釣友が風邪の床から、持てる力をふりしぼってメールしてきた。
否、めったに寝込まないためか、退屈だからメールしてきたのかも。
このところアチコチに良くでかける長男だが、リュックの中身を知りたいという。
珍しい人だ。
長男の秘密の遠征用モモヒキを見たいのか???
愛用である五本指の靴下を何足持っていくか知りたいのか???
真意はいずこにあるかは分からぬがモモヒキくらいなら見せてよかろう・・・
まあこのあたりで長男が飛行機で旅をする時の旅装を明かしてみようか・・・
そういうきっかけとなった。
もともと、南大東に行くにはプロペラ機ゆえに重量制限があった。
今は重量制限はないのだが、一グラムでも軽くしたいという思いは変わらぬ。
だが、時代は進み、デジタル化は進み、長男の趣味も変異してきた。
デジタル装備は増え、反して使う釣具はだんだんリーズナブルになった。
デジカメは今やっとマトモニつかえるようになった時代だが重く大きい。
一方、釣具は自分の腕で使いやすい物を買い求めたら安物で十分だった。
そのうち、デジカメもそうなっていくだろう。
さて、早速その旅装を、つつしんでご紹介だ。
●ザック
●釣具
●お泊り用品
●デジタルカメラ類
●パソコン類
●衣類
●靴
●小物類その他
といった品目にしてみた。
写真は貴重な?記録。
1999年、小笠原へ行く時のものである。
この時は飛行機こそ使わなかったが、横浜の日吉〜東京の浜松町間を
ずっと立ちっぱなしで往復した、飛行機利用と同様のいでたちである。
鼻から旅ではなく、釣り生活なので、道程のことは気にしていないから
すぐ釣りの出来る姿でそのままお出かけしてしまうのだ。
※ご注意
写真には大きさが分かるように、手近にあった
嫌いで食べられないでいるカニ缶を添えてあります。
カニ缶を欠かすべからざる非常食に持っていくのではないので念のため。
●ザック
空輸移動用のザックは55リットルの本格的な山用である。
遠征するのだ!と山用品店にでかけて買ってきたもので気合十分。
現地で歩き回るための小型のザックはデイパック風だが
近くのユニーで買った、カバンの安売り品で1000円のもの。
空輸で活躍するザックは、空港の手荒な歓迎にあってしまうから
丈夫なものでなくてはならず、さらに重い装備を背負って
空港まで行くことになるため、最悪は込み合った電車などで
一時間半くらいは背負ったままとなる。
だから、背の部分に甲が入り、ショイコのように
過重を分散するタイプを選んである。
曲がらない硬い筋金?入りだが、パッドが柔らかくて
さすがは山用であり、柔らかいと子泣きジジイ状態で
重きに鳴きて、三歩あゆめず状態となり、しまいに苦しむ。
現地用のリュックはいい加減で良いが、南国ならば雨に悩まされるから
内側に多少防水的な皮膜のあるものが助かる。
これは高級品だと分厚い背当てなどがあってかえってカサバルから
安物をかって消耗品としている。
どうせ、レンタカーの助手席か、レンタバイクのメット収納に入るから
軽い防水で皮一枚のようなリュックで十分。
けれど、肩掛けの付け根部分は要チェック!
