Dream catcher : 北米大陸のインディアンに伝わる「夢をとらえる網」のような小物
沖縄は、もう6年目になる。
横浜から鹿児島まで行き、まだ南へ行ける、と奄美へフェリーで渡ったのが、1997年3月。
あれからおおよそ4年、あっという間だった。
3月の寒い奄美大島では、なにも釣れず「半端では駄目じゃけん、沖縄へ行かんにゃあいけん」
ということで宮古島と南大東へ。あれから4年。
コバルトブルーのヒレを持ち味も良いカスミアジと出会い、白銀のロウニンアジを釣り
毒魚と名高いバラフエダイもバラハタも食べてきた。
小笠原、母島では生涯記憶に残る123センチ、20キロのカンパチも釣った。
それまでの自己最高記録がヒラスズキの63センチ2.9キロだから
この4年の記録の伸びは凄まじいが、それもこれも南国のなせるワザである。
内地(本土)の記録は先月の65センチのヒラスズキが最大なのであった。
(太刀魚、うなぎは除く・・・)
ルアーのスズキ釣りを始めて10年が経とうとするが、考え方はずいぶん変わった。
スズキを狙うのは、普通の人が気づかないような身近に大物が潜む、それを証明するのが
密かなたくらみであった。だが今となっては周知?の事実であり立派な釣りジャンルとなった。
けれども、僕の釣りも変わってムヤミな大物狙いから、味重視、こだわり重視となった。
そう、ご存知のとおり、僕は中モノ釣師をこころざしたのである。
今日、南大東へ電話をかけた。
知らぬうちに暗記している番号09802−2−2511である。(みんなも泊まろう)
吉里会館、南大東の常宿で、やっぱり電話に出たのは名物?、キックボクサー館長であった。
体力も腕力も格闘力も優れた気のいい男で、国内ランク4位の実力を錆びさせないために
日々精進を続けつつ、引退後も鍛えながら故郷で宿を営んでいる恐るべき支配人である。
オーナーはこれまた気のいい社長であるが才覚に富んだ、館長の兄でトレードマークの
アフロのようなヘアースタイルが印象的だ。モノゴシもやわらかく、類を見ない温厚さで
心を和ませてくれるし、この島の釣りに関しては大先輩である。ただし格闘系ではない。
さて、キックボクサー館長は開口一番「なんか他人行儀やな・・・」と、なしてか?
関西風の言葉を使うのである。これは彼の類まれな人生経験によるところである。
他人行儀も何も久しぶりなのだし、一応、親しき中にも・・・ということで、礼儀を正していた
それだけだが、この明るいウチナーンチュにはそんな礼儀はかえって失礼なのだろうか。
一緒に船の荷役をし、釣った魚を喜び握手を交わし、酒を酌み交わした恩人に
今更礼儀よりは、普通の言葉がよろしいのだろうが、都会でサラリーマンを演じる僕には
突然の切り替えがきかなかった・・・・・のである。
だれしも心の中に「電話モード」を持っており、相手かまわず電話の応対には声が変わったり
低姿勢になったり、丁寧な話し方になったり、かしこまったりしてしまうのが不思議だ。
ところで、言わずと知れた9日から14日までの宿泊をお願いしたわけだが
どうも鯨の気配がないらしく、いよいよこれでは釣りかUFO撮影に興じるしかなく
せっかく揃えたズームレンズ搭載ビーム砲ビデオもちょっとカラブリ気味である。
ともあれ、道具はそろい、いつものザックに道具は収まってくれそうな程度にセーブできた。
今回の狙いは、前回サンザ目の前でUターンしていった毒魚バラフエダイことアカナを
ゲットするのが目標である。何しろマダイよりも身は引き締まり、ゼラチン質の厚い皮を持つ
立派な白身魚であるため、この島では人気ナンバーワンといっても過言ではない毒魚なのだ。
毒魚といっても、この島はサンゴ礁が発達しないため毒を持ったカニが少ない。
それを食べられず毒を蓄積できないので、ここでは無毒に近いのだ。(毒の可能性はゼロではない)
引きはひたすらに力強く、以前初めて釣ったときは、さすがに体力を使い果たし
震える体で半時間は呆然と海を見ていたのをハッキリと覚えている。
今回は習慣である腕立て伏せ以外、特に鍛えてはいないが、地力を失わないように
食べ物は沖縄風?も時折食べている。
この時期、ゴーヤことニガウリは結構高価だが、栄養価も高く、その上すっきりとした苦味が
食欲をそそる食材で、料理中もつい生のままつまんでしまい「ん〜このニガ味がたまらん」と
二切れ三切れ口に運んで、その青々しい香りと澄んだ苦味を楽しんでしまう。
医食同源と好みの食材を一体にした、正に完璧な野菜なのである。
近くの八百屋系スーパー、その名もまんまその系統でありながら流行のポケモン風でもある
「ヤオチュウ」さんで買える、珍しいブタハツ(心臓)でゴーヤチャンプルーを作ってみた。
ついでにビールはお気に入りのクリアブリュー。
これで力をつけて、来るべき美味い中モノのお魚釣りに備えているつもりだ。
他にも豚タンもあり、格安で捨てがたい食材である。
この手の部品というかモツというか、豚さんのこれらの食材は通常どうなっているのだろう?
このヤオチュウ以外では見たことがない・・・。沖縄でもミミガーとかトン足とか食べるが
豚タンはアマリ聞いたことがない。、まともに沖縄本島などを回っていないので
なんともいえない。だれか知っている方がいたら教えていただけたら幸いである。
自称大東通ではあるが、これとても海辺だけの話。とうてい沖縄通でもないので
まだまだ沖縄文化は勉強不足であった。
後日、豚さんの部品の行く末や沖縄の知識不足に悩んでいたら
肉類を買うのを忘れショウジンチャンプルーになってしまった・・・
ついでに例の透明なビールも忘れてしまった・・・
そういえば本日は二日酔いだったことも忘れてた・・・うーむなのにナゼか端麗生が美味い・・・。
はてさて、島でも超人気のお魚で美味いビールを飲みたいものだが
うまくいきますかどうか、ささやかなサラリーマンの夢をキャッチできますやら。