威嚇しても、もともと声が小さい・・・)

肝心の赤くて美しくてテリトリーにうるさいアカヒゲは

モビングに参加する勇気がないのか、ついにやってこなかった。

 

この、アカヒゲ、毎回同じ場所で見られるのだが

警戒心が特盛りなので、まずもってレンズを構えたころには

林の奥へトンズラしてしまい、狙っているものの全然う写せぬ

強敵である。

 

だが、たまたまモズ博士Tよりリクエストのあったヤマガラの

ポイントへ行ったところ、わずかに油断している瞬間をとらえた。

(アカヒゲのオス)

アカヒゲ、普段はコロロロロッ、コロロロッと小さな声で鳴いている。

あまり書物には載っていないようだが、地味な声も出す。

一方、表現しようもないほど、華やかで、いかにも美しい声を

森中に響かせることもあり、神出鬼没、美声の持ち主と

数が多い割りには、たまにしか見られず、聞かれずという

恥ずかしがり屋ながら、魅力的なヤツである。

 

うーむ

今回は苦戦わい・・・

もうじきお盆、殺生たる釣りは休むとするか・・・釣れそうにないしな・・・

Oちゃんが休みを取るので、夜のクロウサギ撮影にも挑まねばならぬ。

 

油断すると、船下ろしも手伝う事になるのが、島生活の良い所・・・

はてさて

どうなりますことやら。


ではまた