何事もなく、いきなり最終日

え?もう最終日の話なの?と思われるでしょうが

本当に今回は何も来ない、手が出せない辛い日々だったのです。

朝から必釣を期して、例の最も潮上にあたる実釣場へ行くも

風向きが変わって治まってきたはずなのにまだ磯に潮が乗ってきます。

昨夕は5分ほど無理して投げてみたのですが、3投目にガガッと当たりました。

でも、自分の身長を遥かに超える波が沖から押し寄せるので

掛けても、ヤリトリしている間に波に飲まれるわけで

とてもお魚を取れないと断念、当たりがあっただけに期待もしていたのです。

どうしようもないので、悔し紛れに波のビデオ撮影をしてから亀池港へカマサー狙い。

一匹は足元10メートルくらいまで来たのですが案の定バラシ。

小さいカマサーはクチバシが壊れてしまう事も多く外れるのは覚悟したましたが

丁寧にヤリトリしていただけに、ちょっと残念。

そのあとルアーを蛍光イエローのジグに換えて投げると今度は「ガガガッ」と

衝撃が伝わってきたので、慌てて合わせを入れようと引っ張ったら

ふっと必要以上に軽くなってしまったのです。

そう、ルアーはありません、良くみると、細仕掛けの3号のPEラインを食ったようで

おそらく、一匹が食いついたあと、食いついた魚の口のところにあるルアーをめがけ

群れの何匹かが興奮して絡み付いたとき、糸が口に入ってしまったのでしょう。

マイッタなー、メートル一歩手前くらいのイイ手応えだったのにぃ.........。

食い逃げされてしまいました。

そのすぐ後、船が行き交い始めて群れが散ってしまい、撤収するしかありません。

最終日の朝はこうして明けたのでした。


昼下がりのひととき


地元の人は生活の中での釣り、朝方一気に釣ってあとは生活があるので

大潮の日がねらい目と言ってくれるけれど、遊び釣り師には中潮、小潮がよろしい。

というのも、朝夕は潮が動いてさえいれば問題なく、尚もて午前中に上げ潮がある

これがとってもグーでして、朝食後に釣りになるし、昼飯後の下げ潮もイケル

そんな時合いが沢山なのが中潮、小潮の日々なのです。

ようやくやってきた中潮、そして凪ぎ、実釣場で思い切り釣りたい!!!

昼を過ぎてもやはり多少潮が乗ってくるいつもの実釣場。

投げてはみるものの、逃げたり釣ったりは辛く、集中できないのです。

ヨークみていると左手方面に一際高めの磯があって

そこには磯際の上10センチを残して、潮が乗ってこない!!!

どんなに波が来ても10センチは大丈夫!!!

潮も午後だから下げ潮に入っていて、凪に向かってもいるのでここしかない!!!

アドベンチャーフィッシングが楽しみな離島釣り、

地元の人が教えてくれない釣り場、この先にヒミツの磯がある!

20メートルの崖もこの釣りには普通、よろめきながらも

無事崖を降りて目標の磯に到着。


これまでお魚を誘いつづけ、釣らせてくれたサバカラーのルアーを投げるけど

真っ昼間のピーカンだから全くアタリがない・・・

ならば「目立った方がいいじゃろー、この際」とブツブツ言いながら

おもむろに、お腹はオレンジ、横っ腹は蛍光イエロー、背中は蛍光黄緑

トドメにその背中には黒いシマシマが入った、思わず笑っちゃう

ここ一番バカっぽいカラーのに交換、でもこれは全世界で共通のカラーなんです。

ブラックバス、シーバス、ヒラアジなどなど、様々なルアーに採用されているのです。


で、もといた磯の方面に出っ張り、向こうからも良く狙うシモリ(沈んだ岩)にできる

白い泡のベールへ向かって適当にキャスト。

銀柳は中通しの竿なので、糸が竿の内面にヘバリ付きとてもルアーは飛びにくい、

その上、作り足した竿尻の部分が外れて来てぐらついているので

とってもやる気をなくしながら、集中力もなくしながらの一投だったのです。

ちょうど、サラシの中を通過するとき「グワッ」と来ました!!!

