こげな4連休もありかなと・・・
全国的には3連休も多い週末だが
久しぶりに、有給休暇が待っていた。
9月からとりそびれていたのだが、そんなことよりも
最近の情勢から、国内旅行やら、東京都島嶼(とうしょ)の宿への
補助金が出ているので、釣りに行くにも旅行客やら釣り客が
あふれてしまいそうで、せっかくだが伊豆諸島は見送り。
何しろ一人壱万円なのだから、ほとんど一泊あたり消費税500円だけで
泊まれるというのだからだれでも行きたくなるはずだった。
そこで一計を案じ、陸路鹿島の火力発電所へ行くことに。
ふと見るとケータイを見たところ、電池が切れそうだ。
すると通勤かばんに充電器が見当たらない・・・
どうしたものか、そうだ、車で充電すれば!
しかし、先週からバッテリーが上がりっぱなしだった。
陸路を行くにも、充電するにも車の復活が最優先課題である。
すぐさま、なぜだか近くの壽屋酒店を訪ね
店の車両で助けてもらえないかを依頼。
先に駐車場へ行って待っていたら来てくれた。
これこそ、地域の商店街の良さでもある、こんなこと
スーパーとかディスカウントのバイトのネーちゃんなんかが
太刀打ち出来得ないすばらしいところだ。
果たして、毎年のことだからブースターすぐさま始動!!!と思いきや
チャージ不足の音がする。エンジンが回らないのだ。
何度やっても同じだった。
それではと、更に自宅の車で来てくれると言うのでお言葉に甘えたら
やってきたのはサアスガは商店主、日本に冠たるオーナー車
クラウンでお出ましであった。
これでかからなければ諦めも着こうという極めつけの乗用車である。
だが、結果は同じである。
おかしい、どうもおかしいが、とりあえずお礼を言って
帰っていただいた・・・・それ以上、お仕事の邪魔を出来ないからだ。
うーむアナドリガタシ、バッテリー。
ディーラーに頼んで来てもらったら、お助け専用バッテリーを携えており
何も車からブースターで引きずり出すことがないというスマートな
道具を出してきた。
だが、またしても結果は同じである。
通常、バッテリーは上がっているといっても100あがってはおらず
多少は残っていて、メーター周辺の小さな警告ランプくらいは点くのだが
僕のはまったく、ぜんぜん、それはもう完全無欠というか完全欠というか
正真正銘のすっからかんであった。
こういうときは、バッテリーが邪魔をして、そちらに電力が食われて
普通に接続しては動かないらしいのだった。
ディーラーさんは、僕らがさっき言ったのと同じ
「これでもかからなきゃショーがないですね」と言いつつ
乗ってきたカローラとお助けバッテリーの総動員で挑む。
と、キュルルルル、ズウウォーン!
久々に聞く正しくて懐かしいエンジン音である。
これほど暖かくて、心に染みるエンジン始動も久しぶりである。
まあ一年ぶりかな。
あたりまえにエンジンがかかることが、こんなに幸せとは思わなかった。
かかるにはかかって、出張代もタダにしてもらったが
わが愛車カルディナはマニュアル車だ・・・。
エンストしたら一巻の終わりであり、交差点やなんかでとまったとき
ストンとエンジンが落ちたらそれまでである。
電池がないから、もはや微動だにしない。
「エンジンが安定してから出かけたほうが良いですよ」
ディーラーのS氏は僕と同じで、髪が薄いせいか
なんだか見かけよりあったかい人に思えた。
エンジンは温まった!いよいよ最短のいつものカーショップ
イエローハットへ出発だ!!!と意気込んだが
アクセルは吹かし気味で潔いが、クラッチは至って遅くつなぐから
まるで初心者のようだ。
恥ずかしいだの何だのという場合ではない
これでしくじったら、往来の真中やら交差点で突然駐車状態だ。
カタカナ英語で言うとサドンデス(突然死)状態ともいえるだろう。
5分も走るとイエローハットが見えてきた。
右折車線のない片側2車線道路なので、右折しようとすると
そこは追い越し車線だから、後続車が怖い。
なんと長い5分だろうか。
最後の信号も長い。
ようやく交差点を曲がると、なぜかタクシーが交差点からすぐの
イエローハットへの道をふさいで停車するではないか!!!
なんと言う日だろうか・・・。
さすがに二種免許運転手・・・気づいてちょっとよけてくれた。
駐車場へ進入し、もう大丈夫だ、一番近いあきスペースへ
停めるだけだ、よーし、楽勝じゃないか!
と思って、ギヤをバックへ入れた瞬間、エンジン停止・・・。
は、ハンドルが効かない!幸い、バックする方向に駐車場が
傾いているので惰性で入るぞ!!もうちょっとゆっくり慎重にと
ブレーキを踏むと、これまた効かない!!!
そう、油圧が全部ストップしているので
何もかも本来の人力(油圧アシストなし)マシンより数倍重いのだ。
しかもブレーキが戻ってこない!
それでもジリジリとバックし、一発車庫入れ完了。
ただし、空けた窓はもう閉まらない・・・。
長男としては、ちょっとガサツだが、窓を開けっ放して
入店とあいなった。
思いのほかバッテリーは安く、確か三千円しなかった。
工事費込みでも四千円いかない。
毎年交換する僕のためにコストダウンしてくれたような価格だ
ありがたやアリガタヤ。
店員さんには、くるま二台でかけないと、エンジンかからんぞ!
