青い空、青い海、白い船

 (なぜか海上保安庁、体験航海記)

 


もう、499号になってしまった。

ということは、公開中断している以前のものも含めると

500回をゆうに超えていることになる。

継続は惰性なり・・・と、言われているような、しないような。

 

相変わらず食欲がないが、それはちょっとしたトラブルらしかった。

山海荘のオバチャンも同様で、自分で調理すると、

食べる前に味がわかるので、完成すると食欲が薄れるという。

同じだ・・・でも・・・オバチャンみたいに、やたら味見しないぞ・・・

そりゃ、味見じゃなくて、ツマミ食いって言うんだ、オバチャン。

 

とはいえ、やはり料理製作者は、自分の味に飽きるらしい。

 

一方、ついに役場の建設課がやってきて

あんたの家は立ち退きだから、家を探せと知らせてきた。

んと!立ち退き料50万円!?

これでやっと、国民年金が払えるわ・・・17万あまり。

あらそうそう、その前に家を探さないとイカンのだな。

 

それにしても

瓜売りが、瓜押し売りに来て、ウリャウリャー!!!(単なる掛け声)

というくらい、キュウリだの赤瓜だの大型瓜だのが冷蔵庫にひしめく。

味も無いが栄養も無い瓜のタグイをどうしようか・・・

今や、島じゅうが瓜大豊作でウリャウリャー状態なので回避不能。

どうやって食したものか・・・


さて

どういうわけか、総務課で防災担当のU松さんは、

ふざけて私を体験後悔?させたいらしかった。

でも、真顔で乗りたいというと、彼の方が後悔してしまっていような顔。

総務課長にうかがったら、イイトシコイテ・・・ということなのだそうだ。

でも、なんだか不思議と海上保安庁の船には、乗ってみたかった。

 

本来、そこまでふざけて言うなら、事前搭乗券をくれてよかったのに

U松さんは、なんも渡さないし、搭乗時間すら教えない。

私が乗ったら、なんかマズいんだろうか・・・?

 

果たして当日。

平土野(へとの)港は車で埋まっていた。

 

駐車すると、やにわに顔見知りの40代の顔を目撃。

どうやら、子供向けのイベントとしてとらえているのは

乗りそびれてしまった、心身ともにジジイ化したオッサンたちらしく

乗らないイイワケが欲しいようだった・・・

オッサンらの、好奇心よりダルさが重い、心の天秤具合が寂しいぞ。

 

いきなり遭遇したのは、松原西区集落のH山さんのお父さん。

70代でも単身乗り込んでいる。

仮面の忍者、シロカゲ似の、味わい深い顔つきが印象的だ。

先日のパソコン教室にもしっかり参加されていた。

 

だが、なんか違う・・・

見ているコチラの耳に、月月火水木金金のメロディーが聞こえてくる。

大和に搭乗した軍人の両親の隣に住んでいたオバサンに

野菜を提供していた農家の親戚の、婿養子さんの通ったマズイ食堂の

ダンナさんの友人の先輩っぽい感じがするが、この気迫はなんだろう。

艦上から海を見つめる姿が、ジンジョウではない。

 

戦中派のワケアリ航海なのか・・・?

 

だが周囲には観光っぽい子供連れや、ナゾの目的で乗艦した

デジカメやムービーカムを携えた、怪しいオッサンなどでひしめいている。

例えるなら、なぜか盆踊りで流されるようになった、ドラえもんの主題歌で

あんな夢、コンナ夢いっぱいあるけどー・・・を聞いて、

あんな事やコンナ事まで不思議なぽっけって叶えてくれるんか!?と

極めて不謹慎で怪しい夢を想像しているオッサン世代の怪しいオッサンだ。

 

そんなこんなで

周囲にオッサンや家族連れをたくさん目撃し、妙に安堵した。

 

案の定、出航直前、遅れてやってくる家族らがいくらかいた。

乗れないタイミングで出てきたが、ダメもとなのか、乗れると思ったか・・・

テゲテゲ家族は、乗船者の注目を浴びていた。

海上保安庁はテゲテゲには付き合わない、内地基準である。

 

受付テントのところで、役場職員が手を振っている。

すると私に気づいて、ちゃんと帰って来いよ〜!とか叫んでいる!!!