一気に磯際へ突っ込む動き、これはあからさまにヒラアジではありません。

必死で竿をため、リールをみると、ドラグは出ていない!

絞め込んであったドラグのおかげで糸は最小限しか出ていませんから

魚は自分の力で泳ぐほど、円を描いて近寄ってくる!

でも、V字にわずかに切れ込んだ岩の隙間へ突っ走って

僕も思わずパワー負けし前進、糸を与えてしまいましたが

引き出せない相手ではなさそうなので

24号という0.8ミリ位あるハリスをあてにして無理矢理引きずり出して

リールへ糸を収めていきます。

良くみるとヒラッタイし、赤いし、黄色い!見た事ないぞこんな奴!!!

フックは後ろだけがエラにかかってるけど、結構しっかりかかってる。

顔を水面に出させたんだけど、油断すると足元の磯へ張り付こうとする執念

これは間違いなく根魚、本当は水面近いルアーに食いつかないお魚でしょう。

50センチくらいなのでギャフを使うには多少小さい、でも重いなーなどと

興奮気味の頭で鈎の伸びを気にしつつ、

また、磯際で垂直に竿を立てる船釣り風の上げ方に

竿先が折れないか見上げつつ、何度か逃したあと、糸をつかみます。

つかんだらこっちのもの、24号ハリスをつかんでブラブラリーンと

魚を真っ直ぐ上に引き上げればOK。

気を付けないと、ここで外れてサヨーナラーということもママ在るのですが

無事上がってきました、太くてカラフルな待ちに待った「白身」のお魚が!!!

「白身、白身ざかなやぁぁぁぁ!」どんなヒラアジもかなわない白身!

感無量といいたいところですが、食えるのか???でも

毒魚はすべて記憶しているはず、多分、たぶんフエダイだと思うけど.......。

(これはフエダイ、またの名をホシフエダイ。)

地元の方は「あぶらだい」と言って人気のお魚。

しかしあまりよろしい名前じゃないよね。

丸い体にしてはケッコウな歯が着いておりまして、過酷な大東での生き様が

慮られる面構えでございますが、目まで黄色とは恐れ入ります。

そ、そうだ!今こそあの石鯛師「石心竿さん」からいただいたストリンガーだ!!!

根魚の歯をものともしない石鯛師ならでわのワイヤーストリンガー。

これくらいの大きさなら掛けても許されるだろう、と使ってみました。

エラからも通しやすくて、とっても具合がよろしいのですが

まだ多少お魚が小さいなあ.........。

ストリンガーのループが魚の体の大きさとアマリ変わらん.........。

それにしても腰?のあたりにある星が目立つのですが

これこそが「ホシフエダイ」とも呼ばれるゆえんでして

後から調べたところでは、宮崎アタリでは高級魚で「しぶだい」とも言うらしく

マダイよりも美味しい!と専門に釣るクラブがあるほどだそうです。

磯に着いているので漁師さんは捕りづらく、ホトンドが釣りによってしか

獲れないようで、それで更に高級魚でもあるのでしょう。

計ってみると、56センチ、4キロ?カスミアジは52センチで2.3キロ、

太い!太すぎる!!!背ビレは写真のように鋭くタイみたいですが

これは3ミリ以上もあって太く、岩の割れ目に入り込み、これを突き立てて

テコでも出てこない体勢を作るための武器、

玉ねぎ袋に納め、背負って崖を登るとき

あちこち僕に突き刺さって困った困った。

そう、午後4時前、今ならまだ夕食に間に合う!

数投して、こないと判断、トットと帰路に着いたのでした。

最終日の夕暮れ前、ようやくマトモな一尾を手にして

カブの荷台に荷物と一緒に括り付け、一路宿へひた走る気分は

美味しいのか?なんだろうこの魚は???という気分でイッパイなのでした。