うかつにも、長男が釣られてしまうルアー・・・
長男の選ぶルアーは元々は質実剛健であるが
しかし突然、衝動的に釣られてしまうルアーもある。
人生の半分以上をゆだねてきたルアーフィッシング
こんな半端な選び方があるのか？と思うくらいあっけなく
魚本位ではなくて長男本位で選んでしまうことが結構ある。
ルアーというのは不思議なもので、リアルだからいつもスゴイ
ということはまったく通用しない。
リアルな姿で普通にそれらしく泳ぐルアーは
今まさにその魚を狙っている魚の目の前を通さないと
使えないことが多い。
つまり、待ちの釣り用であるか、もしくはそこに魚が居る事が
ほぼわかっているときに使うものである。
けれども、長男は自分の勘でポイントも探せば
狙う魚もマニュアルにない場合も多ければ
マニュアルに載らないような磯の環境でしか釣りをしない
なんてことも多すぎるほどである。
つまるところ、信じられるルアーで、信じたポイントで
信じる釣り方を展開するしかないわけである。
ルアーには大きく３つの働きがある。
①リアルさで餌のように振舞う
②機能的な形で派手に動いて、衝動的に食べさせる
③仲間が捕食するのをマネて、食い気を誘う
最初のころは①のルアーを使うことが長男の常識であった。
だが、ルアーとは奥深いというよりも
可能性をどれだけ追求できるかという、バイタリティというか
チャレンジャブルかどうかが問題で、おいしい魚をいかに他人より
うまい事ダマシテ釣って食うか＆自慢するかということが大切だ。
①は状況次第というか状況任せで使うスタンダードルアー
②は一番楽しい、使い手次第でどうにでもなるルアー
③は使う気がしないほどヤカマシイが、使い方によっては
唯一集魚力のある、餌よりも離れた狙いに即効性のあるルアー
といった感じである。
①は見た目には欲しくなる美しさを備えている。
②は悩ましく微妙
③は悩んでも買いにくいヨホドの特殊な形
といった感じなのだ。
例外として、良く釣れるとされている不思議なルアーがある。
レッドヘッドといい、珍妙極まりない、信じがたいが
使ってみるとやっぱり良く釣れるルアーというのがある。
様々なルアーが出現してきたため、ことほと困った業界
最近は何かと凝ったルアーが出始めてきているので
つい長男も油断してしまう・・・。
魚を誘うことを考えつつ、自分も誘われる悩ましく美しいルアー達・・・
このごろ究極の「餌」ともいえるスタイルの、ちょっぴりリアルすぎて
卑怯なのでは？と思わせるのが、この５センチくらいのエビルアー
でも3.5ｇしかなくて軽すぎ、よほどやわらかい竿でないと扱えない。
とはわかっていても、カキアゲにしたら実に美味そうなので
買わずにいられない、実に悩ましく、美しいルアーである。
そのかたわらで見つけたのが、横泳ぎの不健康そうな
というか、汚染系不健全泳ぎを見せるルアーがこれだ。
泳ぐ姿は横泳ぎで異様すぎるのだが、妙にリアルにヨタヨタ泳ぐので
買ったあとでようやく気に入った。
気に入ったのだが極めて病的な泳ぎっぷりには変わりない・・・
で、①②③すべての条件を満たしているのが
手作りで有名な、和歌山の猛闘犬丸であった。
値段が値段なだけにいつも悩むが、期待してつい買ってしまう。
泳がせ方によっては、集魚力もあり
リアルで、寄ってきた魚にアピールし、ついには食わせてしまう
不思議な力を秘めたルアーだが、使い方こなすのは難しい。
正統派中の正統派、長男好みのルアーである。
そんなわけで
これは手作りだから、数も少ないために
余裕があれば？見たときにさっと買うというのが実に正しい。
特殊な釣りにしか使えない手作り品で、皆さんにオススメはできんが
一個持っていると、なんだか名品を手に入れた
目利きになった気分の味わえる、とても仕上がりの良いルアーである。
ともかくも
ルアーというのはニセモノであるから
信じなくては始まらない、不思議な釣具である。
「こげなもんでも、釣れるとです！！！」と思い込むことができるかどうかが
瀬戸際になってしまうモノだから、慎重に選ばれ、夢をかけられ
釣れなければ悪い噂が立ち、ヒトタビ釣れれば夢のルアーとして
語り継がれる奇妙な世界でもある。
もっとややこしいのは
気に入ったルアーで一度釣れたとしても
釣れた時の条件がそろわなければ、次は釣れない・・・
でも、信じなければ、次の釣りの時、良いアクションを与えられず
釣果をもたらす幸運の仲間を減らすことにつながってしまう。
信じるものは、皆だましつづけられる・・・のがルアーの世界。
誰一人、身の周りで使っていなくても、使っても釣れなくても
自分には釣れるのだと信じる気持ちが魚を招く、不思議な道具だ。
特に、マニュアルっぽい雑誌が横行し、不景気で気弱な釣り人が増える中
信じられるルアーで釣りを続けるというのは、結構難しいと思う。
でも、
そんな時節だから、信じる力は未来を導く力なのであって
自分を信じて、ルアーを使う気持ちを大事にしたいなあ
なんて思ってる長男であった。