きびしま、いやしま φ号

静かな島、変化の島

きびしま、いやしま、ふぁい号

 

いたって静かな始まりであった。

 

出遅れて4月に入り、南大東行きの予約を思い立ったので

大型連休となった黄金週間はは早くからの予約でいっぱいだ。

今年の大東は無理か・・・思ったのだが

当社の誇る?M下旅行のK杉さんはしっかり富士山席

(羽田から飛び立って富士山が見える右側の席)を

確保してくれていて、美しい富士山を見ながらの旅立ち。

このところの不眠現象で3日で5時間も寝ていないから

飛行機でも眠い、カクンカクンと船をこいでしまう。

でも、それ以上は眠れないのだが、なんだか最近はこうした

うとうとや気を失うような瞬間睡眠でも生きられそうに思えてきている。

サバンナのガゼルたちと同じである。

 

はてさて

那覇空港で遅い昼食のソウキソバを食べようか悩んでいた

こうした眠い時は胃腸の動きも眠く、消化が悪いので

せっかくの夕食が台無しになってしまうからだ。

私の肩をたたいたのは大東の大先輩で常連

名古屋系ダイバー総帥、Y田氏である。

 

周りを見回したが、出来上がっているはずのFカミ氏が居ない。

それに今年は大東へは行かず、粟国にするというのだが

どうやら、それは大東でのダイビング環境が変わり

透明度も落ちたのが影響しているらしい。

ともあれ、偶然出逢えたことが嬉しかった。

 

「じゃあ、今年の大東は静かですね」

「どうゆう意味だあ、そりゃあ〜」といった会話も楽しめた。

 

ただ

「毎年、大東ばかりだでっちゅ〜て、クレームが出ただわぁ

 だぁ〜から、行く先変えなショ〜ないんだで

というのは半分以上、ウソであろう。

Y田総帥の語る表情は、やっぱり大東に行きたそうであり

南大東の透明度が下がっていることも寂しがっていた風に見える。

(粟国便を待つ)

 

毎年違った目的で集まる仲間達が集う島、それが南大東。

ダイビング、鳥類研究、昆虫採集、釣り、アマチュア無線、

旅の行き先迷い人・・・などなど大東でしか出逢えない者ども。

ひとくせもふたくせもあるのに、なぜか憎みきれない連中。

 

だが

Y田総帥が来なかったこととは別に

今年の大東には不思議と普通の旅行客が多かった。

 

大物だけを狙ったミーハーな釣り人、普通のダイバーが特に多い。

もちろん意味不明な迷い人も居たのが救い?だが。

カメラとかビデオとかの世界に住んでいて

大東でも好きな機械とともに過ごし、ファインダーばかりのぞいている

白っぽい顔の人なんかもチラホラ見受けられた。

 

別段、妙な人が訪れるのに最適な島だ

というわけではないのだが、いろいろ厳しい自然だけに

人工的娯楽の少ない島だけに、人を選ぶように思う。

 

大東は観光らしい観光がないので、そうそう来られる島ではない。

観光に飽きたり、ミーハーな釣りがつまらなかったり、

人付き合いで心が痛んだり、他の島への予約が取れなかったり

そういう世間一般で、はみ出たり出遅れたり、

はたまた格別癒されたい、研究したいなど大自然が必要な向きには

最適な島である。

 

そうではあるのだが

今回、到着してみて、実際困ったことが発生していた。

 

島は改造ブームみたいだ。

南大東漁港と、北港が発破で

轟音とダンプと砂埃と海中の砂塵で満ち満ちている。

(漁港)

(北港)

どちらも南大東発展ためには必要だと思うが

微妙な感じであった。

 

それに初日、妙に涼しく、海の感じが例年と違う感じである。

午後便で到着してすぐ、といっても16時半すぎから出発して

軽く偵察し、さらにもはや島の父のような存在となっている

宿の社長から「潮上は亀池側(ほぼ南)だから」というのを

聞いていたので、早々に亀池港の横の磯、山田港方面へ。

本来、亀池港へ行けばよいのだろうが

やっぱり人工物に助けられて釣るのは趣味ではないから

磯へ出かけてしまう。

(山田港は下のほう)

 

トビウオカラーのルアーを投げると

しだいに不思議とトビウオがルアーに寄ってきて

水面を小刻みにジャンプして疾走するルアーの横を飛んだり

足元まで追いかけてきて、その大東の海よりも青い背を

ひるがえしたりしている。

 

トビウオの背の青は、心にしみた。

海の青よりも青く深く、鮮やかで

この世の青の中でもっとも青なのではないか

そう思わせる 極め尽くされた青に見え、記憶に焼きついている。

 

うっとりしていたその時

シュボ! バゴッ!

夕暮れのみなもにロウニンアジが現れ、水面のルアーにかじりつこうとし

慌ててルアーをゆっくり引いてみたが、結局食わなかった。

 

こうして、魚は元気だが微妙に食わない海の幕開けが

何か今回の旅を予感させることとなったのであった。


大東旅情は次週へつづくのだが

ここで業務連絡!

南大東へ自家用機で来られていて37キロのハタを釣られたアナタ!

大東そばの伊佐さんに依頼された記念撮影画像はこちらです。

600万画素デジカメの画像なのでファイルは大きいです、ご注意を。


ではまた