大東と言えばヤッパリ・・・島寿司?
海で生活を営む人をウミんちゅという。
大東で生きていく人をダイトんちゅという。
デジタルで生きようとする人をデジんちゅという・・・。
南大東で迎えてくれる、この恩人の笑顔は底抜けで
僕の顔を見つけてくれたこの笑顔の瞬間、何もかもが南大東モードに切り替わる。
ヌクヌクと暮らしてきたサラリーマンの僕など遠く及ばない
様々な苦労と、様々な人間模様のなかで暮らし
その上、これほどクッタクない笑顔で迎えてくれる・・・
涙が出るほどうれしく、これほどの人は、これほどの島は他に絶対ないだろう。
僕は、南大東へ来て良かった。
毎度毎度ご厄介になってしまう
吉里会館の社長、そして館長、ご家族の方々、商工会の方々をはじめとして
ずいぶんとお世話になったのだが
人生で欠かすことのできない親友、恩人が
またこの旅で、一層増えたものである。
僕はどういうわけか、故郷を失ってしまったので
こんな故郷が欲しかったのかもしれない。
到着した夕刻、ふと宿のむかいにある大東そばへ顔を出した。
ひとしきり、ご主人の伊佐さんと近況などを語り合ったとき
更に来訪者である。
もはや、大東そばの伊佐さんといえば、沖縄そば通に知らぬ人がないほど
うまいそばとして沖縄にその名を轟かせているので、そば系の人か?
と思ったら、どうも違うようだ。
旅行者とも違っている。
濃い目の顔つきはどう見てもうちなーんちゅ(沖縄人)で
どうやら、伊佐氏の後輩と言うことらしかった。
聞けばその人はOシロ氏といい、伊佐さんから空手を習ったそうだ。
その後、鍛えに鍛えて、沖縄一にもなったそうである。
ちなみに極真流なので、通常は逆らったらまず勝てん人だ。
しかし、実に穏やかで優しく、礼儀正しい人で
本当に心底、伊佐さんを尊敬していて
それはもう身も心も伊佐さんのモノよと言わんばかりの感謝と賛辞を
伊佐さんとついでに僕にも浴びせかけてくれた。
本当に心の温かいひとたちである。
内地の人間から見ると、アタタカイを通り越して、ちょっと暑苦しい感じも
ないでもないが、空手家の二人を前にしてソゲナ事いえまっしぇんって。
くわばら、くわばら。
で、話はトントン拍子で、伊佐さんのところに居候するC野さんも巻きこんで
島寿司パーティへと発展してしまう。
もちろん、魚を釣ってくることが義務とされ、僕もしっかり巻きこまれたのだ。
熱き友情の渦に巻きこまれた、で済むことではない
釣って来ないと、面目が立たないのである。
実はOシロ氏も釣りをするのだが、明日のパーティには
数年前に出会った鳥類学者のモズ男Tの弟子たちが参加するのだ。
確か、Tは自分の教え子たちに、僕のHPまで教えているようなので
釣り人だからというのはバレているはずであった。
この場でサワラの刺身とビールをタダ飲みタダ食いしている身としては
空手家の手前もあって絶体に断るわけにもいかなかったのである。
いきなりこんな苦境に立たされるとは・・・。
大東一日目というのは、どうも小手調べ感が強く釣り難いモノだ。
昨年から目をつけていたポイント、山羊鼻で勝負に出た。
単に、降りる高さが大東一の磯で
降りただけでも達成感があるだけのポイントであった気もするのだが
実は地元の人は、山羊道というところから
難なく歩いてトコトコとやって来れるポイントでもあった。
地元の人も、そんな高い岩場の間から降りるヤツは
オマエだけだと言っていたが、僕は大東の釣り情緒タップリであり
ノンビリと磯際を歩いて行くというのは肌に合わない珍しい体質なのである。
だから、達成感も大切なのだ。
釣れたら、魚を担いでロッククライミングしなくてはならないポイント、
つまり最高の大東フィーリング(疲労感および達成感)が味わえるのだ。
しかしながら、チットモ釣れなさすぎる・・・
ついつい、潮溜りで遊んでしまい、去年からずっと居るらしい
ウツボさんなどを撮影してしまった。(去年の夏だって確かにいたぞ!)
