帰ってきた 夏

 


 

 

去年の夏は暑くなかったらしいのだが

正直余り覚えが無い。

覚えが無いということは、大した夏ではなかったということだから

多分暑くなかったのだろうという想像はつく。

 

最近めっぽう島を行き来するので

一年が短く感じつつも、なぜか記憶は数年分のようで

昨年の記憶がずいぶん遠い思い出のように感じる事が多くなった。

 

家に居ることが好きではないので、家もズイブン荒れたままだし

片付けもままならないが、まま、それは置いといてもよい。

今やらずとも、いつでもできるし、さして困ってもいない。

 

そういえば、セリカを購入して一年になる。

納車されてからだと、まだすこし一年に足らぬが。

一年間で洗った回数は一度だけ。

ちょっと流してやった回数も一度だけ。

傷があるがバンパーだから、それはあって当然だろうと治す気はなく

だからといって、一応スポーツカーなのだから、このまま真夏の太陽に

ワックスもなしに日干しにして置くのも忍びない。

 

そこで、今回大奮発し、車に服を着せてあげた。

そう、夏も暑いのに、半そでだからよかろうとばかりに

愛犬にも着せてあるあれだ。

昔、黒電話にも着せてあった気がする・・・

いや、そんな服は車にはない。特に極めてセリカにはない。

 

見た目には裸のまんまだが、ハイテクのボディーコートである。

強力なフッ素樹脂で3年間保証つき。

会社帰りのディーラーさんでやってもらえるのだ。

買ってすぐだと、5年保証、一年以内だと3年保証。

ギリギリ一年以内だから3年保証がつく。

 

良く考えてみたら、ギリギリ、というのがお徳であった。

このシステムを知ったのは半年以上前。

買ってすぐでないと5年保証がないと思った瞬間

ちょっと引いてしまった。

しかし引きはしたが、乗る暇もないくらいだから

車が汚れていても関係なかった。

一年間、ほぼ野ざらし。

むごい、むごすぎる。

 

狙ったわけではないが、期限ギリギリにすることで

最大限ひっぱって、3年保証をもぎ取った形になった。

 

長男は、道具を愛さないことにしている。

愛するのは自然とか、魚とか、まだみぬ連れ合いとか

そういうものであって、道具は愛するに足りぬものと信じている。

 

だが、あまりにも暑い日差し、熱い駐車場に

放置されつづけるセリカを想うと、流石の長男も良心が揺れた。

 

先日、会社で徹夜明けに早く帰れたので

ディーラーに寄ってみたら、もう塗られていた。

鳥のおとしもので腐食された部分は、あとが残っていたが

まあ、それはそれで仕方なかろう。

それ以上に、車がピッカピカ!!!

 

美しい、美しすぎる、カッコよすぎるぜセリカよ。

俺はお前の魅力をすっかりナイガシロにしてきたなあと

思わず感情移入したくなるぐらい美しい。

「大好きだった女性にもフラレちゃったことだし

  今度の休みは俺とドライブしようなっ!」と思ってやりたかったが

徳之島だった・・・

  

し、しかしだ、これで三年間は洗ってやらなくても

美しさは大丈夫だぞっ!

・・・・って微妙だな、フォローになってないというか。

 

さて

幸い、台風は音沙汰がない。

どうせ徳之島の近海も以上水温などで、釣りは苦しかろう。

ならば、装備を減らして、ビーチへ繰り出す道具を増やそうかな。

長男のチチの大きさは、最近の忙しさで微妙に小さくなったとはいえ

まだ自分でもワシヅカミにできるほどである。

この腕立て伏せバディで、ビーチの女性を振り向かせちゃろうかなと

野望を膨らませつつ。

用意するのはシュノーケルやゴーグル、水中カメラである。

ビーチへ繰り出しはするが、水につかる時間が長くなる装備ばかりを

用意しつつある・・・ビーチで長く歩き回らなきゃダメである。

しかし熱い砂浜はやっぱり苦手である。

水虫撃退のために、多少はだしでガマンして歩いてもよいが

見つかるかどうか分からぬ女性陣を探し回るために

うろつくというのは、長男としては情けない光景に思えて仕方ない。

 

やっぱり、美しい海に入っているのが一番幸せ。

 

久々に数年分の泳ぎを楽しみたいと思ってしまう・・・

まあいいか、それはそれで。

徳之島というマイナーな島に、ビーチギャルが

それほど居るとも思えんしな。

じゃあついでに海軍用ジェットフィンでも持っていくか・・・

 

あれこれ旅の準備は楽しい。

行ったことのない島をどれだけ楽しめるか

ザック55リットルに詰め込める夢を、なるべく多くしよう。

(全て13センチ以上・・・)

しかし、減らんなあ、釣具・・・


ではまた