ちょっと忙しいので・・・端的に

 


いきなり破壊している。

すると、じきに大ハンマーまで破壊してしまった・・・

 

しかたなく

「小さなことからコツコツと」とつぶやきながら、

力を入れないようにハンマーで小突いていく。

なれない作業・・・っていうか、初めての作業には

リキミは禁物である。

 

やがて、ハンマーが二つあれば、ブロックの目を読んで

壊していけるのを発見したので、結構いける。

 

どうしてブロック塀を小突き倒すかというと、

自家用車を入れられるように、生コンを打つためである。

兼久(かねく)はとてもブロック塀が好きな土地柄で

やたら狭い道とブロック塀が続く集落である。

 

コンクリの道は、雨のときは排水用の川の役目も果たすので

道路わきをちょっと盛り上げて、家の敷地に雨水が流れないよう

工夫されているのだが、そのために、より低い敷地へ入ろうとすると

ごっとんと越えたあとの傾斜が低く、車の下をすってしまうのだ。

シャコタンパッソの辛いところ。

 

二度ほどしたたかこすったので、断念した経緯がある。

軽トラなら、すっぽんと簡単に入ってしまうのが悔しい。

ただし、軽ですらバック限定。

もともと小路でミラーもないので、出るのも命がけ?

後ろ向きで小路にでると、何があるか分からない。

 

とはいえ

敷地の傾斜側が、道路側より段差が大きい必要は全くないし

敷地側を高くする方は問題ないので

傾斜をゆるくするとともに、傾斜自体を雨水よけの盛り上げまで

持ち上げることにしたのである。

土建屋さんでなく、土建屋さんにいた大家さんに相談したら

生コン1立米なら余裕だし、壊した小屋の材料があるから

木枠もあるし、やってもらえることになった。

相談してみるものである。

集落の中の人が施工するので、アフターサービス?もいいし、

集落内の違和感も、少なくて済むだろう。

大家さんの奥さんは、兼久・大久保の小字の長、小組合長である。

話の通りや、伝播の早さについても、とても具合がいいのである。

 

島は行政では大字のあとは番地となっているが

実際は小字が生きており、たとえば兼久1234番地であっても

兼久大久保1234番地でもOKなのである。

小組合長さんは、役場からの広報誌などを配ったり

寄付金などを募って、集めたりする活動が、今もしっかり行われる。

 

ともあれ

引越し先の大家さんには事後報告するのがいいらしい。

改善方向なのだが、ブロック塀を少し壊して広くすると伝えると、

ブロック塀がなくなるくらいの勢いで想像するから

事後報告で十分だ、と管理人さんと今の大家さんがいう。

 

鋭い・・・

 

ほか、網戸が全くないから、地元の須川木工さんにお願いし

こちらはプロにお願いすることに。

移転費用、50万円のチカラは偉大だ・・・

 

一方、出資側の役場はと言うと、これまたケッサク。

家が決まらないうちは、早く出て行くよう契約したかったらしく

しかも通達した日から二ヶ月後の約束より、

半月近く前に追い出す期日にせよ、といってきた。

出ようにも家がないというと、風呂がない町営住宅を案内したが

家が決まり、引っ越せるとなると、書類はいつでもいいよ

という風に手のひらを返していた・・・ 

 

まったく不思議な人格の建設課職員であるから

一応実名を出しておくと、イケガミという男だ。

悪気がないところが、なおもって不思議な男である。

 

島の友人らに、風呂のない家の話をすると

役場職員だから仕方ないよ、という異口同音の応えが。

役場って期待されていないというか、そういう組織だから

安心されるというか・・・でも、このたびの移転には

役場で働いている男、ということで一発決定していただけた。

 

役場のチカラは相当のもの。

 

でも役場のチカラもさることながら、地元で支えてもらうチカラも

半端ではない。 たいがいのことは誰かに相談すると解決する。

 

だるくて動けないときや、夜の観察があるときは

昼間にビールを飲んで寝ちゃうような、怪しいオッサンなのに

である。

 

このところずっと、

湿度も70%を切るサワヤカ?で暑い秋晴れ・・・

新しい家にもバルサンしたし、誤解のボヤ騒ぎもなく無事終了。

あとは、塀をだまって壊す内地人という誤解さえなければ

平穏無事に入居できそうである。

 

そういえば、大ハンマーの柄を、鍬用の柄で代用して

修理しとかないとな・・・

 

生コンの下に、塀の破砕片をしいたらいいと言われたけれど

ブロックを砕くのは大変だ。 すごくバシバシ飛び散るし。

短パン、ぞうり履き、菅笠姿で作業してはダメなのかもしれない。

上の方が壊しやすいが、下に行くほど鉄筋が効いているようで

難しくなったが、休み休み考えながらハツっていく。

ときおり、となりの管理人さんのところのネコがやってきて

ニャー、ンニャーと声掛けして通過していく。

島の集落は、人もペットも声掛けが基本みたいだ。

涼しいところに陣取ってみたり、家の中へ入り込んでしまったり。

 

次の入居先は、窓や戸は多いが、家が傾いているようで

ロックしようとすると、かからない・・・

上を見ると天井でなく、梁(はり)と屋根が見える・・・

台所も窓はたくさんあるが、換気扇はない・・・

でも、トイレも風呂も家の中。

床の間のある座敷には、梁に天井扇まで完備。

すぐわきに取り付けられた、上空のコンセントからは

なぞの緑色の液体が分泌されている。

島情緒にあふれつつ、かなり近代的である。

 

2時間ほどハンマーを振るっただけで、手がしびれている。

ハンマーは思ったより体に悪いらしい。

あとは後日にしよう、ということで撤退し、昼食と昼寝だ。

 

掃除は明日にするかな・・・

 

南国と言うのは、そういうペースでよろしいところが

やっぱり嬉しいのである。


ではまた