と脅してみたら、あっさり
「駐車場で交換しますから」と言われてしまった。
こういう客が少なくないのだろうか・・・ここの客は・・・。
確かに交換中・・・
じきに交換が終わり、夕方の床屋に行くまでずいぶん時間があるから
ついでにチャージ走行だ!と意気込んで、夏以来の給油へ。
いつものオセッカイな「洗車とワックスいかがですか?すぐできますよ」
という声にちょっと、週末嫌な客スピリットがむくむくと芽生えてきて
もう三年以上洗っていない車がどれほど洗えるか試してやろう
と思ってお願いした。
もちろん「ワックスは、洗い具合見てから決めるわ」の一言を忘れない。
しばらくして車が洗車され出てきたところで、店員が天井を雑巾で
ゴシゴシやっているのを見て、ニヤリとし「やっぱりな・・・」と
カウンターで待つ嫌な客兼、したり顔の長男があった。
店員は何もなかったかのように、お勘定するのを
あえて「どう?落ちた?」と分かっていながらきいてみたら
「あれは、洗車機で落ちるというレベルの汚れではないですね」
という分かりきった回答だったが、
この敗北宣言こそが800円かけて聞きたかったのだ。
どうせキレイにならないんだから、これくらいは聞かせてもらわなくては!
我ながら実に天晴れな正しい嫌な客の姿勢であると思う。
最近釣りに行かないで、さまざまなお店で嫌な客をやるが
今回のようにお金を払ってまでやってみるのは初めての試みである。
「物事はしっかり見極めてから、すすめるべきだよ」というのを
違った形で教えようという教訓に満ち満ちた週末嫌な客三昧は
結構気に入っている。
何も親切ばかりがやさしさではないぞ!と
おしつけがましさの上に、ちょっと言い訳がましい長男でもあった。
第三京浜の高速で横浜の南を回って湾岸線を走り
ベイブリッジを走り抜け、更に鶴見のつばさ橋を抜け
あわや、東京湾アクアラインだっ!と思ったが、ボウコウが・・・。
ここらで降りて、川崎を横切り、いつもの嫌な客ポイントの一つ
パソコンショップのトイレを目指すことに。
思ったより混んでいる。
それに競馬場のところの交差点の車線がまた変更になっていて
一番左は、左折オンリーになっていた!!!
仕方なく道を離れて左折・・・
ああ、トイレが・・・ボウコウが・・・
振動のない平坦な道でよかった・・・
何度か知ったような交差点を回りまわって
本来直進すべきであった道へ戻れた。
高速を降りてすぐは工業地帯らしい、なにもない
殺風景な広い道だったが、なぜか工事中で
そのせいもあってヤヤ混んでいた。
頭上には良く見ると落っこちてきそうな一本足の架橋があり
どうやら、上下で往路復路を構成しているらしく、どちらの道路が
一方的に混雑してもバランスは崩さないぞ、という新しい構造らしい。
そこを抜けると、あとは街路だが、この道とてヤヤ混んでいるし
何しろ川崎は路駐が多くて、左側の車線へ移り
安全に左折したいのに直前でないと、また追い越し車線へ戻される。
ようやく、左折して、ローカルな道路へ入ってもやっぱりヤヤ混み。
東京湾アクアラインのウミボタルサービスエリアが
走馬灯のように、それは神々しく脳裏に浮かぶ。
ああ、今ごろ着いていたかもなあ・・・。
ようやく、川崎を抜け、パソコンショップが見えてきた。
なぜか人にさとられぬように、慎重にゆったりと駐車スペースを選び
車を降りて、ゆっくりとした足取りで店内へ。
すると、なんと!
「トイレ故障中」の張り紙が!!!
しかし、その場で店を出たら、トイレ目的とわかってしまう!!!
ここは我慢して、いったん店内を何もなかったかのように周回し
出るしかなかった。
でなければ、これまでのさとられないための歩みが無駄になるではないか!
しかし、内股になりそうなほどボウコウが叫んでいた。
次第に早足になりつつ、先ほどの故障中の紙の下に書いてあったとおり
隣のオートバックスのトイレへ直行だ。
もちろん、足は早足にこそなったが、平静をよそおい何気によそ見しながらである。
長い、長い長いトイレへの旅は、ようやく終わりを告げた。
いまさらパソコンショップへ戻っても嫌な客については
今日はもう他店でやったことだし
ここでまたやることもないので素直に家路につく。
メーターを見ると燃料を足してから50キロ以上走行しているので
もう大丈夫だと思ったのだ。
家に着いて、それでもまだ早いので、いよいよ今晩出かける鹿島の
火力発電所周辺の釣り情報を調べたところ「やや臭う」というコメントを発見!
風景の悪さはまだしも、臭うのは困る!僕は人一倍鼻腔の神経が敏感で
ついでに臭いも敏感だからだ。
仕方なく、釣りは無期延期・・・。
結局、何にもなくて、苦労ばかりの4連休は散髪だけで過ぎていった。