界隈の風景

 


実家周辺も、かなり高齢化が進んでいるようである。

方向指示器を忘れた、軽自動車もチラホラ・・・枯葉マークなどを

貼付した乗用車も頻繁に見受けられる。

スクールゾーンならぬ、シルバーゾーンにはぞっとさせられる。

お年寄りがきたら、土地を譲るのだろうか・・・?

ゾーンを譲るというのは、どんなんだろう。

 

山の鳥がいる田丸城址を訪れると、なにやら設営中である。

絆・・・ここも間の抜けたお土地柄のようで、いまさら絆。

何かあってから築くものでも、あわてて培うたぐいの精神でもなかろうに。

集落とは反対側・・・田畑の広がった、あらぬ方向を向いている。

 

天守閣あとには、鉄パイプの城が築かれていた。

絆の文字もアウトラインが赤LEDで光ることから、内側から電照されるらしい。

インスタントな造りだが、一夜城でなく不夜城か?

 

旧国道の橋げたに、さびしくたたずむ落書きを思い起こさせる。

気合を入れて書かれていても、誰も気づかぬだろうよ・・・

素っ頓狂なところに、妙チクリンな細工をしたところで、心には留まるまい。

やれやれ。

 

城跡のふもとに下りてくると、ちょっと引っ掛かるトイレがある。

屋外公衆トイレとは、どうにも青空トイレのように聞こえるが、いかがだろう。

昭和的なイメージだと、ブラインドの塀つきタンコツボっぽい。

常識からすると、公衆トイレは屋外が標準と思うのだが、田丸は別らしい。

実は、タチション公認の広場だったり・・・?

 

話題が下のほうに移行したので、そちら系の神様を紹介したい。

まえに一度、紹介したことがある、近所のお社。

 

トイレの神様といった、新参の神様がおわす?ようだが

コチラの神様は、かなり歴史がありそうな・・・ 「じの神道」である。

下方面なら、出口だろうが、お産だろうが安泰にしてしまう

人智を超え去った、天蓋の寛大さ、神霊力を発する神様であらせられる。

 

立て札の文末に、御神木がよく育っているという念押しに目が留まる。

それはつまり・・・尻の穴がスッキリと治ったお礼に、

実際にモリッと一本まるまる奉納して、施肥・・・みたいな想像を促される。

 

「出口の神様」の方が、存外分かりやすいかもしれない。

じの神道を極めるには、仙人も涙するような尻の苦行がありそうな予感がする。

 

さて

視線を一機に上へ向ける。

冬型の気圧配置定番の、いわゆる筋状の雲が分かりやすい天候が続いている。

名古屋で雪を降らせた雲が、実家の周辺を挟むように流れてきては、

濃い雲が上空を通りかかると、風花が舞う。

携えている超望遠レンズにも、防水のテレコンバーターを着けておくと安心だが

純正の防水テレコンは、フィルム用なので光学特性が良くないのが微妙だ。

明るい光が入ってくると、そのまわりがボンヤリとオーラのようなにじみに

縁取られてしまうのである。

防水テレコンというより、純正テレコンは標準で防水である。

 

さりとて

純正ながら、なるべくなら使いたくないアイテムであった・・・

 

ちなみにテレコンバーターとは、望遠レンズをさらに1.4倍や2倍の望遠にするよう

望遠レンズとカメラの間に入れて使う、延長レンズのようなものである。

サードパーティのは防水ではないものの、純正よりフォーカスが早く、

光のにじみができないよう、レンズにコーティングが施されている。

もともと、500ミリの超望遠レンズは、デジタル対応ではないから

このレンズを挟む事で、ダマシだまし使っているのが実情だ。

 

晴れていれば、超望遠を手に、午前午後と数キロ歩いて生き物を探すのが日課。

この冬は、例年になく暗い日が多く、雲の通過が頻繁でスッキリしない。

 

とはいえ、島の冬場と違い、青空に雲が流れている状態なので

どんより冷たい日は少なく、風がびょうびょうと寒いが、日差しがあるから

わりあい外歩きも楽である。

神経質なノスリを追跡してみたり、ハイタカの隠れ家を探したり、はたまた

越冬しそうなトンボやチョウなどがいそうな陽だまりを巡回してみたり。 

 

日中は天気がいいと、ついついブラブラしてしまう。

新調したバイオで、写真の整理を・・・と思ったが、まったく手付かずだ。

ま、せっかくの帰省、楽しいんだから・・・まぁいいか。


ではまた