案外いたみやすく、時とともに、意外に早く千切れてくる。
ここの縫製だけは見逃さないようにして買っている。
(分かりにくいですな)
で、空港直通バスまでは、このように
親ザックの背にデイパックとライフジャケットを固定して向かい
バス〜空港〜機上〜現地は、ライフジャケットを残し
デイパックへパソコン、デジカメ、カメラを移し手荷物にする。
機内持込にしてしまえば、空港や機上で撮影も出来るし
精密機器がバゲージの手荒い歓迎を受けることもないのだ。
●釣具
これは、釣るものによって変化するので、参考までに。
現地で使う道具を収めるバッグは現地のスタイル次第。
沖縄の場合は、デイパックで磯まで移動するが
それ以外は身軽にウエストポーチだけで移動する。
それぞれにおさまっているものは違うのだ。
沖縄用ルアーは、本体と針と針カバーをバラして移動する。
▼共通
ライフジャケット
竿と竿袋
竿は釣る魚に合わせ都度変わるが、持っていくのは2〜3本。
右端のタモ網の柄は南国も本土も共通。
6メートルあるので、高い磯でも安心。
ただ、以前カンパチを釣った時、先にあるカーボン製のネジが
重さに耐えられずバカになったので、南国に行く時は金属ネジに
交換した先っぽの節だけ交換して持っていっている。
輸送ケースは上州屋で買った竿袋だが
国内だからか飛行機に積んでも竿が折れたことはない。
預ける時に「釣り竿だから気をつけてください」と一言加える。
魚ごとにアレコレ変えるリール類
なんにでも使えるシマノ製ステラ、でももう旧式。
袋はおふくろ様につくってもらっている。夜なべではない。
こちらはルアー用ではないが、ルアーの飛距離がすこぶる伸びるので
愛用している磯投げ用リール。安くて優秀だが、ちょっとガタが大きい。
リールにはいずれも替えスプール(糸巻き)を用意して、
それぞれ違う糸、太目のナイロン/PEと、細めのPEを巻き
ミノーイング/ポッピングと、ジギングに対応できるようにしている。
それから、最近始めた左投げにも対応できるよう、リールの取っ手も
現場ですぐ入れ替えられるものを好んで使っている。
イカ餌木
本土でも沖縄でも奄美でも使えるので便利。
安物は目が取れたり張ってある布が破れたりするので
やっぱりそれなりの物を買っていくべし。
せっかくの遠征だしね。
▼沖縄など南国仕掛け
ポーチと道具類、中央上の十字のものが大物用ハカリ。
20キロまで計れるが、未だに振り切れたことはない。
ナイフ、ウロコとり、ギャフの頭、頭につけられるマグライト
ばんそうこう、針研ぎヤスリ、歯の鋭い魚用のケブラー糸
予備電池などである。
(ギャフの頭:タモの柄に付けると、長いギャフになる。ギャフとは
右上の方にある、フック船長の物まねが出来そうな大きな引っ掛け)
大型ルアーを持っていくときはルアー本体と針と針カバーは分別する。
なぜかルアーを持ち歩くと針カバーが外れて、カバンや袋から
ブッサリと突き抜け、うっかり手や体に刺さるから外しておけば安心。
左の袋の上にあるのが、上から針カバー、
売っている時に竿が入っていたケースを詰めて作った針ケース。
そしてカニ缶・・・・
フィッシンググローブは二組用意。ぬれて気色悪い時は
乾かしておいて、予備を使う。
魚を活かしておくストリンガーだが最近はすぐシメるので使わない。
生かしておいたら、結局ストレスがたまって味が悪くなるから。
ロープの両端にそれぞれ違うサイズのストリンガーをつけてある。
下のは友人からもらった巨大魚用。上のが普通サイズ。
使わなくとも、非常用ロープとしては使えるので持っていくと安心。
これぞ南大東のミツさんから伝授されたたまねぎ袋
(左下は全部を収める袋)
たまねぎ袋は軽いうえに破れないので、磯で釣った魚を担いだり
バイクに乗せて持って変える時、バスケットに入れたりできる。
そして釣れた時、たまねぎ袋の内側に入れて使う黒いごみ袋。
今は透明でなくて使えなくなったので安く手に入る。
右下のが、そのロールになったもの、コンパクトで
何袋も入っていて便利である。
クーラーボックスなどは持っていかず、釣れたらすぐ持って帰る。
これが最も鮮度を失わず、美味しい食べ方につながる上
一切かさばらない、究極の魚輸送手段。
釣れるか釣れないか分からないルアー釣りでは
クーラーボックスはかさばるので、フットワークを悪くする。
釣った後、速やかにシメてやり、宿へ輸送するのが一番美味しい。
▼本土系など中小型仕掛け
ウェストポーチとその仲間達・・・ルアー、10キロハカリなど。
多すぎて入らないルアーは別途、左の袋に入れテンコ盛で持っていく。
上の沖縄用に入れ忘れたが、右上の方に小学校時代の
裁縫道具に入っていたメジャーがある。軽くて便利。
けれど日本記録、世界記録は長さではなく重さ。
メジャーよりはハカリを優先しましょう。
中小型魚用の取り込み用品
小さなギャフ(上)と広げると直径60センチのタモ網。
▼その他小物アレコレ
島では修理がままならないので、多徳ナイフは欠かせない。
レザーマンWAVEが中活躍する!
