いつから見ていなかったのだろう、この夜空・・・
久しぶりに晴れ渡った夜空に月が浮かんでいる。
釣りばかりしてきた僕には、この月もずいぶんいろんな所から見上げたので
あれこれ、あちこちの記憶がよみがえってくる思い出の幻灯器であった。
ずっと昔から、釣りを生き方にする前から、この月が好きだった気がする。
空気のうまい、とても澄んで、しみる冷気にほんのり浮かぶ月は
なぜか光の温かさを感じるほどに明るかった。
この光も青いんだなと気付いたのは、しかし釣りを始めてからのことである。
高速道路が大阪から和歌山へ開通したのは、わりと最近のことだ。
深夜の阪和自動車道は後続車も対向車も少ない。
ふと、あまりに明るくハンドルを握る手にサラサラとツキヒカリがあたるので
ヘッドライトを消してみた。
谷あいを、うっすらと青い道が南に向かってやや左に曲がりながら伸びており
今何キロで走っているか分からないけれど、静かに滑らかに時が過ぎていく。
青い時が流れている、そんな感じでもある。
さて、ノスタルジーにひたるのはこれくらいにして、前掲の写真はDVの映像である。
ビーム砲(光学大砲)のようなレイノックス3倍ズームレンズのなせる技で
月面を間近にとらえている。
もちろん、これはノスタルジーをそそる寒月のタメにあるのではない。
居るか居ないか分からないが、島から沖合いの鯨をとらえるためのものである。
運が避ければ彼らはやってくるはずである。
これで、鯨をとらえられたら、いずれ月面の写真の如く、鯨をご覧に入れたい。
さて
またふと外を見れば雪である。
この頃、週末は雪がトレンドであるようだがこれがまたヨロシイ。
気がつけば、外は雪国になっている。
知った道なのに、なぜか雪国なのである。
玄関開けたら瞬時に旅行・・・気分であり、したがってその夜は
田沢の湯、乳頭で温泉浴というのも実にヨロシイ。
風呂上りは、季節ハズレに見つけた透明なビールでほっと一息。
甘さを抑えたキリンレモンの味がするビールで
いくら飲んでも爽やかさが続く魔法のビールであった。
大東に行ってぜひ飲みたいものである。
恐らく、こちらの秋がずーっと続いて、今はもう早い春を迎えつつある
そんな時であろう。なにしろ、桜が咲いていると言うのだから。
磯釣りを終えた体にすっと入っていく爽やかな風のようなビール・・・
うーむ、ビール好きには忘れられない味になりそうである。