やきやきモキモキ、日が長くなると体が勝手にこの・・・


チャンスがないまま、二月に突入した。

スズキ、ヒラスズキはもはやハタキ終わっているものが大半のこの時期

特にオフ宣言をすることもしないが、まあ、オフである。

矢でも鉄砲でもデートでも何でも来い、俺は釣りに行かんぞというところだ。

ハタキというのは産卵で、産卵が終わるとしばらくは精魂尽き果てて

ルアーを追う食欲も体力も、はたまた美味しさもないので

釣りに行くことができないのだ。

だが、関東に居て夕刻五時以降、日がダンダンとながくなると

ムズムズとして体が勝手に黄金週間をめざして用意を始める。

人呼んで、これを「五月病」と言う・・・とか言わなかったとか・・・。

 

昨年も大きな台風が来た。

ご存知ないとは思うが、クリスマスのころ、小笠原には台風が接近していた。

昨年の台風は結構のびのびと南国の島を訪れていたのだった。

ということは、大東沿岸にはまたしても魚が育ち難かったということだ。

長男的観測から見て、また釣れない一年が始まったと見て良いだろう。

過大な期待もないが、確実に釣るためには、なるべく海辺にウダウダしていたい。

ウダウダしてゴロゴロしていても暑い、というか熱い。

ウダウダと言うよりはウダる・・・。沖縄の五月は本州の七月下旬だ。

ということならば、シッカリと意識を保って、海岸線にしがみついていなければ

気が遠くなってしまう・・・というか、熱射病覚悟で居眠りしているのだ。

居眠りばかりしていてもつまらないが、昼間の強い太陽のもとでは

UFO銀座の大東とは言えどもチットモ見えないので

激しく熱く美しい風景を撮ることが、まあ望ましいと長男なりに考えたのだった。

そこで一風変わったレンズを買ってきた。

シグマ製、広角ズームレンズ17〜35mm

これまたご存知だろうか?

今は一眼レフカメラのレンズに、超広角ズームレンズというものがあろう事を。

一般に便利なバカちょんカメラのズームは焦点距離35mm以上の長さだが

これとて、ちょっとした広角ぎみなのだ。

標準と言われるのは50mmであるから、これより短い焦点距離は広角。

一般的に広角の代表は28mmであった。

だが、ハイテク時代ともあって、光学機器も進化を余儀なくされ

なんと今は、17mm以下という広角レンズでズームができるのだ・・・

といってもピント来ないだろう。

いずれその画像をお見せしたい。

ピント来ないついでに言っておくと

50mmの左右の視野の広がりは46.8°

35mm、63.4°

28mm、75.4°

17mm、103.7°

ということで、ざっと両手を広げた感じの角度が入ってしまう

正に人間が色も姿もハッキリ見られる程度の視野なのが17mmかな?

と言う感じである。

なして?そげな便利なレンズがなかったとですか?

ということもあろうが、それは何しろ色収差とか歪曲収差とか・・・

色収差っていうのは、安い望遠鏡をのぞくと、脇の方でどうもこう

物体のキワに赤だの緑だのがにじんで見えるアレである。

ガラスの持って生まれたプリズムの性質が、分光して見せるのだが

これは写真では大敵。

歪曲収差というのは、水平線や窓枠が地球が丸い的に曲がってしまう

そんな地球思いな・・・エコロジーな・・・?レンズのことで

おおむねのデジカメレンズの広角側に見られる現象なのだ。

わがファインピックスもこのとおり

地球は丸い・・・以上に丸い光景・・・

これが曲がらないで、降りてきた高いガケと風景を一緒に写せるレンズがある!

ガケを降りてくつろいで、退屈なら撮りまくれば良い!

それはもう、天国へのパスポートに限りなく近い?レンズである。

あの、地獄のような炎天下だが美しい光景は、本州より角度のある

明るい太陽のもとだからこその青い海であった。

 

この手の広角レンズは、現在のデジカメでは無理である。

なぜか不思議とデジカメもバカちょんも望遠方面のズームが得意だ。

理由は簡単、通好みの28mmの三倍ズームは84mm

だが、35を超えて良くある38mmの三倍は114mm・・・

なんだか数字の幅が大きいので、トクした気分になる。

日本人は数字とスペックに弱い・・・が本質とは遠い・・・を絵に描いたようだ。

大きな建物や山門をバックにして記念撮影したいとき

それはとりもなおさず広角、28mmの方である。

自然で、それでいて背景も広大に写るのが28mmという偉大な焦点距離なのだ。

それ以下の超広角の域とは、ちょっとウィットにとんだ

写真撮影を楽しむ領域の、イワユル、マニアックな領域であった。

デジカメは価格的からして、本来マニアックな領域の人が買える

高価な便利ものだと思ったが、カメラ業界はバカちょん系を狙ったのである。

至って現在、マニアの思いが爆裂し、デジカメ業界をホンロウしている。

 