ペンチにドライバー、ナイフにはさみ、ロープカッターにヤスリ
あまり使わないが、なぜか荷物に入れた瞬間安堵する保険だ。
もちろんカニ缶を開けられる缶きりだってついているが
カニ缶は食べたくないので決してあけない。
てゆ〜か、今はプルトップで要らないな・・・
超小物など
上のフィルムケースと右のものが
ヨリ戻し、スナップ類を入れる樹脂ケース。
右の平たいのは、ライフジャケットなど釣り場へ行くもので
通常三つくらいくっついて売られているが、かさばるだけなので
チョキチョキとハサミで切り離してしまって使っている。
フィルムケースは宿に置いておいて予備にする。
下のものは、髪の無い長男が、100円ショップにおいて
なけなしの勇気をふりしぼって買う、髪留めゴム。
本来は髪の毛がばらけないようにするものだが
昔は後ろで結んでいたこともあるものの、今はその髪も残り少なく
リールの糸だけがばらけないように止めるためのもの・・・
色つきのほうが、磯で落としても気づきやすい。
さらに、これは画像にするほどではないが大切なものが一つ。
ウェスである。
リールのお手入れや、釣り場で竿を収納する時にさっと人拭きしたり
滑りやすい魚をシッカリ握って針を外したり、磯で魚をさばく時に使ったり
魚が暴れて散った血のりをふき取ったりするのに重宝する。
真っ白だと、ちょっと汚れが目立って持ち歩きにくいから
色つきのものがイイかも。ボロ布でよいのだが、まあ贈答品のタオルを
ばばーんと使ってしまうのも気持ちいい。多くの魚の血を吸ったウェスを
なぜか、他より大切にしてしまうのは、僕だけだろう。
いつも乾いたものを用意したいので、少なくとも二枚は持っていく。
パッキングの緩衝材としても使い、荷物の隙間に入れて出かけるのだ。
●お泊り用品
主に民宿に泊まるので、タオル、歯ブラシ
髭剃り、石鹸、シャンプーは欠かせない。
その他、あかすり、虫よけ、ムヒ、日焼け止め
ティッシュ、アイマスク、イヤーウィスパーなんかもある。
シャンプーは小さなボトルに詰め替えて行く。
お弁当のソースを入れるようなチビボトルでも
3泊ぐらいなら大丈夫。
長男は髪が少ないのから、余裕で一週間は大丈夫。
髪が少ないことは悪いことばかりではないのだよ。
●カメラ類
好奇心を満たすために、手を変え品を変え持っていく。
水中で撮影するための水中パックや、
虹、水面を通して魚などを撮るサーキュラーPLフィルターなど様々。
デジタルだけでは不安だと、右上のようなフィルムカメラも持っていく。
デジタル一眼を守る袋、FOXFIRE製。
ドップリと水に漬かってもOKの優れものだが、最近売られなくなってきた。
レンズキャップは、パッと撮る時つい投げ捨てるので、落とさないように
袋側のストラップに細い紐で止めてある。
●パソコン類
これまたイロイロあるが、現地でデジタル写真を確認したり
ホームページをアップロードしたりするのに欠かせない。
はたまた、これまでの写真を現地で御披露目するのにも欠かせない。
だから念入りに全部の写真が入った左下のハードディスクに
デジタル写真全てがおさまっている。
宿のご主人への自己紹介、お客さんとのダンランに役立つ。
(旅先で南関東地震が来た時、自宅のデータが失われても大丈夫だし)
その他、左上、ソニーのGPSは現地で居場所を見失った時に
パソコンのカーナビソフトと組み合わせて使うし
案外役に立つのが右下のタコアシ君で、宿の少ないコンセントで
いっぺんにパソコンやデジカメの充電をすることができる。
ただ、パソコンだけでも一キロを超えてくるので
持っていくときは決心が必要。
不要ならば、持っていかぬこと。
●衣類
本邦初公開!!!