こちらも帽子を脱いで全力で振って、お達者でー!的に別れを・・・

つくづく遊び心満点な職員である。

ちなみにカリユシウェアの観光課長が一番ノリノリ。

 

島人は、楽しいことにいつも全力である。

 

左舷の涼しいところに陣取っていたら、訓練は全て右舷らしい。

もう入る余地が無い・・・

と思ったら、一度訓練を見ただけで皆移動してしまったので

ササッと一番いいところに入れてしまう。ラッキー!

 

低空飛行のヘリと、タービンエンジンの高速艦が揃う訓練など、

自衛隊ではナカナカ見られるものではない。

しかもどうやら、しぶきをあげるために、微妙に左右に艦を振って

航行しているようである。

推進力の強さに安定しないだけ???

200トンクラスが軽々と40ノット以上に加速する姿は、どえらい迫力だ。

(海マイル1.8キロX40=時速72キロ)

武装は、北朝鮮の工作船の火器より射程が短いといわれる

20mmバルカン砲のみなのだが、それでも威圧感は十分。

 

よくよく考えてみたら

取締りと海難救助双方を行う離れ業組織である。

警察と消防レスキューが一体のような。

海保って案外すごいな・・・

 

訓練はなかなかの趣向。

不審船を拿捕するシミュレーションである。

前方の小型艇のどくろマークもイイ味だが、

怪しいオッサンたちも乗っていて、芸が細かい。

銃器もどきを携えている。

もう一人はただの木の棒だが・・・

国旗のそばで不審者とは、少々気になる。

右翼っぽさが出てしまっている。

 

空砲による実戦?同様の威嚇射撃まで実施。

本来のバルカン砲は秒間100発だが、パパパパと

機関銃っぽい射撃間隔に調整している。

威嚇効果を高めるためだろう。

 

ふと甲板を見ると、

役場のケーブルテレビAYTのカメラマンがいたのであいさつ。

料理教室も祭りも海上訓練も、みんなみんな彼が撮影する。

 

計画とは思えないような、航空機の低空フライパス。

プロペラとはいえ、高速で低空を飛ぶのはすごい。

しかもただの通り過ぎでなく、ロールさせてパスし

さらに平土野港上空でターンして再度パス。

 

ビューンと航空機が通り過ぎたあとは

海上で救護訓練し、艦上からヘリへ人を移す訓練があり

一通りのメニューが終了。

本来は見所だが、なんだかスピード感がないので

テンションが下がって撮影せず。

 

やっぱり動かないと撮る気にならぬ性分である。

 

一時間半ほどのクルーズは終わりを迎え

艦艇やヘリがそれぞれ別れを示す。

海保ってノリノリ集団らしい・・・

かいもんではバルカン砲をバックに踊りまくる。

でも、結局このあと、同じ港に入港するのだけれども・・・

 

小型艇うけゆりは揺れる船首で、全く揺れを感じさせない高速ダンス。

NHK教育のアルゴリズム体操をミックスしたものだが、激しい動きで

かなりうけていた。

演じているのは、たぶん先ほどの不審者2名だ・・・

 

やっぱり今回

一番の迫力は低空飛行のヘリ。

最後も迫力だ。

艦橋から手を振る仕官?が味わい深い。

 

もう終わりか?と思ったら、なんか結構ひっぱる。

海上緊急コール118にちなんで、とある18歳女子の誕生祝。

おー!顔文字まで登場、海保って柔軟性あるぅ〜ってかヤワ?

 

その後もうひとつひっぱり

サプライズをやるとアナウンスがあり

かいもんが高速ターンしたが・・・上手くいかなかったのか?

なにをやりたかったのか不明。

そのまま帰港のアナウンスが流れ・・・案外テゲテゲ。

おそらく海上にハートでも描きたかったのだろう・・・

かなりイイ線いっていたが、トマト形っぽかった。

 

搭乗した本来の目的はこれ。

沖にトビウオが居なかったら、魚釣りはダメだろうと思ったのだが

島の海はしっかり大丈夫そうだ。

 

訓練もトビウオも見られたし

よかったよかった。


ではまた