プロジェクトM・・・

 


これは暑苦しくも、仕事以外することのないオッサンの

やりどころのない情熱を傾けた、分かる人にも分かりづらい

むさくるしいドラマである・・・

 

(主題歌は当然、Nじまみゆき氏)

 

てな具合に仕上げたかったが、さほどむさくるしくもなく

分かりづらくもないようだから、方針変更して、いつもの舞台にもどる。

 

まーしかしなにはともあれ、どえらいシンドイひとときだった。

こうなることは分かっていたが、徳之島へやってきてテゲテゲな生活ばかりで

へたった体と精神が、どの程度の痛みに耐えられるか、味わってみたかったのだ。

それは青の舞台を休んでいた先週以前から引っ張っている。

 

問題はいろいろあった。

年明けの帰省以来、雨ばかりで薄暗い朝だったために

不眠症が進み、朝の明るさでリセットされない体内時計が

勝手な時間を刻んでいくので、体が朝を迎えなくなっていた。

 

例年にない寒さとあいまって、体温は下がり35度台にしかならず

夜は布団を着ても体が温まらず、朝は頭も体も重くて立ち上がれない

生活が続いてしまっていた。

 

観光課の同級生と、その熱苦しい?情熱家上司の課長からの依頼とあって

とくのしまシマ博覧会ナイトツアーは断れなかったのである。

 

スケジュールとしてはこんな感じ。

当然、スケジュールがない日中は、役場で仕事である。

 

2/16 ナイトツアー

2/19 ナイトツアー

2/20 午後 当部(とうべ)で演劇の公開稽古

2/21 役場の取材撮影

2/22 朝から低体温でダウン、演劇の稽古を断る

2/23 午前午後、演劇の稽古 夜はナイトツアー

2/24 午前午後、最終の演劇稽古、演劇初演

2/25 午前発熱、午後5時より演劇の天城町公演

2/26 午前午後アレコレ手配、午後5時より伊仙町公演、夜ナイトツアー

2/27 午前 中央公民館主催・バードウォッチング

 

役場企画課の課長が、居候の時の大恩人、Yさんになったのだが

このヒトのテゲテゲ度は想像を絶するもので、性欲意外は

マメなものが一切ない男なので、仕事は体(てい)をなさない。

言うと動くが、すぐ忘れる。 言われるとその場でなんとかしようとして

場当たり的に対応するため、周りが振り回される・・・

とんでもない事態になってしまう。

一事が万事この調子で、学習能力は生まれつき持っていない。

大恩人ながら、少々はっ倒したくなる衝動にかられなくもない。

こういった人材でも、当選した町長派なら抜擢されるのが世の仕組み。

日本の年功序列制度とは、とんでもねー雇用制度である。

 

ま、そのくらいの余裕がある社会に、なってほしい気持ちはある。

21世紀は働かなくて良い社会が来る・・・と信じていた私なので。

 

それはそれとして

M魂が、私をハードスケジュールに身を置けと、カミに祈ったのか

上記のごとく、自ら常軌を逸した仕事を組み上げていった。 

 

ナイトツアーは、予想外の人気?で、本来なら当て馬的な扱いで

おそらく申込者は少数だと踏んでいたのだが、ふたを開ければ

定員全てが埋まってしまう、妙な人気によって、仕事は増えていた。

普通なら嬉しい悲鳴だが、なにしろクロウサギを見回るコースのうち

もっとも有力な当部林道(とうべりんどう)が、例の奄美の大雨の影響で

土砂崩れのまま不通となっていた・・・

 

徳之島では床上浸水などはなかったが、人家のすぐ裏手が

数十メートルにわたって土砂崩れするなど、今も復旧のめどすら立たない

現場がそこここに存在する。 その一つが林道だった・・・

 

ナイトツアーに加え、

想像以上に出番が多い演劇「とんとんとんのこもりうた」の

厳しい?稽古とプレッシャーに悩まされることになる。

 

