春近し 真鯛は何を する海ぞ
・・・案外、楽園は近くに?・・・
ちょっと気が早い気もするのだが。
花の季節ともなれば
鯛は産卵のため、浅場に乗っ込んで来るのだそうだ。
今まで、春先は花見だの、大東への旅行きの準備だの
ただただ、浮かれていただけだった。
「桜鯛」釣り人の間では
その時期の真鯛の特別な呼び名である。
不思議と南国の魚に負けない派手で鮮やかな魚だが
ピンクメタリックにコバルトブルーの斑点があるのを
ご存知だろうか・・・尻尾の先は黒ぶちだったりするが。
やや斑点が少ない個体もいるのだが
お店に並んだものは、消えたり黒っぽいピンクだったり
養殖が多いのも気になるところだが、それでもなお
めったに買えないからだろうか。やはり先入観だろうか。
お魚の日本代表なのだが、この事を知らない人が多すぎ
ずっと地味な魚と思われてきた
実のところかわいそうな魚ではないだろうか。
海の深いところでは、赤が強いと闇に溶け込みやすい
あの色もダテではないのだが、斑点については謎だ。
今年こそ、本気で釣ろうとは思ってみたものの
昔一度釣っただけだから、どうすれば良く釣れるのかは
よくわからない。
最近は船からのルアーで良く釣れるという事が知られている。
愛知県の伊良湖周辺では専門のルアー船をだすそうだ。
時期によっては餌釣りもタジタジだ、と友人から教わったし
長崎では磯からヒラスズキのオマケに釣れるという。
困ったことにコチラ関東での釣り方はない。
というか、もともと真鯛をルアーで釣るというのは
無理が多い話だからだろうか。
物の本によると、太平洋側は水温の関係で
真鯛は少ないとあったが、伊豆大島周辺は別のようで
大型真鯛を狙った釣り舟が出ている。
そして、秋に入るカンパチなどを狙う磯は
いきなり足元から深く、真鯛っぽい磯でもあって
やってやれないことも無さそうだ・・・と思ったのであった。
これが吉と出るかどうかは微妙だが
出れば一発大物だったりするかもしれず
久々の新しい釣りの開拓、夢はムクムク膨らんできている。
昨年秋、馬鹿でかいブリ系を逃した沖のポイントが焦点。
ここは、ほかの釣り方では狙えないとっておきのポイントで
船釣りならばもっと沖へ出るし、磯からは100m近く沖で
通常の釣り方では届かない。
でも、僕の投げ竿を使った破天荒?な釣りなら
ごく普通に狙える領域である。
投げ竿でルアー釣りをする長男ならでわの釣りであった。
問題は仕掛け。
真鯛が食べるのは、エビ、カニ、タコ、イカ、小魚、
物の本には貝類とあり、以前釣ったとき、胃の中から
貝殻が出てきたのではあるけれど、ルアー釣りの参考と
考えるのは、かなり分析眼が必要ではなかろうか。
当面は釣れると信じている、例のピンクのワサワサを使いつつ
気長に謎を解いていこうと思っている。
以前釣れた、遠くへ投げられるジグ(オモリに装飾したもの)
を頼りに、探ってみるしかない状況だが、それしかとどかない
というのも事実なので、ノーチョイスともいう・・・。
ピンク色ということには妙にこだわっているのだが
色だけではなく、重さにもこだわっていた。
伊豆大島では、時折ものすごいスピードの潮流が発生する。
そのため、沖合いの30m近い水深に届かないため
3オンスと2オンスのジグを使い分けるのだ。
面白いのは、重ければブチ飛びだろうと思われるだろうが
実は、2オンスが最もよく飛ぶ。(1オンスは28グラム)
使う糸の太さや、飛翔中のルアーの重さで糸を引き出すときの
テンション、糸のとおる竿のガイドの抵抗などが微妙に絡み合い
スッキリと飛んでいくのが2オンスなのである。
しかも、肉食魚のなかでも特に魚食魚以外の場合
大きいというだけで食いが渋くなる可能性が高く
その上アクションが大味で、辛い事が重なりやすいのだ。
とどめには、長男の体力を奪いやすいという事も大問題だ。
一方釣り方だが
イカダイ釣りというのがあって
用意された生きエビか、イカを釣ってから
それを釣り針につけて泳がせて釣るスタイルの
いわゆる泳がせ釣りがある。
それから、エビで鯛を釣るスタイルの
ビシマ釣りというのがあって、かぶらオモリという
大粒梅干くらいのオモリに数センチの短い糸
そしてすぐに針が二本という変わった仕掛け。
生きエビもしくは冷凍エビで釣るらしい。
流れの速い土地で有効で、ビシマ糸といって
流れの速い海で糸をなじませるため、糸に間隔を置いて
オモリが点々とついている、筋金入りの漁師仕掛けだが
プロの釣法としては廃れてしまったという。
この釣りの外道として、青物やホウボウなども
来るというから、僕の通っているポイントの顔ぶれと同じ!
イケルかも・・・と思うものの、エビ餌らしいルアーを
どう作るか、演出するかは考え中だ。
ん?伊豆大島の砂地に、エビなんて居るのか?
春のあけぼのは、島で迎える事になりそうだ・・・