微妙に違う野菜
エシャ・・・「レ」ット?
エシャレット?エシャロット?
微妙な名のついた野菜が、売り場に陣取っている。
エシャロットはもともと見た目はコタマネギっぽいやつで
しかし辛味が強めで甘味は薄いものであるそうだ。
名前は知っていたが、実際は何をどうするのか
良く分からない野菜であった。
聞くところによれば、生食はせず、シチューなどに
日本の白ネギ的な役割で入れるようだ。
エシャレットはというと
見た目はラッキョである。
どうみてもラッキョである。
が、やせている。
沖縄で二番目に好きな野菜に「島ラッキョ」
というのがある。
これはもっとモットやせていて、辛味も強いけれど
カナリやせているお陰で、しつこい辛味に悩まされず
あっさり食べられるので大好きだ。
朝、生の島ラッキョにしょうゆをかるく振り
カツブシをかけてご飯といっしょに食べると
一日が実に元気に過ごせる。
僕にとっての活力源だ。
だがエシャレットは辛い。
辛いのか辛いのか分からない・・・と書いても分からないが
カライのか、ツライのか分からないのである。
これはカライといいたかった。
でも、実際ツラクもある。
ゴリゴリかじると、その場は美味いが
次の日一日、口臭に悩まされる。
そうそう
じゃあエシャレットは何者なのだろうか。
調べてみたところ、やっぱりラッキョだった。
実は秘密にしていたが、僕はお徳用巨大ボトルを買うほど
ラッキョ好きであった。
ラッキョにウルサイわけではないが、好きである。
残念ながら市販品は酸味も薄く、甘すぎるので食べにくい。
通常は反対だろうが、キレの無いラッキョは
ラッキョではない。
・・・・って結構ウルサイのだろうか?
子供の頃「ラッキョ食ってシーシ」という鼻歌があった。
これはラッキョを食べて酸い酸いと言う歌だ。
いわばラッキョを食べたとき、見たときのジングルなのだ。
然して、ラッキョ漬けとは梅に次いで
すっぱい食べ物であることが正しい。
さて
ラッキョは硬くしまっているが、柔らかく栽培して
早採りするそうだ。
ラッキョの悩まされていたウィルスに
対抗するために品種改良されたものもあるようだ。
とはいえ、ラッキョはラッキョである。
最近、刺身用アジが一匹100円ということがあった。
見た瞬間、その夜はアジのお刺身となったわけだが
そこでピンと来た。
カツオの本場、高知や鹿児島ではニンニクをスライスして
それと一緒に身をつまんで、しょうゆにつけて食べる。
カツオほど血のにおいのしないアジはそれほどでもないが
良くショウガが使われる。
でも正直ショウガが強くアジが負けてしまい
あんまり好きではない。
で、エシャレットはどうか?ということになった。
もちろん、好物のミョウガと言う手もあるが芸が無い。
ミョウガのように薄切りにして、細めに切った刺身と一緒に
食べてみた・・・・
う、うみゃーじゃ、にゃーキャー!
(お、おいしいではないか、の意)
また叫んでしまった。
魚が美味いとどうしても叫んでしまう癖がある。
爆釣以来であるが、月に一度は叫ぶかもしれない。
不思議なことに、食べている最中も、次の日も臭わない。
回遊魚独特の強い酵素が働いて、臭わないのかもしれない。
ということは、アジを程よく香りでウマミを増し
更に、後味はアジが程よく抑え込んでいるわけだ。
すげー、すごずぎる、アジとラッキョが調和してしまった。
21世紀最初の偉大な出合いであった。
我家は、未来永劫、アジにはエシャレット(ラッキョ)ということに
決定した。
早くコレを相伝する者を作らねばなるまい。
ちなみに、20世紀最大の出合いは、ソウメンつゆと梅肉だった。
(季節のものを組み合わせて料理してみることを
出合いのものを使う、と表現することがあり、出合いとは料理用語)
とはいうものの、本当にラッキョとアジの出合いが
初冬かと言うと実に怪しい。
ま、そんなことはウルサイやつに任せておいて
長男は、いささか一粒あたりの高価さを感じつつも
その素晴らしい効能に、今後もラッキョ改めエシャレットを
愛用していくことにした。
ラッキョを愛していたカイがあったなあ・・・