そんなこんなで・・・演劇に出た。

お子様向けだが、きちんと入場料をいただく劇である。

なんでこんなことになったのか・・・長くなるので割愛・・・

(写真は島の著名人、万華鏡のN村歯科医)

ともかく

劇が始まる前の5分間 まず鳴く・・・

 

会場が開演に向けて落ち着くころまでに、森の雰囲気にいざなうのだ。

フツーなら5分も吹き続けると、クラクラになる。

 

口笛は、細い口笛?と太い口笛?があるが、私はアカショウビンなど

周囲1キロの鳥たちの反応を知るために、太い口笛である。

自慢ではないが自慢すると、現場ではなんぼでも鳴かなければ

鳥たちは反応しないことがある。

コノハズクは反応しすぎるために、1時間以上鳴き交わすこともある。

それを知る由もないが、道化の篠崎代表は5分鳴けという演出だ。

代表は演出家であった・・・

 

衣装は、劇団道化(どうけ)の衣装さんのチョイスながら

頭巾、ズボン、靴は自前だったり。

森の仕事師、のようなイメージが欲しかったようだが

なにやら、ようわからんオッサン風味になってしまった。

 

当初、買い揃えられたのはトビ職のニッカズボンと、地下足袋、

それから着用している赤いシャツだった。

森のオッサンさが全く感じられぬほど、トビ職さの仕上がりが良過ぎ、

私の作業服に収まった経緯がある。

私はトビ職がハマリ役でもあるのだろうか・・・?

 

ともあれ5分間・・・

いわゆる独演会状態になるという演出だったワケである。

実は、ギリギリになって台本を見るまで、知らんかった・・・

安いギャラにしては働きすぎだ。

 

もちろん、劇中でも鳴く・・・

口笛を吹く姿というのは、こうしてみると格好ワルイもんだなぁ・・・

 

モノマネの効果音をナマで使う演劇は、とても珍しいのではなかろうか?

口笛だけでなく、地声でカラスバトのウーなんて鳴いたりもする。

地声は、やはり少し照れる。

 

一方

出番は最初から最後まで、そこそこあるのだが、休み時間?もある。

 

劇中で鳴かない時間は、

隣の美人の唄者(うたしゃ)、チサトさんのナマ演奏ナマ唄を、

そのまた隣のギタリスト、ヨネダさんのナマギターなどを堪能できるのだ!

そのまた隣のカワイコチャンのハープも心地よすぎである!!

さらにさらにその上、ステージ横から劇を激見できるわけである!!!

 

ついつい見入ってしまい、自分の芸を忘れそうになることもしばしば。

稽古のときは、なんどNGで謝ったことか・・・

 

実は口笛だけでなく、音楽チーム(楽器、唄、口笛の混成)にも

時々劇が振られることで一体感を出しているのだが、

それが結構シビアなのである。

 

動き方は、専門の振り付け師の「そむちゃ」師から指導を受けている。

振り付けといっても、酔拳などに比べたら・・・カタチは楽なもんだが

タイミングが難しい。

 

完璧に演じることよりも、ほかの芸達者(唄者、ギタリスト)らの動作を

ある程度予測して、素人っぽいマヌケさで楽しくせねばならない。

キッチリさよりも、場の楽しさが大切なのが演劇、

演技は大きく楽しく、気持ちは油断せず・・・というのが難しいがコツのよう。

 

素人で多少マヌケな感じで、変なオーバー演技を感じるオッサン・・・

というのが私の演じるべき姿として、独自設定をしてあった。

失うものがないので、できる演技、マヌケさ。

 

っていうか・・・こんな風に書くと格好よさすぎだが

子供のまま成長しないでいたので、バカ丸出しが通常状態なだけだ。

素人なのに素人っぽさを追及する演技???とはオカシナ感じだが

私は元々、プロの仕事集団を相手にした代打屋トーゴー的な商売だった。

だから、知識不要でカタチだけで済むなら楽勝っぽいところがあるわけだ。

なにしろアヤシゲナ拳法などなど、体を使う表演にも慣れていたわけで・・・

  