冬場に愛用している、ダイワ社、速乾性モモヒキをはじめとした
速乾性のウレシはずかし衣類。
帽子やカッパは雨風にさらされる上、内側から汗をかく。
ルアー釣りはルアーをアクションさせるので
常にリールを巻き、竿を振りつづけるから、蒸れないものが良い。
そのため、ゴアテックスなど透湿素材のものを選んである。
沖縄に行く時の帽子は、特に汗かきなので、網目のものを用いるが
荒すぎたりすると、頭を日焼けして、えらい目にあうので要注意。
カッパや帽子など、コンパクトに畳めたり、透湿性にすぐれたものは
登山用品で探している。
ただし強度は落ちるので大事に扱うこと。
カッパは特に同じ折り目で畳まないように
毎回違う畳み方をすると長持ちする。
ズボンは特に夏用が問題。
ひざ下が分かれるものを半開きにして着用すると涼しくて
すねを日焼けしないし、南国の磯に降りる途中のトゲトゲ植物を
やり過ごすことが出来るのだ。
網状のインナーの付いた物もあり
これだと泳げるので、半ズボンにして泳いでしまう。
パンツは撮影しなかったが
長逗留の場合は三枚くらい持っていき、フルローテーション。
前後ろ、表裏を入れ替えれば、今履いているものを含めて16泊できる。
靴下も同様だ・・・
ではなく
三日に一回くらいは洗濯するので
土砂降りなどの不意をつかれた時を見越して、ちょっと多めに。
ちなみに、南国ではブリーフは蒸れやすい上に、生地が厚いので乾かぬ。
トランクスが基本である。
長男はこのことに気づき、トランクス愛用派となったが
時折ブリーフが恋しくなる。
どうしてもブリーフという方は、速乾性のブリーフも釣具メーカーなどから
発売されているはずだ。
服は速乾性を選んでしまえば、通常二組で十分。
数時間でしっとり・・・と乾く。南国では乾いた状態が良く分からないから
速乾性なら、乾いたに違いない・・・と信じられることが大切。
ただし、夜、飲み屋に出かけるためのラフな服装は別途用意し
非常時には釣り用として出陣できるようなものにしておくと安心。
●靴
本土の磯はすべるのでスパイク。
冬場にはくことの多いスパイクは、少し大き目を買っておいて
右の分厚いネオプレーン(ウェットスーツの素材)のソックスをはくと
少々波を浴びても大丈夫だし、寒い北風にもヘッチャラだ。
左はちょうど良い大きさなのでアウトドアショップで買ってきた
丈夫なナイロン繊維の袋。
沖縄など、珊瑚礁の磯は滑らず、気温も高いので
水に入りやすく、乾きやすいクロスカントリーシューズや
足を怪我しないよう、つま先の付いたアドベンチャーサンダルである。
つい暑いので水に入ってしまうこともあり
必ずはいて行き来するのと、もう一足予備を持っていく。
(つまりこれを履いて釣りをし、空港を闊歩し、飛行機にだって乗る)
案外忘れられているが、現地で夜などにホイホイ飲みに出るのに
便利なのがツッカケ、サンダル類である。
折りたためるもので軽いものがよろしい。
夜遊びしない!という向きにも、星空がきれいなとき
ゆったり散歩するには、ゆったりとした履物がよろしいだろう。
●小物類
ビニールテープ、傘、洗剤、フリーザーパック(袋)は欠かせない小物。
袋の口が閉められるからイロイロと便利だ。
洗剤があれば、長逗留しても大丈夫。小さな樹脂ボトルに入れて行く。
多めのバンソウコウも安心のために必要だ。
南国に行く時、余裕があったら必ず持っていかなければならないのが
水泳用品である。使うかどうか分からないのでかさばらないように。
釣具を束ねたりするネオベルト(ウェットスーツ素材のもの)は
現地で竿を束ねて持ち歩くのに利用。予備で多めに持っていかないと
結構落としてしまうものだ。
左にあるメモは、旅先で、空港で、色んな時に役に立つ。
メールの無いご年配と住所を交換する時などにも便利だし
パソコンを立ち上げる余裕が無い時でもチョイチョイメモが書ける。
釣果の記録や、不意にオヤジギャグを思いついた時など
マメにメモるにはこれが一番。
大きな魚を釣った時など、つい酒を飲みすぎて記録を忘れるが
その前にチョチョッとメモる事ができる優れもの。
そして、最後はこれ。
最期をむかえるにあたって、首がもげない限り私がわかるもの。
紐は防弾チョッキにも使われる、多分絶対に切れない、ケブラー繊維。
エマージェンシーホイッスルには、生年月日や住所、血液型を記載した
プラスティックペーパーなんかが入っていて、太平洋の藻屑になろうとも
両親のもとへ帰るための最期の道具。
親不孝だが、生死くらいはハッキリさせねばなるまい。
といった具合で、思ったより巨大な特集号となってしまった。
これらをアレコレ悩みながら、ザックにつめて出かけるのである。
おおむね17キロくらいにはなるが、男なら大丈夫だ。
最初は重いが、磯を歩き、帰ってくるころには
不思議と軽く感じられるようになっている。
夢はでっかくなければ、男のスケールもでかくなれない。
でも、旅はなるべく少ない道具がいい、なければ現地で何とかする
これこそが、旅の醍醐味、男のバイタリティだ。
様々な不測の事態に対応できる最小限の装備、これが美学!
なーんて言ってみたいもんだなぁ。
まだまだ、そんな境地じゃないことは、前述の大量の装備が
物語っている。
まだまだ、旅を修行の場としようか・・・