ところで、その広角レンズは写真の新しい境地とは別にチト重い。

しかも、一眼レフ(いつぞやの社内腕立て選手権優勝賞品)用だから

高性能な視線にあわせたピント合わせが出きるが、カメラ本体だけで600g

レンズは400gだから都合1キロもあるのである。

もちろん、広角だけではダメなので450gのデジカメもテレコンバージョンレンズ

(望遠用付加レンズ)と共に釣り場へゴーであった。

釣り場の途中の昆虫や鳥類を激写、乱写、妙写するためである。

ちなみに

手前のフィルター(海と空を美しく写す偏光フィルター)を入れたケースは

釣り仕掛け用ケースで、250円だ・・・。

 

しかし長男の挑戦はとどまらない。

どうせ昼間は超大物は出て来ない!ならば、釣具は楽しめるヤワなものがいい!

軽くて丈夫で楽しい道具、そして、思いきり風景を撮れるカメラ。

こんなトリアワセが生まれそうなのであった。

だが、長男の欲はとどまらない。

カメラは今まで通りの原付のシート内に入れていてはスグ撮影できない。

竿をはすに背たらって(背負って)胸の前にカメラケースが欲しい。

もちろん、釣りに行くときは南国なのにライフジャケットに着ぶくれている。

このケースは現在進行形である。

釣り場に行く途中の崖でも取り出せるくらい便利なケースが希望だ。

誰も撮影していない光景を撮り、魚も捕り、撮る。

これぞ長男のリゾート、大東三昧の本道であるにホカならないのだ。

魚は技で捕る、風景は超広角レンズで撮る・・・

美しい光景、長男の年齢、チャンスはそうないのである。

地球の歴史で、大切な一瞬、僕の歴史でも貴重な一瞬。

そのための竿が天竜の逸品である。

ヒラスズキ用のはずなのだが、異常にネバリがある。

でもヒラスズキ用らしく、このハイテク時代なのにカーボンを削って

ヤワになるグラスファイバーを混入する余裕とノウハウ。

このほうが、魚がルアーをくわえた瞬間、口に含んだルアーが

自分の口をヒッタくるような感覚が少なく、魚の食いこみが良いのだ。

しかも、手もとの部分はカーボンクロス(カーボンの竿の素材)が重ねて巻かれ

決して折れない様に補強されているのだ。

今年のテーマである「いなして取る、ヤワ釣りコンセプト」にピッタリである。

このあたりが長男魂を激烈にくすぐってしまった。

大好きなリールともグーなコーディネートである。

実はダイコーと天竜というのは釣具最先端という日本において

竿を生産する二大メーカーなのである。

大手釣具メーカーもココに発注し、OEM供給を受けているのであった。

ダイコーの竿は、小笠原に持っていき、実力は確認済み。

年末のセイゴを釣ったのも、その竿である。

今度は天竜だ!ということで、実力が手に余るほどの竿を手にしたのである。

だが、安い。

実のところ、確かに安い仕上がりなのだが、美しい。

このあたりは、さすが竿づくりのプロ中のプロである。

以前、石鯛竿を改造したからこそ、美しい手抜きが手に取るように分かる。

竿は基本的にカーボンクロスという帯状のカーボンを

キッチリと細かく竿尻から竿先に向かって巻いて作られているのだ。

そのカーボンクロスを巻いたそのままの生地がデザインとして取り入れられ

その上に薄めな透明の表面コートがなされているだけだから

カーボンそのものの輝きが微妙で美しい光を放つわけである。

竿袋もしっかりしており、このあたりも流石は天竜・・・といったところである。

 

とはいうものの、やっぱりチョット非力目なヒラスズキ用を大東に持ち込み

カメラを強化する長男の方針は果たして正解か?!否か?!

これまでの五年間のノウハウを活かし、無駄を削ぎとりカメラにまわした。

だが、まだ時間は十分にある。

これだけにとどまらない長男の静かでささやかな挑みは終わらない。

 

虎視眈々と新たな道具を開拓し、新たな境地を導く明日は尽きることがないぞ!

大東に居る時が人間としてのフルパワーが出せる唯一のチャンスなので気合十分。

見た目には不毛でもちっとも不振は来ない境地に、あきれがちになりつつ

自分なりに気にいってやまない人生を突っ走る、長男であった。

 


追伸

これまた、かなりオカシな方向に歩んでいたとしても

キャベジンCMの女性が飲み屋にキャベジンを持参で脂モノに挑むほど

いとオカシ方向ではないと自覚しているつもりだ。

あそこまで行くとイジマシいというか、天晴れ的いとワロシであろう。

僕など、南の島では昼食を断ってでも磯に居るほど食欲を抑えてるんだぞ!

そういう問題でもないか・・・。


ではまた