話を戻して

 

開演前の、独演会状態を設けていただいたおかげで

鳴いた口笛に聞き惚れていただいた向きもあるようである♪

でも、聞き惚れたと告白されるのは、かなり歳上の女性ばかり・・・

自称マダムキラーだとして、少々高齢化が進みすぎなような。

 

鳥用の口笛が、演劇という高い次元の芸術表現で使ってもらえた事実は

私の人生にとって、とてつもなく意義深いことだった。

 

最後の伊仙公演のとき、風邪ひき後のアレルギー性の咳き込みが

激しさを増していた。

途中、寝ている主人公を起こす場面で、

激しくアカショウビンの鳴き声を演じるところで、咳き込みが出た!

かろうじてフォローできたので、感じた向きは少なかったと思うが

ギリギリな演じ方となってしまったのである。

何が起こるかわからないのが、ナマ演劇である・・・

 

今回のオトクな事柄といえば美女である!

 

お弁当をほおばっているのが(右側)

今回の劇でクロウサギの母を演じている女優で独身である。

なんだか高いプライドがあるのか・・・どこか演技に張りが足りない・・・

と思うのは私だけだろうか??? 表現力はあるのに・・・

独身だけに狙い目!?

左の女性はカラスバト役で、独身ではないが、とても奥ゆかしい女優。

演技はユニークなのに、どこか控えめで、彼女の性格を思わせる。

人妻好きとしては、ひかれるところがあったり・・・

 

音楽チームを激写、ハープさんとギターさんは余裕があるけれど

美女の唄者さんはなんかビミョーである。

ステージは薄暗すぎて、慌てた私には上手く写せなかった・・・不覚っ!

もちろん人妻好きとしては、唄者の彼女は絶好のターゲットである。

といっても、恥ずかしがり屋な私?は手も足も出さずじまいだ。(笑)

 

チサトさんこと唄者さんが写したのは、キチンと写っていた・・・

本番を前に、どんだけ人妻美女に動揺したんだオレ???(笑)

 

ともあれ

ナイトツアーは無事終了し、クロウサギが見られなかった

2度目のお客様のぞき、ほぼ満足度が得られた案内だったと思う。

まだまだ研究が必要には違いないが、ナイトツアーのキモというか

クロウサギ以外にも、厳しい冬をすごす動物の表情を見られることが

ツアーのおかげで分かったように思う。

 

何事も、やってみるもんだなぁ・・・

 

今回のMチャレンジは、美女&ゲロであった。

きつい日程を踏まえ、とてつもないゲロゲロな吐き気を催すだろうこと、

体調不良と無理な演劇に感じる魅力のバランスがどう影響するか

不眠のオッサンとしては、かなり興味深かった。

あるいは、誰かに惚れることができれば、楽勝で乗り切れるかも?と

良いように解釈もしていた。

 

ギリギリのところで踏ん張れずに

意味不明な自殺に飛び込むかもしれぬと考えたこともあったが

まったくそのような気持ちも起こらなかった。

 

ウツをかかえて、初めて演劇に出るオッサンなど、あまり居ないだろう。

ゲロゲロな吐き気は催したし、眠れない日々と全くない食欲が

どえらい体力を削ったのだが、アレルギー性の微熱&咳多発以外は

特に今のところ、さしたる症状はない。

 

食欲がないから無理やり食べに通った、お気に入りのラーメン店の

メニューが響いたのか、トシガイもなくニキビ(ふきでもの?)ができた。

世界からラーメンがなくなっても問題ないが、平土野(へとの)の

和(と書いて「のどか」と読む)のメニューは、なんか食べられる優しい味で

ラーメンも含めて、食べていたい味であった。

脳血栓?からやっと退院した図書館長M田カズミ氏と

同姓同名で異性のラーメン屋のオヤジだが、食への情熱が

いつも料理にあふれていて、食べたくなるのである。

 

厳しかった2週間だったものの、なにやら知らない世界や発見があったり。

人生、無理こそ通してなんぼかな・・・とか?


ではまた