気付くと夕刻・・・。
約束の時間にちょっと遅れて行ってみると
例のTの弟子達3人が既に来ており、島寿司のシャリを握りはじめている。
魚はOシロ氏が釣ってきてくれたサワラで十分だったようで、ヤレヤレだ。
聞けば、案の定、弟子である学生たちは僕のHPを読んでくれており
長男の何たるかを心得ている様である。
気付くと学生さん達に囲まれ、なんだかノリノリで握っている自分がいる。
(いつのまにかハチマキ姿出現・・・)
でも、別に海苔を巻いているからノリノリ・・・などという
オヤジギャグ・・・というのではなく
本当に単純に純粋にノリノリ化しており、これが大東パワーなのか
それとも、暑苦しい気味の友情がなせる技なのだろうか・・・?
ともあれ
シャリがデカイすぎだ・・・切り身が分厚い・・・まあビールでも・・・
などなど、なんだか家族ってこんな明るい感じだったら良いナアなどと
思ったりする長男であった。
学園祭のようなノリで、もう、みんな楽しくて仕方がない状態なのである。
(巻きこまれた?C野さんもウレシそうだ・・・)
僕はと言えば、昼飯を食べていないこともあって?島寿司はスゴうまで
シャリがデカかろうが、切り身の大きさが様々だろうが、そんなことは味には
一切関係なく、楽しい笑いと共に腹にドンドン納まっていく。
釣りはしないが料理にはチトウルサイという地元のX氏の作った
大鍋のウシオ汁がまたたまらない。
(皿からはみ出すサワラの頭の迫力!!!)
ウシオ汁なのに巨大な具であるサワラの頭
特に目玉がたまらなくウマイぞおぉぉぉぉっ!(見た目はおどろおどろしいが・・・)
途中、千葉からやってきたと言うH氏も加わり、宴もたけなわというころ
またしても熱く狂おしい事態に見舞われた。
Oシロ氏が踊ると言うのだ。沖縄ならでわの風習で
内地の人間は知らないだろうから見るが良いといった具合だが
空手の演舞と違って、どうもキレが悪いというか、キレてしまっているというか
振りつけも言葉も、よう分からん踊りである。
まあ覚えておくと、沖縄通ならば一生に一度くらいは役立ちそうであった。
尚、H氏は島に来たとき、気合を入れてボーズ刈りにしてしまったのだが
正にそれが叶ってしまった男で、これまた並外れたというか
的はずれたというか、ボーズ的にはズバリ的を射たというか
不思議に釣りに対してメッポウ熱い男である。
(このシブイ顔、ボーズにしておくにはモッタイナイ情熱家の男だ)
ボーズにするだけの髪があって、実にうらやましいヤツであるし
釣りに対する熱さは、はるか僕以上と見た。
ともあれ、あれこれ目の前に展開する奇異な光景に
いいのだ、いいのだ、これが南国なのだから、これでいいのだと
イロイロ言いたい事はあったが、酒と共に飲みこんでしまう長男であった。
二次会を用意してくれたOシロ氏であったが
久米仙の大量摂取と伊佐さんへの心遣いと、怪しい渾身の踊りで
エネルギーの全てを使い果たし、あっという間に寝てしまう。
僕も実はモノスゴク眠いはずだったが
泡盛の久米仙で脳内の何かがブチキレ、意味もなくエンジン全開・・・。
眠気とは別に、H氏に南大東のUFOについて熱く語ったらしいが
チットモ覚えていないのであった。
もちろんボーズコンビ?の、こんな写真も全然身に覚えがないのであった・・・。
(H氏のイヤイヤさが顔に出ている・・・)
そんなこんなで、踊る空手家Oシロ氏、ボーズ釣師のH氏が明日は帰ってしまう。
いきなりお別れパーティで始まったような2002年黄金週間の大東であった。
あの怪しげな踊りが、僕の未来に何かを告げているようでもあるのだが・・・。
ただならぬ大東滞在になりそうだ。