改(あらた)の魂2


このところ、考えていることがある。

デジタル写真は紙に焼くよりも、光画としてそのまま見たほうが美しい、と。

 

そのときに

卓上で見るにはやっぱり写真サイズなのだろうか・・・

部屋で見るときにはフォトスタンドか、フォトフレームサイズだろうか・・・

 

じゃあ、せっかくだから

とりあえずどっちも実験すべし、ということにした。

 

まずは我が家にある12インチ超高精細液晶搭載のペンパソコンを

フォトフレームに見立ててみた。

縦にするか、横にするか悩ましいが、細かいところまで見える

スライドショーは、撮影したときの旅の思い出を思い起こさせ

気づかなかったことにも驚かされたりする。

 

だが、ちょっと心持と小さい気がした。

それは昼間、部屋の中でぼんやり眺めるにはB5サイズくらいの

画像では、せっかく細かくて美しい写真も、遠くてよくわからぬのだ。

 

一方

夜、寝転んで音楽を小さくかけて寝るのに、PowerBookを使ったりするが

このときの画像はでかすぎる。

ペンパソコンはお休みタイマーソフトが入ってないので、枕もとで使えぬ。

まあ、大きさは同じだからと12インチ液晶のPowerBookで音楽をかけて

寝ようとするが、まず画面が明るすぎる。

そして絵がでかすぎる。

絵本じゃないんだから、もう少し遠い思い出写真風の・・・

大きさで居てほしいのであった。

 

人間とは微妙な生き物である。

 

普通の写真くらいでスライドショーしたいが、音楽も・・・となると

iポッドPhotoがあるが、あれは画像が小さすぎる。

 

M:ROBEというオリンパスの、正にフォトフレーム的に写真と音楽を融合した

マルチメディアプレーヤーがあった。

最近、値段もこなれて、安いところでは27,000円くらいで売っている。

ただ、これは容量が20GBしかない。

長男の音楽ファイルは4000曲以上、21GBを超えている。

写真が入る隙間がない・・・

 

もうひとつ

エプソンからは、音楽や動画まで再生できるフォトストレージが出ていて

液晶も美しいのだが、容量が40GBあってなかなかである。

しかし6万くらいするし、音楽もおまけ程度でしか鳴ってくれないので

ランダムプレイなんかが出来そうにないので、毎晩同じ曲を聴く羽目になる。

 

う〜む、つくづく人間とは微妙な生き物である。

 

そこでふと思い出した。

その昔、VAIOに小さくて細かな表示の出来るノートパソコンがあった。

だが、キーボードが小さすぎて、当時は使い物にならなかったから

箸にも棒にもかからぬものとしていた。

 

けれども今回は違う。

キーなど動でも良い。

音楽が自在に奏でられ、画像を自在に表示でき、枕もとでささやかに思い出を

かもし出してくれる機械になるではないか。

 

あわてて、横浜のソフマップ中古ブースに足を向けた。

案の定、夜にふさわしく、ほしかった上のグレードの黒いのは無く

初期型しかなかったが、それでも状態は良かったので買ってみることに。

 

さて

あらためて夜になり、電源を入れてみた。

「しゅしゅしゅうううううん」

な、なんじゃこの音は・・・そういえば、おふくろ様に譲ったVAIOも

そんな音がしていた気がした。

数年前、まだ流体軸受け草創期のハードディスクは、こんな音がしていたようだった。

 

だが、改の心はその先を思い描いていた。

 

標準では20GBしかないので、到底前述のデバイスたちと変わらぬどころか

使えないキーまでついて重い分、劣っている。

ただし、これはパソコンだ。

金と勇気と技さえあれば、改造が出来るのである。

手に入らないのではと、最大の心配事であった

特殊な1.8インチのハードディスクも、じき見つかった。

 

おそらくは、iポッドPhotoに搭載されているものと同じ60GBのもののようだ。

欲を言えばきりが無く、100GBくらいはほしいが、これが現代科学の限界だ。

 

組み込んでみる。

 

だが、セットアップしようがない・・・

古いマシンだから、純正のドライブが見当たらず、リカバリーディスクが

無用の長物となっている。

 

いったいどうしたらよいのだろうか・・・Webを調べても

トンと思い当たる記事は無い。

 

そうか、そういうときこそ、マニュアルに戻るとです・・・

 

マニュアルには見覚えの有るCDドライブ品番が記載されていた。

それは、おふくろ様に譲ったVAIOに標準添付されていたものである。

世の中には運命というものがあるように思えてきた。

 

とりあえず、さっそく我が家へウナ電を入れ

家では受け取りが遅れるので、会社側へ、

くれぐれも着払いだけは勘弁してとお願いし社配?してもらった。

 

いつもならOSインストールといえば面倒で、やるかたない時間なのだが

心地よくセットアップを終え、起動してみると驚いた。

 

音がしない

 

あの「しゅしゅしゅううううん」はどこへ行ったのだ???

想像を越えた静けさが、夜の7畳ひとまを感動と共に満たしていった。

科学とはすばらしいなあ、改造とはよいものだなあ。

中古パソコンと新品ハードディスク含めて10万円をちょっとだけ超えたが

前述した機能を全てクリアしている。

欲を言えば、夜バージョンとして黒い本体で居て欲しかった。

 

黒いの見つけたら、多分買っちゃうだろうな・・・

 

小型過ぎてキー配列はハチャメチャだから、島でのホームページ更新は

とても苦労させられそうだが、かわいいから許す。

とても美しい画面に、うっとりしてしまう。

とても美しい写真に・・・・うっとりしているのだが?(文字通り自画自賛)

ほとんどLサイズプリントと同じ大きさのカワイイ画面、

そのくせXGA。(1024×768ドット)

ソニーの無闇なテクノロジーへのコダワリに、ズイブン遅れ馳せに助けられた。

 

プリンストンの超コンパクトUSBスピーカーとの相性も抜群。

愛着のあるPowerBookにはかわいそうだが、今回はこのセットで徳之島へ行こう。

あれこれ撮影機材が増え、おまけに新しい釣りもやってみたいので

コンパクトな装備に越した事はないのである。

 

うん、いい買物したな・・・うんうん・・・・

久々に満足に満足の重なるいい買物に酔いしれたひとときであった。

 


追伸

こんどは部屋でジックリ見つめられるポスターサイズ?の

フォトフレームを考えている。

もう数年待てば、ペーパー液晶という、電気も食わず

紙の様にうすく曲げられるデバイスが発売されるはずだが

それまで待てない・・・・どんなものを作ろうか・・・

フォトフレームソウルに火がついてしまい、しばらく消えそうにない。


ではまた